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ACCSとヤフー、“Yahoo!オークション”を悪用した著作権侵害ソフトの販売防止に向けた協力体制の提携に合意


2004年1月15日

社団法人コンピュータソフトウェア著作権協会(以下ACSS)とヤフー(株)は15日、インターネット競売サイト“Yahoo!オークション”が悪用され、海賊版ソフトウェアなど著作権を侵害したソフトの販売を防ぐための協力体制を構築することに合意したと発表した。また、“Yahoo!オークション”の利用者に向けて、著作権保護を呼びかける普及活動も共同で実施するという。

ACCSおよびヤフーの共同記者会見に出席した両社代表。写真左より、ACCSの戦略法務室室長の葛山博志氏、ネットワーク違法問題対策委員会委員長代理で(株)ハドソン経営戦略室執行役員の金子潔氏、ヤフーの法務部法務部長の別所直哉氏、ヤフーのオークション事業部企画室プロデューサー、八代峰樹氏

ヤフーが運営する“Yahoo!オークション”では、常時約446万件のオークションが行なわれているが、この中には、企業などの著作権を侵害し“Yahoo!オークション”の設ける出品ガイドラインに違反した出品もあるという。ACCSによると、同協会が捜査協力した刑事事件が2003年度にはこれまでに11件発生しており、悪質な海賊版販売も行なわれているとしている。今回の合意はこのような状況を踏まえて、これまで両社がそれぞれ取り組んできた内容をより強化するため、コンピューターソフトウェアの著作権侵害を対象に共同で以下の取り組みを行なっていくという。

(1)著作権侵害出品の削除強化
従来は個別の違反出品について協議して削除の対応を行なってきたが、今後は詳細な削除基準とその対応方法を共通で取り決め、発見および削除の連絡体制を強化する。また、著作権侵害の実態を調査・協議し、状況に応じて随時削除基準に反映を行なう。
(2)著作権保護の呼びかけ
従来ACCSおよびヤフーがそれぞれ行なってきた著作権保護を呼びかける取り組みを、今後は両社が協力し、共同で著作権保護を呼びかける活動を行なう。また、ACCSでは、“Yahoo!オークション”の出品者および入札者向けに問い合わせ窓口を新設し、質問なども受け付ける。

冒頭に挨拶を行なったACCSのネットワーク違法問題対策委員会委員長代理で(株)ハドソンの経営戦略室執行役員の金子潔氏は、「協会としては、オークションサイトが立ち上がったころから問題を認識していた」と述べ、今後は「著作権利者とオークション主催者が個別に対策していたのでは不十分、今後は共同して対策していかなければならない」として、両社の協力体制の必要性を語った。また、ヤフーの法務部法務部長の別所直哉氏は、「両者が必要とする部分を補完しあうことでさらに踏み込んだ対策が可能になる」と述べ、「今回の合意は最初の一歩で、これを元に将来につなげていかなければならない」とした。


著作権を侵害したコピーCD-Rを出品している例。解説文中に「商品につきましてはCD-Rメディア&シリアルナンバーのみになります」との記述があり、海賊版であることが明白な例だという

全体の説明を行なったACCSの戦略法務室室長、葛山博志氏によると、これまでACCSが実施してきた行動は具体的には、

  • 違反出品の削除要請
  • 出品者本人への注意喚起
  • 刑事摘発への積極的支援

の3点。ここ数年は、インターネット競売サイトによる海賊版販売の事案が増加しており、海賊版販売での刑事摘発件数が2001年度は12件、2002年度は10件、2003年度は13件となっているうち、インターネット競売サイトに関連した刑事摘発は2001年度が5件、2002年度が7件、2003年度は11件と、その比率が上がっている。出品者に対する通知は、“Yahoo!オークション”の“質問”フォームを使って行なっているとのことだが、「(通知後にACCSの使用しているIDを)質問を受け付けないIDに指定し、以後の通知を受け取らないようにする例も」(金子氏)あるといい、2003年7月末〜11月末にACCSが出品者への通知を行なった件数は約4000件だというが、実際に通知後に出品が取り下げられるのは約20%にとどまっているという。

ACCSが入手した、オークションで実際に販売されていた海賊版ソフト。左は実際に刑事摘発された事例で販売されていたもの。右は「ACCSのロゴマークまで入っており、憤りを通り越して笑ってしまった」(葛山氏)という、精巧にレーベルを模倣した海賊版

引き続き別所氏が説明したヤフー側の取り組みに関しては、

  • ガイドライン、ヘルプページでの出品禁止物の明記
  • 出品物削除や利用制限を行なうためのパトロールチームの設置
  • 本人確認の開始
  • 利用者からの通報窓口の設置
  • 警察などへの捜査協力
  • 著作権利者への調査強力
  • 保証規約の改定

などをこれまでの取り組みとして挙げた。パトロールチームについては人員数、対応時間などを次第に強化しており、本人確認を開始したことは違反出品を妨げる抑止につながったとしている。また、補償制度とは、詐欺などのトラブルに巻き込まれた際に金銭の保証をヤフー側が行なうというものだが、著作権を侵害する出品物の出品者や入札者は、いずれもこの補償制度の対象外となるというもので、これまでに実際に補償を断った事例もあるとのことだ。本人確認や補償規約改定といった間接的な対策については、「事業者側としては心地よいものではないが、それでも(著作権利者の権利を守り)正しく使ってもらわなければならない」と述べており、著作権保護とオークションの悪用を防ぐための行動を今後も強化していくとした。

両社共同での具体的な今後の取り組みとしては、パトロール体制の強化と知的財産権知識の普及活動の2点に取り組んでいくという。具体的な内容は、パトロール体制については、ヤフー側のパトロールで発見/削除できるもの(海賊版であることを自認している、海賊版であることが明白なもの)、パトロールでは容易に発見できないが権利者(今回の場合はACCS)からの指摘により判明し対応するもの、という2つの削除対象に加えて、ヤフーとACCSが相互に持つ情報を元に協議して策定する形式的判断基準に沿ったものもパトロールの対象として加え、通知に基づく削除体制を強化していくとしている。また、知識普及については、“Yahoo!オークション”上で、普及活動コンテンツ“知的財産保護プログラム”の第1回として著作権を取り上げるという。コンテンツの作成にはACCSの協力を仰いでいきたいとしている。

(編集部 内田泰仁)


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