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NTTと松下、“FTTH金沢トライアル”の実験成果を報告

2001年07月31日 21時40分更新

文● 編集部

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日本電信電話(株)、西日本電信電話(株)、松下電器産業(株)、松下通信工業(株)、北陸松下ライフエレクトロニクス(株)の5社は31日、昨年の5月から今年の6月30日まで石川県金沢市で実施した共同実験“FTTH金沢トライアル”の成果を報告した。

“FTTH金沢トライアル”は、光ネットワークと情報家電を利用した地域情報流通ビジネスの検証を目的として実施されたユーザー参加型のトライアル。光ネットワークサービスであるワイドLANサービス41回線(SOHO:27回線、集合住宅:5回線、街頭端末:2回線、公共機関:2回線、実験用拠点:5回線)を使用し、約120世帯が参加した。参加ユーザーは、トライアルサイト“ひかりチャンネル”上の大容量コンテンツを受信できるとともに、ユーザーが作成したコンテンツの発信も行なえる。これらのコンテンツの総数は、エンターテイメントから生活情報まで40を超えたという。

今回のトライアルを通して、いくつかの有望なビジネスモデルを開拓し、ビジネス成立のための市場環境やサービス条件の知見を獲得した。企業間の通信(B2B)は、コンテンツ販売や印刷・製版業での大容量データ送受信など、参加ユーザーの実際のビジネス上で成り立っており、「1度使ったら、メタリックの時代に戻れない」というユーザーの声もあったという。

企業と消費者を結ぶ通信(B2C)では、音楽ライブ中継や動画広告配信などを実施し、今後さらに発展する可能性のあるものを見出せた。バスの現在地をリアルタイムで表示する“バスドコ”は既に実際のビジネスに結び付いている。消費者と消費者を結ぶ通信(C2C)は、潜在的な市場規模が最も大きいとされているが、同トライアルではキラーサービスを見出せなかった。

コンテンツ配信については、ライブ中継や映画のダウンロードなどを実施し、大容量コンテンツでトラフィック特性の異なる条件下で光ネットワークの特性を評価、検証した。速度に関するユーザー満足度調査では、おおむね好評を得ることができたという。さらに、地元放送局の放送素材の2次利用を試み、コンテンツ内容によってビジネス成立の成否が分かれることを確認するなど、コンテンツ利用に関するノウハウを蓄積できた。

家庭のテレビに接続し、テレビからトライアルサイトやインターネットにアクセスできる実験用の情報端末“ホームゲートウェイ”については、本体のコンパクト化と操作性の向上が必須であり、著作権保護機能を利用した映画や音楽配信といったサービスを開拓し、新しい市場の可能性を確認できた。同トライアルを通じて、光ネットワーク用の情報家電端末としてのニーズが大きいことが分かり、得られた課題を解決し商品化に繋げていきたいとしている。

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