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シックス・アパート、ウェブログサービス“TypePad”の最新版を12日に提供開始──スパム対策機能強化やPodcasting対応が特徴

2005年09月05日 18時08分更新

文● 編集部 小林久

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シックス・アパート(株)は5日、ウェブログ(ブログ) サービス“TypePad(タイプパッド) 1.6 日本語版”の提供を12日に開始すると発表した。

新サイト
TypePad 1.6 日本語版の提供に合わせて、TypePad Japanのサイトも米国サイトと同じレイアウトにリニューアルする

TypePadは、米シックス・アパート(Six Apart)社のブログソフト『Movable Type』をベースにしたASP型のブログサービス。国内では、シックス・アパート自身が提供している“TypePad Japan”のほか、ニフティ(株)が@niftyの会員向けに提供している“ココログ”(Cocolog)、エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ(株)がOCNで提供している“ブログ人(じん)”などもTypePadを利用したサービスとなる。

料金プランはTypePad Japanの場合“Basic”“Plus”“Pro”の3種類があり、作成できるブログの個数やディスク容量、月ごとの転送量、サイト編集の自由度などが異なる。使用料金はBasicが月額420円、Plusが840円、Proが1260円。

ISP経由で提供されるサービスの内容や料金体系は各ISPが個別に決定し、新バージョンへの移行時期に関しても未公開となっている。発表は各提供先から順次行なわれるという。

トラックバックを利用したスパム対策機能などを強化

新バージョン“TypePad 1.6”での機能強化ポイントは、

  • デザイン機能の強化
  • トラックバックを利用したスパムなどの対策強化
  • 携帯電話機からのログイン、管理、閲覧機能の追加
  • Podcasting対応
  • ブログ・サイドバー機能の強化

──など。

携帯電話対応に関して
携帯電話機への対応に関して

TypePadは日本・北米・ヨーロッパで、共通のプラットフォームを使用しているが、「携帯電話機向けのサービスは日本主導で開発したもので、世界に先駆けてサービス提供する」という。デザイン編集は携帯電話機では使いにくいという理由で搭載していないが、エントリーの投稿/編集、コメントやトラックバックの管理などパソコンとほぼ同等の操作が可能。画像/動画/HTMLメールなどを投稿する“モブログ”といった機能も持つ。

シックス・アパートでTypePadのプロダクトマネジャーを務める金子順(かねこ じゅん)氏は「携帯電話対応に当たっては、ブログをマルチデバイスで見るという意味合いもあるため、Atom API(※1)を使おうということになった」と述べた。

※1 Atomは、ウェブサイトの見出しや要約、更新時刻といったメタデータを記述できるXMLベースのフォーマットで、互換性のない複数のバージョンがあるRSS(Rich Site Summary)に対する新しいフォーマットとして提唱されている。Atom APIはAtom対応ソフトがAtomの情報を取り出すために利用するための取り決め。

サイトのデザインは、数十種類のデザインテーマと9種類のブログレイアウトの組み合わせで構成し、ページ内の表示項目の並べ替えはドラッグ&ドロップで行なえる。また、“Pro”のプランに契約しているユーザーに対しては“カスタムCSS”という機能が提供される。これは、既存のテーマを記述しているCSS(Cascading Style Sheet)部分を編集することで、テーマ内の配色や背景画像などをカスタマイズできるものだ。従来バージョンのTypePadでも“上級テンプレート”を編集することでカスタマイズは可能だったが、HTMLファイルそのものを編集する必要があり、小規模な修正を行なう際に不便だった。



テーマの選択画面 ドラッグ&ドロップ
サイトのレイアウトはテーマとレイアウトの組み合わせで決定する。レイアウトの要素はドラッグ&ドロップで簡単に配置を変えられる

スパム対策機能に関しては、管理画面を1画面にまとめて設定しやすくした。受信したコメントやトラックバックを一時保留して承認したものだけを掲載する機能、コメントの公開/非公開をマウスクリックで簡単に切り替えられる機能、スパムを発信したIPアドレスを1クリックで禁止リストに追加する機能、ブログの記事に対するコメント欄を閉じてコメントの受付を停止する機能なども用意されている。

テーマの選択画面 ドラッグ&ドロップ
スパム対策機能は大幅に強化された。設定はJavaScriptでポップアップする吹き出し内のリンクをクリックするだけと非常に簡単

このほか、記事にMP3やAAC形式の音声ファイルをアップすることでPodcastingの配信が可能になる機能を追加。さらに、ページのサイドバーに配置できるモジュールも大幅に追加し、メッセンジャーのステータス、Amazonのウィッシュリスト、他ブログの新着RSSコンテンツ、オリジナルのHTMLファイルを追加できる“TypeListメモ”などが表示できるようになった。

発表会に出席したシックス・アパート代表取締役の関信浩(せき のぶひろ)氏は「Movable Typeの最新バージョンである3.2の日本語版も開発が進んでおり、近々投入できる」とコメントした。TypePad 1.6はMovable Type 3.2と共通のレイアウト構造を持っており、高い親和性を持っている。

関氏 金子氏
発表会に出席した代表取締役の関信浩氏(左)とTypePadプロダクトマネジャーの金子順氏(右)

シックス・アパートはTypePadを企業向けにもホスティングASPの形態で提供している。関氏は「Movable TypeのノウハウをTypePadでも使えるため、裾野を広げられる」とした上で、TypePadとMovable Typeの住み分けに関して「Movable Typeは企業内にサーバーを立てて企業環境にあわせた運用を行なったり、既存システムとの連携をとる際に有力でこれまで以上に使ってもらえる。一方TypePadは従業員にブログを持たせたり、マーケティング手段としてブログを考えている際に、はやくサイトを作りたいという場合に適している」とそれぞれの性格の違いを示した。

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