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ヤフーとゼイヴェル、女性向けECサイト“ファッションウォーカー”の共同展開に向けた資本提携を発表――20代~30代前半の女性をメインターゲットに

2005年08月04日 19時02分更新

文● 編集部 小西利明

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ファッションウォーカーの代表を兼任する、ゼイヴェル 代表取締役社長の大浜史太郎氏
ファッションウォーカーの代表を兼任する、ゼイヴェル 代表取締役社長の大浜史太郎氏

ヤフー(株)と(株)ゼイヴェルは4日、都内にて記者会見を開催し、パソコンをプラットフォームとした女性向けコマースサイト“ファッションウォーカー”の共同展開と、資本提携を発表した。携帯電話用の女性向けコマースサイト“ガールズウォーカー”の運営でノウハウを持つゼイヴェルと、ヤフーの顧客基盤やシステムインフラの強みを生かして、20~30代前半の女性(F1層)をターゲットにファッション製品やコスメティック製品の販売サイトを構築する。ファッションウォーカーのサービス開始予定は10月1日である。

発表された両社による提携の具体的内容は以下のとおり。

資本提携
・ヤフーはゼイヴェルの関連会社である(株)アンプレッションに対し、株式の33.52%を第三者割当増資や発行済み株式の譲渡、新株予約権の引き受けなどで取得する。金額的には10数億円。
事業提携
・アンプレッションは(株)ファッションウォーカーに商号を変更。ゼイヴェルの携帯電話向けコマースサイト“ファッションウォーカー”のパソコン向けを展開する。
・ヤフーはファッションウォーカーに対して、決済やIDなどのシステムインフラと、バックエンドを提供する。
・ゼイヴェルはガールズウォーカー会員(メール配信ユーザー数、約930万人)のファッションウォーカーに対する誘導を行なう。

ヤフー ショッピング事業部 事業部長の松本真尚(まつもと まさたか)氏は、同社の運営する“Yahoo!ショッピング”などのビジネス概況について、前年同期比で120%の成長を遂げているなど簡単に説明したうえで、ファッションウォーカーで主なターゲットとするF1層の女性はリピート率が高い優良な顧客と位置づけ、その層に特化したビジネスを展開したいと述べた。また提携相手であるゼイヴェルを「雑誌的なコンテンツの制作が上手」と評し、F1層へのアピール力の高いTVや雑誌的なイメージのサービスをパソコンやモバイルに提供するとした。両社が共同でコマースサイトを展開する理由については、女性層の顧客を強化したいヤフーと、モバイル媒体だけでなくパソコンでのサービス展開も検討していたゼイヴェルの思惑が一致したためという。

ヤフー ショッピング事業部 事業部長の松本真尚氏 Yahoo!ショッピングでユーザーが購入した製品ジャンルランキング。女性のニーズが高い商品がよく売れている傾向を示したという
ヤフー ショッピング事業部 事業部長の松本真尚氏Yahoo!ショッピングでユーザーが購入した製品ジャンルランキング。女性のニーズが高い商品がよく売れている傾向を示したという

ファッションウォーカーの代表を兼任する、ゼイヴェル 代表取締役社長の大浜史太郎(おおはま ふみたろう)氏は、同社が展開するモバイルコマース事業についての説明を行なった。ファッション製品やアクセサリーなどを販売する“girlswalker.com”は、月刊で28億ページビューを獲得しているとのことで、女性への強いアピール力を生かしたマーケティング事業を展開しているとした。またオンラインショッピングだけでなく、代官山周辺のコスメショップやネイルサロンなどを展開したり、8月7日には代々木競技場第一体育館にて、ファッションイベント“Tokyo Girls Collection”を開催するなど、オンラインとオフライン双方を活用した事業を展開している。

girlswalker.comの概要とユーザーの年齢構成
girlswalker.comの概要とユーザーの年齢構成

girlswalker.comは、ファッション関連だけでなくダイエット食品やサプリメントなどの販売、エンターテイメントコンテンツの提供なども行なっているが、両社が共同で展開するファッションウォーカーでは、ファッションとコスメティックの製品販売に特化するとしている。また比較的若年齢層向けの商品傾向があるgirlswalker.comに対して、ファッションウォーカーではOL層に好まれる、“少し上のブランド”(大浜氏は“CanCam”系と称した)を展開するとしている。形態としては個別の販売サイトを集めた“仮想ショッピングモール方式”ではなく、“セレクトショップ方式”として、ファッションウォーカー側が選択したトップブランドの商品を陳列販売する。これにより、ファッション雑誌的なきちんとした編集メディアとして、ブランドを発信していく。また総花的な既存ショッピングモールには出店を行なっていなかった有名ブランドなどを、ファッションとコスメに厳選したセレクトショップに取り込んでいくとした。

ヤフー、ゼイヴェルの両社とも、すでにショッピングサイトや会員向けサービスを展開しているが、両社の持つ会員IDとファッションウォーカーのIDとの統合や共用については、現時点では未定であるとした。しかしヤフーが他社との共同サービスで活用している、シングルサインオンの仕組みなどの利用も検討しているもようだ。また商品を供給するメーカーは、187メーカー/230ブランド前後を予定し、3~4年で500メーカー/1000ブランドを扱うまで成長させたいとした。

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