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NTTが“Lモード”を発表――家庭の電話機でインターネット

2000年10月18日 23時05分更新

文● 編集部

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東日本電信電話(株)と西日本電信電話(株)は18日、専用の家庭用電話機などからインターネットを利用できるサービス“Lモード”を発表した。サービス開始は来年の3月から4月を予定。利用料金は、月額基本使用料500円以下を目指すという。

Logoはプッシュホンをイメージ。右上が欠けている部分はユーザーが工夫し埋めるという意味がこめられているほか、“L”には、Living(生活)、Lady(女性)、Local(地域に根ざした)を意味する

“Lモード”は、固定電話のプッシュボタンの大きさなどの特徴を生かし、iモードを使い慣れない老人や主婦、子どもをターゲットとするサービス。インターネットやメールを利用したことのない人に気軽に操作できるように設計し、少しでもデジタルデバイド(情報格差)を解消しようと考えられているという。同社は、サービス利用者の見込みを150万世帯から200万世帯と考えている。

Lモード対応のファクス電話 案内図や契約書などをプリントアウトできる
Lモード対応の電話機。選択カーソルが特徴的なデザイン

“Lモード”では、Lモード対応の家庭用電話機やファクス電話機からインターネットに接続、メールやウェブを楽しむことができる。提供されるサービスはインターネットを利用した“情報検索サービス”と“メールサービス”、ファクスをプリンター代わりに利用する“ファクスプリントアウト機能”など。また、街角にあるIC公衆電話機でもICテレホンカードとLモード対応ICカードの2枚を挿入し、利用することができる。

Lモードをパソコン、携帯電話に次ぐ2.5世代目の情報端末だと語る営業部長 古賀 哲夫氏

Lモードでは、NTT東日本、西日本にそれぞれ1台ずつ設置されたゲートウェイサーバー(以下GW)に、近くのアクセスポイントから接続し、情報サービスやメールサービスを利用することになる。これにより、市内電話料金3分10円の通信料金でサービスが利用できる。しかし、市内にアクセスポイントがない場合には、市外料金になる。回線速度は、アナログが9600bps、ISDNが32kbps。なお、回線速度に関しては今後音楽配信などのサービスを提供できるぐらいの速さにしていくという。

生活に密着したコンテンツを提供

“情報検索サービス”は、タウンガイドや天気予報などの地域情報や、チケット予約やオンラインバンキングなどの在宅取引、医療福祉などの生活支援情報、ショッピング情報やグルメガイドなどの教養娯楽情報などを配信していく。これらの情報は、Lモードの“Lメニュー”から分野ごとに探し出せ、おなじ情報でも地域によって情報が階層の浅い所や深い所にあるといったかたちで提供される。コンテンツには有料と無料コンテンツがあり、有料のコンテンツに関しては、NTTが料金の回収代行を行なう。コンテンツの制作には、iモードなどで使われている“コンパクトHTML”を使用するため、既存のiモードのサイトをLモードで閲覧することも可能。また、同社では11月下旬にコンテンツ・プロバイダー向けに説明会を開催する。

ドメインは“pipopa.ne.jp”

“メールサービス”におけるメールアドレスは、“ユーザーの電話番号@pipopa.ne.jp”となる。ユーザーの電話番号の部分は、ニックネームなどのエイリアスに変更が可能。なお、引越した場合は電話番号が変わり、メールアドレスが電話番号のままでは変更しなければならないので、固定のエイリアスをつけることでこの問題を解消するという。メールアドレスは、アナログ電話では1台につき1ドメインしか与えられないが、ISDNの加入者は、NTTが提供する“iナンバー”を利用すれば3つまでのドメインを獲得できる。また、メール着信は電話機に通知されるが、その着信したメールを読むにはサーバーにメールを取りに行くために通信料がかかる仕組みとなっている。

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