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ソニー、QRIOの新規開発を中止

2006年01月26日 21時17分更新

文● 編集部 伊藤咲子

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QRIO(2005年12月撮影)
QRIO(2005年12月撮影)

ソニー(株)は26日、2005年度第3四半期の連結業績とともに、2005年度経営方針説明会(2005年9月開催)で発表した1万人の人員削減(国内外)を含む構造改革案の進捗を発表した。またそれに関連して、“特定ビジネス分野の収益性改善プラン”として、2足歩行のヒューマノイドロボット『QRIO(キュリオ)』の新規開発の中止を含む、7項目を発表した。



執行役 エグゼクティブ・バイス・プレジデント兼CFOの大根田伸行氏
執行役 エグゼクティブ・バイス・プレジデント兼CFOの大根田伸行氏

2005年度第3四半期の連結業績では、エレクトロニクス/ゲーム事業が年末商戦で好調だったこと、円安などの要因により、売上高と当期純利益は四半期ベースで過去最高を記録し、また2005年通期の見通しを上方修正したことが発表された(詳しくはこちらの記事を参照)。しかし、執行役 エグゼクティブ・バイス・プレジデント兼CFOの大根田伸行氏は、「エレクトロニクス分野では回復の兆しが見られるが、まだまだ利益は満足のいく水準ではない」として、慎重な姿勢を変えていない。

構造改革案ではグループの連結営業利益率は、2007年度末まで5%達成(エレクトロニクス分野は4%)を目標としているが、2005年度第3四半期までに4.3%、2005年度通期では2.3%になる見込み。生産拠点の統廃合は、2007年度末までに65ヵ所のうち11ヵ所を削減するとしているが、2005年度第3四半期までに3ヵ所が削減され、2005年度通期では7ヵ所が削減される見込み。対応が完了した3拠点は、ブラウン管を手がけていた英Sony United Kingdom Limited-UK Technology社(2005年12月生産終了)、カムコーダーや携帯電話機などを手がけていた中国の北京索鴻電子有限公司(同、関連会社に売却)、ウォークマンやカーナビゲーションシステムなどを手がけていたソニーイーエムシーエス(株)埼玉テック 岩槻工場(2005年3月坂戸事業所に集約)。1万人の人員削減は、2005年度第3四半期までに2400名が退社しており、2005年度通期では4500人が退社する見込み。

また、“特定ビジネス分野の収益性改善プラン”として、以下の7項目が発表された。多くは記者発表会などですでに明らかにされている項目だが、太字のQRIOの新規開発中止と車載機器の国内戦略に関しては、この会場で明らかになった。



エアボード
2005年秋に発売した、パソコンや『PlayStation Portable』に接続できるベースステーション“ロケーションフリー”を核に、クライアント商品の多様化や販売エリアの拡大によりビジネス拡大を図る
車載機器
海外は現行事業の変更はなし。国内では、“XYZ”シリーズなど現行製品の生産と販売は2005年度末をもって一旦終了し、車載機器事業自体を再構築する
プラズマテレビ
薄型テレビとしては、液晶/リアプロジェクションテレビに注力し、プラズマテレビの自社開発/生産は行なわない
ブラウン管テレビ
全世界での販売は継続し、中南米やアジアなど事業が堅調な地域には注力。ブラウン管の生産拠点化はアジアに集約
QUALIA(クオリア)
2003年に発表されたQUALIAは、“人の心に訴えるモノづくり”を、技術/デザイン/設計/製造に渡るあらゆる面で最大限に追求し、販売/サービスまでを通じて“感動価値”の創造を目指していくというブランドとして新設され、これまで10製品以上が発売された。新規開発はすでに終了しており、生産販売は縮小して終了予定。サポートは継続する
エンタテインメントロボット
4足歩行のロボット『AIBO』の新規開発はすでに終了しており、生産は2005年度末までに終了する(サポートは継続)。QRIOも新規開発は中止。大根田氏は「“エンタテインメントロボット”としての開発は中止。ここで培ったAIのテクノロジーは、QRIOとかAIBOで使われるだけでなく他にもアプリケーションはあるので、研究は引き続きやっていく」とした
業務用機器 3カテゴリー
すべて自社開発する方針を見直し、外部リソースを積極的に活用する。3カテゴリーの内容などは現時点で非公開という


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