アマゾン ジャパン(株)は10日、同社のオンラインストアー“Amazon.co.jp”に、新たに“ソフトウェア”と“TVゲーム”の2つのストアーをオープンしたと発表した。
“Amazon.co.jp”の“ソフトウェア”ストアー |
“Amazon.co.jp”の“TVゲーム”ストアー |
同社は米Amazon.com(アマゾン ドット コム)社の子会社で、2000年11月に日本でのオンライン書籍販売のサービスを開始し、2001年6月にCDやDVD、ビデオの取り扱いを始めた。今回立ち上げた新ストアー“ソフトウェア”ではパソコン用のソフトウェアのパッケージを、“TVゲーム”では家庭用ゲーム機向けゲームソフトパッケージを、それぞれ販売する。“TVゲーム”では家庭用ゲーム機本体も販売する。どちらも送料は無料。また、“ソフトウェア”ではアプリケーションのダウンロード販売は行なわない。なお、米国の“Amazon.com”では、すでに6年前からソフトウェアなどを扱っている。
今回追加した2つのストアーには、新たに“バイヤーズガイド”機能を実装する。バイヤーズガイドは、ストアーに行ったけれど何を買えばいいのか分からない人々に、Amazon.co.jpがお勧めの商品のアドバイスをする。また“TVゲーム”ストアーでは、発売予定のゲームの映像を、メーカーの協力によってRealMedia形式でストリーミング配信する。そのほかには、従来の書籍やCDのストアーと同様、カスタマーレビューやエディターレビュー、また人気商品のランキングなども提供する。
“ソフトウェア”ストアー、バイヤーズガイド |
“ソフトウェア”ストアーには、ビジネス・オフィス、グラフィックス、セキュリティー、ゲームなどの15のカテゴリー、6000タイトルのパソコン用ソフトウェアを揃える。Windows XPも販売するほか、最大で30%まで、ディスカウント販売を行なう。バイヤーズガイドや1時間ごとに更新する商品ランキングなどを参考に、ユーザーは商品を購入できる。
また、“TVゲーム”ストアーでは、『ニンテンドーゲームキューブ』や『PlayStation2』、『ゲームボーイアドバンス』などの家庭用ゲーム機向けの、約2000タイトルのゲームソフトを提供する。さらに、ゲーム機本体や200種類の周辺機器・アクセサリーも販売する。サイト内では、機種別およびゲームのジャンル別に分類され、またレビューや検索機能によって、望みの商品を探すことができる。これらは、現状では定価で販売する。なお、『Xbox』および対応ゲームの販売も予定している。
アマゾン ジャパンのカントリー・マネージャー代行兼ファイナンス・ディレクターのジャスパー・チャン氏 |
同日の記者説明会で、アマゾン ジャパンのカントリー・マネージャー代行兼ファイナンス・ディレクターのジャスパー・チャン(Jasper Cheung)氏は、Amazon.co.jpが「ソフトウェア、TVゲーム(のオンライン販売)において、主要なサイトになることは間違いない」と断言した。Amazon.co.jpと他のEコマースサイトとの違いは、関連するほかの商品も購入できることだ。たとえばゲームを購入する場合、本体や周辺機器のほか、そのゲームの攻略本やサウンドトラックのCDなど、Amazon.co.jpが扱う全ての関連商品にアクセスできることが強みだという。
またチャン氏は、Amazon.co.jpで書籍を購入するユーザー層と“ソフトウェア”や“TVゲーム”を利用するようなユーザー層がほぼ一致すると説明した。チャン氏は、今後もAmazon.co.jpを拡充し、あらゆる商品を買えるようにすることを目指すという。Amazon.co.jpを利用する顧客数は、2000年11月の30万人から、現在では60万人前後と大幅に増加している。
あらゆる商品がそろうサイトを
ASCII24編集部では、今回の新ストアーのサービス開始に合わせて、両ストアーの立ち上げを担当したアマゾン ジャパンのエンターテイメント エディター和久裕子さんにインタビューを行なった。
エンターテイメント エディター和久裕子さん |
あちこち探す必要がなく、1つの場所で全て買えることが重要 |
はたして“何でも売っている百貨店サイト”と“これだけを売っている専門店サイト”のどちらが、よりユーザーの心を捉えられるのだろうか。専門店の集合(モール)あるいは、両者の棲み分けが可能なのだろうか。
現在、Amazon.co.jpで購入できるのは、書籍のほかに、CD、DVD、ビデオ、ソフトウェア、ゲーム機およびビデオゲームだ。ヨーロッパのAmazon.ukでは、5月からさらに家電製品も扱っている。アマゾンの目指すのが、何でも買える百貨店的なEコマースサイトであることは間違いない。だが、Amazon.co.jpで次に何を販売するのかという質問への答えは、「申し上げられる段階ではありません」だった。