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ボーダフォン、SMSの送信数を制限――「迷惑メール対策コストは数億円というレベルではない」


2005年5月18日

ボーダフォン(株)は18日、ボーダフォンの3G携帯電話向けメールサービス“ショートメッセージサービス(SMS)”において、その送信数を制限すると発表した。SMSは、最大全角70文字相当(140バイト)のメールをボーダフォンの携帯電話との間でやり取りできるというもの。今回の制限は、3G携帯電話から1日に500件以上のSMSを送信した場合、その後20日間SMSの送信を規制するという内容となっている。開始は31日。

コアプロダクト&プラットフォームマネジメント部 桑原正光氏
コアプロダクト&プラットフォームマネジメント部 桑原正光氏
ネットワーク統括部 若松広司氏
ネットワーク統括部 若松広司氏
桑原氏と若松氏は、ボーダフォンで迷惑メール問題に取り組む中心的なスタッフだ

ボーダフォンの携帯電話に送られてくる迷惑メールは、(1)ボーダフォンの携帯電話から送信されるもの、(2)他社の携帯電話から送信されるもの、(3)パソコンなど他の機器から送信されるもの――と、複数の経路がある。今回発表された対策は、(1)のようにして送られる迷惑メールに対するもの。この導入で、2G/3Gを問わず“ボーダフォンライブ!”で提供するメールサービスのすべてにおいて、迷惑メール対策を目的とした送信数の制限が行なわれることになる。

迷惑メール vs. ボーダフォン

ボーダフォンは、この発表とあわせて“迷惑メール vs. ボーダフォン”と題し、これまでに実施した数々の対策などを記者発表した。それによると、同社は1997年の“スカイメール”導入当初から迷惑メール対策を行なっているが、2001年、大量の迷惑メールがパソコンなどを使ってインターネットからボーダフォン(当時はJ-フォン)に届き始め、トラフィックの集中(輻輳:ふくそう)によるメール配信の遅延が発生。ここから、“迷惑メール vs. ボーダフォン”というタイトルどおり、迷惑メール(業者)とボーダフォンの“戦い”が本格化する。詳細はパワーポイント(写真)を参照してほしいが、ボーダフォンが付けた年ごとの見出しだけ順に追っても

2001年
メール設備輻輳との戦い
2002年
迷惑メールが社会問題化(※1)
2003年
迷惑メールが携帯電話から送信
2004年
迷惑メール送信手口の巧妙化
2005年
対策の成果が見え始める
※1 この年、“特定電子メールの送信の適正化等に関する法律”が施行された

――と、迷惑メール送信者との“知恵比べ”が激しいものだったことが分かる。

2001年
2001年
2002年
2002年
2003年
2003年
2004年
2004年
2005年
2005年

迷惑メール vs. ボーダフォンの歴史

迷惑メールが配信されている状況下でも正常にメールサービスが運営できるよう、ネットワーク関連設備の増強に莫大なコストが費やされている。迷惑メール対策にかかる全体の費用は、コアプロダクト&プラットフォームマネジメント部 桑原正光氏によれば、「(今までにかかった迷惑メール対策のコストは)数億というレベルではない」という。

訂正:迷惑メールの対策コストについて、ボーダフォン広報部より上記のように訂正がありました(5月19日)

“いたちごっこ”は収束の方向か

「対策の成果が見え始める」とした2005年は、迷惑メール対策ワークグループ“Japan E-mail Anti-Abuse Group(JEAG)”が設立され国内のインターネットサービスプロバイダーや携帯電話事業者による業界横断的な対策の検討が始まった年。また、ボーダフォンは、送信元を偽ったいわゆる“なりすましメール”を受信拒否できる“なりすましメール受信設定”や、アダルトサイトなどのURLが記載されたメールを受信拒否できる“URLリンク付きメール受信設定”の提供を始めた。

こうした新旧の対策が功を奏してボーダフォン携帯電話を悪用する送信者が減少、2004年6月の1ヵ月あたりの利用停止件数が約2500件だったのに対し、2005年4月は「数十件」(コアプロダクト&プラットフォームマネジメント部 桑原正光氏)だったという(※2)。契約者からの苦情もピーク時の20分の1程度にまで減り、桑原氏は「(迷惑メール業者との)“いたちごっこ”というところがあったが、確実に成果が見え始めている」とした。

※2 2003年11月以降、同社は迷惑メール送信者として2万回線以上を利用停止にしている

迷惑メール送信者の利用停止件数の推移
迷惑メール送信者の利用停止件数の推移
契約者からの苦情件数の推移
契約者からの苦情件数の推移

「迷惑メールを送信させない」対策を講じたい

ボーダフォンでは、メールサービスを円滑に提供するために、明らかにビジネスとして迷惑メール配信をしている個人や業者に対して、迷惑メールの配信がビジネスとして成立しないような状況にしたいと考えている。今後は、新しい迷惑メールフィルターの検討と提供や、各種の迷惑メール対策フィルターを利用しやすくするための見直しや啓蒙活動の実施を独自で行なうとともに、JEAGなどを通じて他事業者や行政などと情報交換や技術研究を行ない、迷惑メールを送信させないインターネット環境を構築したいとしている。

(編集部 伊藤咲子)


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