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新聞メディアが生き残れる方法は限られている――ネットレイティングスの萩原社長が提言


2006年5月26日

ネットレイティングス(株)は26日、都内でプレス関係者を集め、インターネットサービスに関する、同社の最近の調査を公開した。

萩原氏
代表取締役社長の萩原雅之氏

2005年の主役は“時間消費型サービス”だった

代表取締役社長の萩原雅之(はぎわら まさし)氏が、プレゼンテーションの中で挙げたキーワードのひとつに“時間消費型サービス”の台頭がある。

その例として示されたのが、SNSサービスの“mixi”と無料動画配信サービスの“GyaO”。ともに利用者数が右肩上がりで向上しているが、総利用時間はそれを上回る割合で増加している。

2005年6月から2006年3月までの家庭アクセスをまとめた統計では、mixiの場合、訪問者数の伸び率は3.98倍(66万5000人から264万5000人)。総利用時間は4.83倍(216万1000時間から1044万8000時間)。GyaOに関しては、訪問者数が2.72倍(126万1000人から343万4000人)。総利用時間が4.84倍(75万7000時間から366万3000時間)となっている。

利用人口×利用時間の積で、インターネットビジネス市場を考えた場合、この6年間でその規模は約12倍。昨年との比較でも1.28倍増えていることになる。2006年4月の総利用時間は約7.2億時間。インターネット人口は約4000万人。1人当たり18時間使用したことになる。

ウェブサイトで総利用時間/利用者数ともに、トップに立ったのはYahoo! JAPANで、1億1865万1108時間/3329万人。総利用時間で2位の楽天市場(1436万5774時間)、利用者数で2位の@Nifty(1837万4000人)をともに大きく引き離す結果となった。Yahoo! JAPANの総利用時間は実に全体の17%を占めている。

バナーインプレッション(バナー広告の表示数)に関しても、yahoo.co.jpの優位は変わらないが、2006年2月の調査ではmixi.jpが2位に躍り出たことが印象的だ。yahoo.co.jpの446億9900万回に対して、mixi.jpは11億2300万回。3位のexcite.co.jpが6億300万回となっている。mixiは昨年2月の調査では10以内に入っていなかった。ちなみにmixiは利用者数では235番目であるが、総利用時間では全体の7位となった。



Web 2.0時代でも、広告市場はWeb 1.0的
しかし、広告の受容方法は変わりつつある

Web 2.0など、新しい形態のインターネットサービスが登場する中で、広告の受け入れられ方や、消費行動に与える影響も変わりつつある。

従来のマス広告では、読者に注意(Attention)と関心(Interest)を与え、それを欲求(Desire)→記憶(Memory)→購入(Action)へと結びつけていく形態が一般的だった。これに対して、インターネットでは注意→関心→検索(Search)→購入へと進む。

また、消費者へのリーチの方法も多様化している。検索結果によって表示される広告や、SEO(Search Engine Optimizing)、購入した商品を口コミ情報として共有する“CGM”(Consumer Generated Media)、アフィリエイトプログラムなどがその例として挙げられるだろう。マス媒体だけではなく、個人からの情報が、消費行動に対して大きな影響力を持つようになったと言える。



新聞メディアは生き残れるか?

インターネットの情報が氾濫する中で、最もそのあおりを受けているのは新聞社だろう。NHK放送文化研究所が5年おきに調査している「国民生活時間調査」では、パッケージメディアとしての新聞のリーチも、接触時間もこの10年で大幅に減少してしまった。

新聞離れ
新聞離れが進んでいる

その一方で、インターネットニュース媒体の訪問者は確実に増えている。ただし、その受容に関しては、従来のような“〜〜新聞”というブランド(パッケージ)ではなく、記事そのものへの関心(素材)によって流通する形態が主流になりつつある。

このように記事がパーツ化する中、ニュースの作り手とは別の人間の手でパッケージ化や使いやすさを向上させる取り組みも盛んになっている。Yahoo!トピックスのように新聞社から購入した記事を独自の価値観でピックアップするポータルサイトや、個人が自分の関心を持っている記事をピックアップして紹介するブログなどがそれである。

新聞離れ
ニュースサイトとしても圧倒的なページビューを誇るYahoo! JAPAN

Yahoo!トピックスに関しては、訪問者数、訪問率(リーチ)、1人当たりの訪問回数のいずれにおいても、大手新聞社サイト(全国紙)を上回る伸び率を示している。例えば、毎月の訪問者数では1600万人と有力新聞社サイト(400〜500万人程度)の3〜4倍の水準。リーチや訪問回数でもそれに近い傾向を示している。

これに対して新聞社が取り得る戦略は限られていると萩原氏は言う。そのひとつはポータルやブログ、SNSでの素材露出シェアを拡大し、記事自体の価値を高め、従量課金制の導入や記事単位での広告掲載による収入増を狙うというもの。

もうひとつが、新聞社自身が集客力のある外部コンテンツを集め、新しいパッケージとして顧客に提供する戦略だ。

後者の例として萩原氏は、読者が欲しいと思う素材を、自社のコンテンツに限定せず提供する、英国放送協会(BBC)のサイトを挙げた。また、New York Timesも“クラシファイド広告”(求人情報や不動産情報が掲載されている、新聞紙上の3行広告のようなもの)をトップに設けたり、About.comのような有力情報サイトを買収し、サイトの集客力を高めるといった施策を行なっている点を評価できるとした。

(編集部 小林久)


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