このページの本文へ

ソニー、2005年度の業績見通しを上方修正――円安やエレクトロニクス分野の好調などで

2006年01月26日 20時18分更新

文● 編集部 伊藤咲子

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

ソニー(株)は26日、2005年度第3四半期(2005年10~12月)の連結業績を発表した。売上高は前年同期比10.2%増の2兆3676億円、営業利益は同46.8%増の2028億円、当期純利益は同17.5%増の1689億円。エレクトロニクス/ゲーム事業の好調、生命保険分野の増収による金融事業の好調、円安などの要因により、売上高と当期純利益は四半期ベースで過去最高を記録した。

執行役 エグゼクティブ・バイス・プレジデント兼CFOの大根田伸行氏 コーポレート・エグゼクティブ シニア・バイス・プレジデントの湯原隆男氏
執行役 エグゼクティブ・バイス・プレジデント兼CFOの大根田伸行氏コーポレート・エグゼクティブ シニア・バイス・プレジデントの湯原隆男氏
2005年度第3四半期の連結業績
2005年度第3四半期の連結業績

エレクトロニクス分野

エレクトロニクス分野の売上高は1兆5958億円、前年同期比で4.7%増加した(前年同期の為替レートを適用した場合は2%の減収)。販売が好調だったのは、“BRAVIA(ブラビア)”シリーズの液晶テレビ事業と液晶プロジェクションテレビ事業、HDDやフラッシュメモリーを搭載した携帯オーディオプレーヤー“ウォークマン”事業。ブラウン管テレビ事業やプラズマテレビ事業は減収となっている。

営業収入を除く外部顧客に対する売上高は1兆4734億円で、前年同期比で2%増(現地通貨ベースだと5%減)。この売上(1兆4734億円)を100とした場合に地域別の売上をみると、日本が18%、アメリカが27%、ヨーロッパが26%、その他が29%という構成。日本とヨーロッパでは減収、アメリカとその他の地域で増収となっており、特に日本は前年同期比で14%の減収という。

一方、営業利益は789億円で、原価率の改善や円安により、前年同期比で56.2%増加した。営業収益の増加に貢献したとして名前が挙がったのは、ノートパソコンの販売が好調でかつコスト削減などにより収益性が改善したという“VAIO”事業、DVD方式/HDV方式カムコーダーの売上が増加した“ハンディカム”事業、放送機器事業。

エレクトロニクス分野の業績
エレクトロニクス分野の業績

なお、主要な製品カテゴリー別にみた売上高と経常利益は以下のとおり。

オーディオ
売上高:1846億円(前年同期比0.3%増)、営業利益:121億円(同34.4%増)
カムコーダー
売上高:3139億円(同6.1%減)、営業利益:308億円(同63.0%増)
テレビ
売上高:3611億円(同19%減)、営業利益:308億円(同63.0%増)
情報・通信(VAIOはこのカテゴリーに含まれる)
売上高:2247億円(同2.4%減)、営業利益:212億円(同231.3%増)
半導体
売上高:1822億円(同17.5%減)、営業損失:24億円
コンポーネント
売上高:2518億円(同25.8%増)、営業利益:178億円(同196.7%増)
そのほか
売上高:1986億円(同14.9%減)、営業利益:178億円(同78.0%増)
エレクトロニクス分野の製品カテゴリー別業績
エレクトロニクス分野の製品カテゴリー別業績

ゲーム分野

ゲーム分野にとって、年末商戦を含む第3四半期は重要なシーズンだが、売上高は4192億円で前年同期比48.3%の増。ハードウェアの生産出荷台数は、『PlayStation Portable』(PSP)が622万台(同571万台増)で、『PlayStation 2』(PS2)が536万台(同203万台減)。ソフトウェアの生産出荷台数は、PSP向けが1450万本(同1320万本増)で、PS2向けが9300万本(同1600万本減)。増収にはPSP関連製品がワールドワイドで大きく貢献している。なお地域別に見ると、日本は減収、アメリカとヨーロッパは増収。営業利益は678億円で、前年同期比52.1%増。

ゲーム分野の業績
ゲーム分野の業績

2005年通期連結業績見通しを上方修正

第3四半期の実績を受けて、ソニーは2005年通期の連結業績見通しを上方修正した。

それによると売上高は7兆4000億円(9月時点見通しは7兆2500億円)で、営業利益は1000億円(同200億円の損失)、当期純利益は700億円(同100億円の損失)。修正を行なった背景について執行役 エグゼクティブ・バイス・プレジデント兼CFOの大根田伸行氏は、「第3四半期の為替レートが想定よりも円安で推移したこと、エレクトロニクスと金融分野で実績が見通しを上回ったことの2点」と説明した。為替レートについて、9月時点の見通しの想定は1ドル=107円/1ユーロ=130円だった。大根田氏いわく、「第3四半期の実績は好調だったが、第4四半期については引き続きソニーを取り巻く環境は厳しいとして、慎重な見方は変えていない」という。

2005年通期の連結業績見通し
2005年通期の連結業績見通し

カテゴリートップへ

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン