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日本IBM、企業向けのパソコンリサイクル事業“IBMリサイクル・ソリューション・サービス”を発表


2002年11月15日

日本アイ・ビー・エム(株)(日本IBM)は15日、使用済みパソコンの各種リサイクル関連サービスを企業向けに提供する“IBMリサイクル・ソリューション・サービス”を発表、都内で記者会見を開催した。

小林光男氏
日本IBM 環境担当の小林光男氏
須崎吾一氏
PC製品事業部長の須崎吾一氏

IBMリサイクル・ソリューション・サービスは、2000年6月に公布された“循環型社会形成推進基本法”に基づき、使用済みパソコンの回収/リユース(再使用)/リサイクル(部品の再利用)、およびそれらに付随するデータ消去や運搬、中古製品販売チャネルなどの各種サービスをまとめて提供するもの。

内容は以下の6つのサービスとなる。

  • PC回収リサイクル・サービス
  • 機器リサイクル支援サービス
  • データ消去支援サービス
  • お客様所有PC買取りサービス
  • PCロングライフ・サービス
  • リユースPC寄贈支援プログラム

循環型社会形成推進の法規制
記者会見でのプレゼンテーションデータより。パソコンの出荷数増加に伴い、産廃や埋め立ての問題が浮上し、リユース/リサイクルの機運が高まっている。それを受けて、循環型社会形成推進の法規制が進んでいる
PC回収リサイクル・サービス
日本IBMと日立製作所が11日に発表した“PC回収リサイクル・サービス”の概要

“PC回収リサイクル・サービス”は、11日に日本IBMと日立製作所が共同で発表したもの。

機器リサイクル支援サービスは、従来“PCリサイクル支援サービス”として同社が実施していたものをリニューアルし、18日よりサービス開始するもの。機器の回収・運搬/保管/分別し再利用可能なものは買取り(別契約)、故障品は産廃業者に委託/破棄処理への手続きを行なう。

“データ消去サービス”は、ほかのサービスと連携してリユース/リサイクル/廃棄の前にHDD内のデータを消去するもので、12月初旬よりサービスを開始する。データ消去の方法は、稼働可能なHDDについては指定/固定データを上書きし、故障HDDについてはシーク不可にするため、ディスクに穿孔処理(技術員が目視で確認)を行なう。作業結果についてはレポートを提出するほか、必要な場合には作業への立会も可能という。

機器リサイクル支援サービス
“機器リサイクル支援サービス”の概要
お客様所有PC買取りサービス
“お客様所有PC買取りサービス”の概要

“お客様所有PC買取りサービス”は、使用済みパソコンに対して日本IBMが検査、データ消去、クリーニングなどを行ない、中古販売業者/卸売り業者、および企業や個人に対して中古パソコンとして販売するもの(動作不良の場合は、データ消去の後に廃棄/スクラップの手続きに入る)。日本IBM藤沢事業所に新たに部門を設け、そちらで実作業を行なうとのこと。

“PCロングライフ・サービス”は、スペックが陳腐化して最新OSでの再利用が難しくなったパソコン(10台以上から受け付け)に対して、稼働テストとクリーニングの後にLinuxをインストールし、顧客の指定場所に送付するというもの。ウェブブラウズやメール、ワープロ、社内研修など一部業務に特化した利用環境の場合に、パソコンを資源として従来より長期間利用可能にする。Linuxのディストリビューションは、『Red Hat Linux』/『Turbolinux』/『SuSE Linux』を用意しており、これ以外についても相談に応じるという。

“リユースPC寄贈支援プログラム”は従来から継続して行なわれているサービスで、マイクロソフト(株)と日本IBMの協業で行なわれている。使用済みパソコンを日本IBMが引き受け、クリーニング、データ消去などの技術/費用を日本IBMが負担、OS(Windows)とOfficeをマイクロソフトが提供して、稼働可能なパソコンに再生したのちに、日本特定非営利法人(NPO法人)のイーエルダーを通じて、教育施設や社会福祉施設など非営利団体に寄贈されるというもの。2001年度実績として、483団体に合計1025台が寄贈されたことが報告された。

発表会場には、日本IBM 環境担当の小林光男氏とPC製品事業部長の須崎吾一氏らが出席し、「20世紀までは開発→生産→使用を繰り返すいわば“動脈産業”だったのに対し、21世紀はReduce(省エネ、省資源製品)、Reuse(再使用)、Recycle(再資源化)の3Rを念頭に置いた静脈産業の時代になった。IBMでは6月にも電力需要の平準化を目指してピークシフト仕様の“ThinkPad”を6月にも発売している。今回発表する6つのサービスは、5〜6年間取り組んできた日本IBMの環境対策の集大成となる」(小林氏)、「日本IBMでは、“ThinkPadシリーズ”や“NetVistaシリーズ”に新機能を盛り込み使いやすさを追求する設計を“ThinkTechnology”と呼んでいる。今回の6つのサービス提供を考慮して、設計段階から環境への配慮を盛り込む“Think Design”を新たに採用し、今後は両者を統合した“ThinkVantage Design”に基づいた製品展開を行なっていく」(須崎氏)と、同社の方針を紹介した。

なお、日本IBMによる説明の後に設けられたQ&Aでは、記者からの多くの質問が出され、「PC買取りサービスは日本IBMの製品以外にも適用していくが、他社製品の販売はこれから行なうものなので、どの程度売れるかは今後の努力次第になる」「家庭向けパソコンでの同様のサービスは現時点で決まっていない。今後検討していく」「買取りと廃棄の線引きは時々刻々変わっていくと思うが、現時点で考えるとCPUの動作クロックが120〜130MHz程度でもリユースは可能。ただし、来年以降は150MHz程度以上にボーダーラインが上がってくると予想される」「欧米アジアのIBMでは、各国のリサイクル関連法に応じた取り組みを行なっており、今回のサービスは日本IBM独自のもの。ただし、買取り後のパソコンの販売などにおいては各国間で協調している」「Linuxのサポートは日本IBMでは行なわないが、サポートベンダーやディストリビューターのサポートサービスを紹介する」などと説明している。

(編集部 佐久間康仁)


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