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NTTレゾナント、ポータルサイト“goo”にローカル検索機能を追加

2005年07月25日 21時47分更新

文● 編集部 小林久

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エヌ・ティ・ティ レゾナント(株)(以下NTTレゾナント)は25日、同社が提供するポータルサイト“goo”に、地図と飲食店や宿泊施設などの情報を連動して検索できる“ローカルサーチ”機能を追加し、26日から提供すると発表した。同機能は“goo地域”および“goo地図”で利用できる。同社は“エリア情報検索実験”を同社の実験サイト“gooラボ”において2005年4月から提供してきたが、今回このサービスを正式サービスとして無料で提供することになった。

ローカルサーチ機能の結果表示画面(左)とその中で表示される地域型PPC広告(右)

また、地域情報に連動した広告商品である“地域型PPC広告”の販売も26日に開始する。これはユーザーが行なった地域情報の検索結果に連動して表示される広告で、出稿するための初期費用として1050円。東京都、神奈川県、大阪府の場合、1クリックあたり21円の料金がかかる。

小澤氏
NTTレゾナントポータル事業本部メディア事業部担当部長の小澤英明氏

地域情報と連動した検索サービスは、すでにグーグル(株)の“Googleローカル”などがあるが、発表会に出席したNTTレゾナントポータル事業本部メディア事業部担当部長の小澤英明(おざわ ひであき)氏は「既存のローカルサーチサービスは住所やランドマークなどの“場所情報”と“キーワード”を組み合わせて検索する。これは自分が何を知りたいかが明確であるならいい選択である」とした上で、gooのサービスでは「“行動支援メディア”として、より日本人に合った形態のサービスを提供できる」と説明した。

gooのサービスの特徴は、都内主要駅などを中心とした全国150ヵ所を起点とし、行動圏内(直線距離で500~1km四方の範囲)の情報を統合的に提供する点。“グルメ”“買い物”“ATM等”といったタブをクリックすることで、同一の地図上に“飲食店”や“宿泊施設”などの情報を切り替えて表示できる。Googleローカルでは“池袋”+“イタリアレストラン”といったキーワードで検索するため、検索する店舗や施設の種類に応じて複数回の検索が必要になる。



タブで同一の地図内の検索するカテゴリーを切り替えたり(画面左)、より細かなジャンルで絞り込むことができる(画面右)

エリア情報は2006年3月までに1000ヵ所に増やす予定。1km四方という範囲は徒歩25分以内で移動できるという観点で決めたという。表示される地図は、(株)ゼンリンの提供によるもので、Internet Explorer 6.0以降を利用している場合は、左クリックしながらマウスカーソルを動かすとマウスカーソルに合わせて地図がスムーズにスクロールする(クリックした場所が地図の中心になる)。また、(株)エヌ・ティ・ティ・データの技術を利用したルート検索の機能を持つほか、検索結果に表示されたQRコードを利用した“携帯電話機との連携機能”(携帯道案内)も提供するという。また、自分の生活圏を登録する“マイページ”機能なども用意されている。

ルート検索。検索結果(到着地点)に対する、出発地点を指定するとカーナビのような道順を表示してくれる
QRコード
地図上の数字をクリックすると店舗情報を示す中間画面が現われる。右下のQRコードを携帯電話で撮影すると携帯電話機で道案内を表示することができる

地図機能に関しては、8月中旬までにGoogleローカルのような“ドラッグ型”にも対応するほか、施設名から探す“ランドマーク検索”も8月上旬から提供する予定。また矢印カーソルによるスクロール機能、選択領域の拡大機能なども9月末に提供する予定。

地域情報サービスとローカル検索の歴史(左)とgooローカルの特徴(右)

小澤氏は「将来的にはGoogleのような衛星写真を利用したサービスや、3Dマップの導入も検討している」と述べた。同氏によると「地下鉄の出口から見える風景写真を掲載することで方向を間違えずにすむ」ようにしたり、「衛星写真上に地図を重ねることでより地図を分かりやすくする」といったアイデアもあるという。

店舗情報は約30万件が登録されており、(株)ぐるなびの“ぐるなび”や(株)ウォーカープラスの“Walkerplus”などから提供を受けたほか、検索ロボットを利用してgooが独自に収集した。また、現状で検索結果は距離の順番で表示されるが、「インターネット上での知名度を基準に結果を表示する方法なども実験中」(小澤氏)であるという。小澤氏は生活圏の範囲は店舗や施設の種類によって増減すると説明し、「八百屋などは通常500m圏内と言われるため距離の近いものから表示されたほうが役立つが、レストランなどは多少距離が離れていても有名な店舗の情報が求められる傾向がある」と述べた。

地域型PPC広告は、地図情報に関連したテキスト広告を掲載するもので、地図の右側に3件ずつランダムで表示される仕組み。広告料金は1クリックあたり標準21円(東京都、神奈川県、大阪府)だが、北海道、宮城県、埼玉県、千葉県、愛知県、京都府、兵庫県、広島県、福岡県は18.9円(1割引)、そのほかの県は16.8円(2割引)となる。広告はgoo以外にもエヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ(株)のOCNなど提携12サイトにも掲載される。1クリックあたりの料金が2倍になる代わりに、グルメ、宿泊施設などニーズの高い情報掲載面に限定してテキスト広告を掲載する“プレミアサービス”も用意する。

広告売り上げに関しては2008年度に10億円。2010年度に30億円を予定。小澤氏は「いままでにないインターネットの広告枠を増やすことで広告ビジネスが広がる」と説明。地域と密着した広告にはもともと大きな市場規模があり、「インターネット広告ビジネスは2000億円市場と言われるが、電話帳の広告は1500億円。これにフリーペーパーや新聞チラシなどを含めると1兆円規模になる」と語った。

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