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IIJ、個人向けサービス“IIJmio”に独自ドメインメール&ウェブサイトサービスを追加

2002年03月19日 23時54分更新

文● 編集部 佐々木千之

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(株)インターネットイニシアティブ(IIJ)は19日、本社で記者発表会を開催し、個人向けのインターネットサービス“IIJmio(アイアイジェイ・ミオ)”に、独自ドメイン名のメールとウェブサイトが利用できる“IIJmioパーソナルドメインサービス”を追加すると発表した。26日に提供を開始する。初期費用5000円(※1)、月額基本料金は3800円となっている。

※1 5月31日まで、サービス開始キャンペーンとして初期費用無料で受け付けるとしている。

IIJ営業企画部部長の中居良則氏(左)とソリューション推進営業部次長の金子健氏(右)
IIJ営業企画部部長の中居良則氏(左)とソリューション推進営業部次長の金子健氏(右)

IIJmioは、IIJが2001年8月に発表した個人向けのインターネットサービス。同社の従来提供してきた“IIJ4U”を含めた一般的なインターネットサービスが、接続、メール、ホームページの3つのサービスをまとめて提供しているのに対して、IIJmioでは、それらのサービスをユーザーが選択できるようにした。IIJ4Uや法人向けサービスで評価の高い、技術力や高信頼性を背景に、インターネットの先進技術を取り入れた高品質なサービスを提供するとしている。

これまでIIJmioブランドでは、Bフレッツ対応接続サービス(固定IP)“IIJmio FiberAccess/SF”、フレッツ・ADSL対応接続サービス(固定IP)“IIJmio DSL/SF”、イー・アクセス(株)のADSLに対応した接続サービス“IIJmio DSL/De”、高品質/高信頼性メールサービス“IIJmioプライムメールサービス”、セキュリティー機能対応メールサービス“IIJmioセーフティメール”の5つのサービスを発表している。

IIJmioはmioIDというサービス利用のためのアカウントを作り、それから利用したいサービスを選ぶ仕組み
IIJmioはmioIDというサービス利用のためのアカウントを作り、それから利用したいサービスを選ぶ仕組み

IIJmioとして6番目のサービスとなる、パーソナルドメインサービスは、ユーザー独自のドメイン名に対応した、ウェブとメールのホスティングサービス。当初は“*****.jp”といった汎用JPドメイン名のみだが、夏頃までには“****.com”“****.org”などのgTLDドメイン名にも対応するとしている。DNSレコードでは、Aレコード(IPv4)(※2)とAAAAレコード(IPv6)は各3レコードまで

※2 Aレコード/AAAAレコード:Aレコードはホスト名(****.jpなど)からIPアドレスへの対応を指定するもの。AAAAレコードはそのIPv6版。

ウェブホスティングのディスク容量は100MBで、“掲示板”や“日記”“アクセスカウンター”といったコンテンツのためのCGIも用意する。アクセスログサービスもあり、14日分が保存される。ディスク容量は固定であり、追加することはできない。これについてIIJでは「柔軟に容量を変更可能にするとコストがかかり利用料金に跳ね返ってくる。100MBは法人向けサービスでのディスク使用率も参考にして決めたもので、十分と考えている」としている。

メールホスティングで提供するメールアカウント数は5個で、追加料金(1メールアカウントあたり月額500円)を支払うことで、さらに5個まで追加できる。受信メール数と受信メール容量は無制限(1メールの容量は最大10MB)。メール保存期間は未読/既読ともに30日間。2ヵ所まで転送先を指定できる転送サービス、受信・削除したいメールを設定できるフィルター機能を用意する。また、SMTP認証(※3)、POP/SMTP over SSL(※4)、APOP(※5)などのセキュリティー機能や、送受信するメールのウイルスをチェックして、ウイルスに感染していた場合に駆除まで行なうウイルスプロテクション機能も提供する。

※3 SMTP認証:メール送信の際にユーザー認証を行なう仕組み。ただし、この機能に対応したメールソフトでなければメール送信はできない。

※4 POP/SMTP over SSL:メール送受信の際にSSL(Secure Socket Layer)によって暗号化して通信を行なう。

※5 APOP:メール受信の際のパスワードを暗号化して送信する仕組み。ただし、APOPに対応したメールソフトでなければメール受信できない。

パーソナルドメインサービスのウェブホスティングとDNS機能はIPv6に対応しているが、個人向けウェブサーバーのIPv6対応は、日本国内では初めてのサービス提供としている。世界でもオーストラリアのプロバイダー1社が提供しているだけという。ただし、IPv6対応といっても利用できるサービスにIPv4と変わりはないため「IPv6対応であることに意義を見いだすユーザー向け」としている。

IIJmioのサービスとして、パーソナルドメインサービスを提供する背景としては、IIJがIIJ4Uのユーザーを対象に2001年8月に実施したアンケート調査(回答数は約3000)で、ウェブサービスに関して独自ドメインを利用したいというユーザーが64%に上ったことがあるという。

IIJ4Uのユーザー数は、ほかのプロバイダーの2000円定額サービスや、低価格のブロードバンド接続サービスの開始によって、現在は減少傾向にあるという
IIJ4Uのユーザー数は、ほかのプロバイダーの2000円定額サービスや、低価格のブロードバンド接続サービスの開始によって、現在は減少傾向にあるという

発表会でIIJの個人向けサービス展開について説明した、営業企画部部長の中居良則氏によると「接続形態の多様化に対応するため、接続サービスと(ウェブやメールなど)アプリケーションの分離が望ましいと考えた。IIJ4Uのまま提供するのは難しいと考え、先進的でIIJらしいサービスの提供を目指してIIJmioを開始した。IIJ4Uは“あなたのため”のサービス、IIJmio(※6)は“私が作る”サービスだ」とIIJmioサービスの開始の理由について述べた。

※6 IIJmioのmioはイタリア語で「私の」「私のもの」を意味する語。なお、IIJ4Uの4Uは“for you”に由来する。

IIJmioでは、今後も新しい技術サービスなどへ積極的に対応していくとして、“AirH″”対応接続サービスを提供する予定であることを明らかにした。IIJ4Uと競合するようなサービスについてもあり得るとしている。

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