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渋谷発クリエイターのためのビジネス版mixi? “XSHIBUYA”が始動


2006年7月28日

東京商工会議所と有限責任事業組合の広域渋谷圏クリエイターマッチングLLPは26日、東京商工会議所にプレス関係者を集め、イラストレーターやコンテンツ開発者、編集者などクリエイティブ向けのビジネスSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)とウェブサイト事業を展開する“XSHIBUYA”(クロスシブヤ)についての記者説明会を開催した。

SNS“XSHIBUYA”のメイン画面
SNS“XSHIBUYA”のメイン画面。インターフェースはまるで人気SNS“mixi”そのもの。その理由は……

渋谷を中心にITビジネスの創造を図るビジネス奨励SNS

冒頭、広域渋谷圏クリエイターマッチングLLPに参加している組合員を代表して(株)ネットエイジグループの代表取締役である小池 聡氏が挨拶に立ち、続いて、東京商工会議所渋谷支部の事務局長の小堺 浩氏が東京商工会議所IT推進協議会の活動とXSHIBUYAを行なうことになった経緯を説明した。

ネットエイジの小池氏
ネットエイジの小池氏。「クリエイターとITのそろったシブヤだからこそ」と渋谷から発信することを強調

東京商工会議所ではITベンチャーが集まる渋谷駅を中心とした“広域シブヤ圏”(一部港区を含む)でのIT産業振興を目的に、平成13年度(2001年度)よりIT推進協議会(会長は日本システムウェア(株)の取締役会長の多田修人氏)を組織して活動を行なっている。平成17年度(2005年度)には同協議会が実施する“広域シブヤ圏ITベンチャー支援ネットワーク形成事業”が、経済産業省の進める“産業クラスター計画”(地域再生・産業集積計画、全19プロジェクト)の一環として“広域的新事業支援ネットワーク拠点重点強化事業”(関東経済産業局)が採択された。このプロジェクトにおいて、渋谷支部IT推進協議会の“クリエイティブ産業とのパートナーシップ育成研究会”から生まれた構想を元に、クリエイティブとIT産業の融合を促進する事業として、平成18年度(2006年度)にクリエイターの情報発信を支援するポータルサイト“XSHIBUYA”が開設された。

小堺 浩氏
東京商工会議所渋谷支部の事務局長の小堺 浩氏

小堺氏は「クリエイターの方はSOHOで活動されている方が多く、横のつながりがあまりないと聞きます。そこでこのXSHIBUYAでは、SNSを設けることで、クリエイタ−のみなさんが相互に情報交流し、企業とのビジネスマッチングができるように支援していきます」と語った。

ウェブクリエイターから俳優、ダンサー、ソムリエまでが参加!!

本荘修二氏
広域渋谷圏クリエイターマッチングLLPの代表を務める本荘修二氏

次に広域渋谷圏クリエイターマッチングLLPの代表で、個人の組合員として参加しているジェネラル・アトランティック日本代表の本荘修二氏が同LLPの概要について説明を行なった。

掲載当初、本荘修二氏のお名前を誤って記載しておりました。お詫びして訂正いたします。(2006年7月28日)

同LLPの体制としては、経済産業省より“広域的新事業支援連携等事業費補助金”事業として助成を受け、東京商工会議所より広域渋谷圏クリエイターマッチングLLPが受託して運営される。経済産業局より1500万円の助成を受けており、そのうち800万円をXSHIBYAの構築、運営にあてている。広域渋谷圏クリエイターマッチングLLPは東京商工会議所とベンチャー企業や個人の有志が組合員となって設立されており、これを運営する。

広域渋谷圏クリエイターマッチングLLPの体制
広域渋谷圏クリエイターマッチングLLPの体制

事業コンセプトとしては、“多様なクリエイター”(ウェブデザイン/グラフィック/プランナー/映像/俳優/ファッション/編集)と“クリエイターの求める企業・人”(メーカー/ソフトウェア/人材/サービス/コンテンツ/メディア/広告)がXSHIBUYAにおいて、異分野クリエイター同士や企業とクリエイターの出会い、アイディアの募集、作品のアピールといった“自由な化学反応”が起こり、コラボレーションや新たなプロジェクト、新商品の開発、人材発掘、ベンチャー創造といった成果を期待するというもの。

参加するには“mixi”や“GREE”などのSNSと同様に、すでに会員になっている人からの招待が必須となるが、今月1日のβ版公開以降、25日現在で1913名が登録しており、3日以内のログイン数=アクティブユーザー数は47.3%と約半数を数える。立ち上がりとしては「まあまあではないか」(本荘氏)としている。参加者の男女比率は6:4で若干男性が多い構成で、年齢は20代後半〜30代前半が集中しており、全体の約半数を占めている。

職種別に見るとイラストレーター(314名)とウェブデザイナー(250名)が3割を占めており、狙いどおりの“集客”が着々と進んでいると言えるだろう。ユニークなのは当初想定していた職種に当てはまらない“クリエイター”の参加が相次ぎ、いまでは俳優やダンサー、書家、はてはソムリエまでいて、幅の広いクリエイターが集まりつつある。

伊藤かつら氏
アドビ システムズのマーケティング本部長の伊藤かつら氏

XSHIBUYAのサービスにおいては、クリエイターだけでなくパートナー企業の参加も重要なポイントになってくるわけだが、松下電器産業(株)、アドビ システムズ(株)、(株)エキスパートスタッフ(クリエイターを中心にした人材派遣会社)、デザインエクスチェンジ(株)などがすでに名乗りを挙げており、今後のパートナー企業の増加がXSHIBUYAの今後を占うことになりそうだ。

パートナー企業に名乗りを挙げているアドビ システムズのマーケティング本部長の伊藤かつら氏は、「これまで多くのクリエイターのみなさんと接してきて、(クリエイターのことが)わかっていたつもりでしたが、(マクロメディアとの)統合以降、“流動している”と感じています。今後はXSHIBUYAを通じて、現場のクリエイターの声を聞いていきたいと思います。みなさんのアドビ製品の機能などに対する、ご要望を聞いていければと思います」と語った。



パートナーとしての企業参加がビジネスマッチングを加速する?

佐藤豊彦氏
スーパースタジオの佐藤豊彦氏

最後にスーパースタジオ(株)の代表取締役の佐藤豊彦氏が“XSHIBUYA”の概要について説明した。まず、要となるSNSについて佐藤氏は「インターフェースはオープンソースのSNSエンジン『OpenPNE』を活用した設計を行なっており、大手のSNS(おそらくmixiを指す)と同じようなスタイルで、使いやすくしています」と語った。

また、XSHIBUYAの位置づけを「多くのSNSではビジネスに利用することについて、禁止や制限を加えています。それでも中にはビジネスを行なっているユーザーもいて、(運営側は)目をつぶっている状況です。XSHIBUYAはそうした通常の(コミュニケーションが主目的な)SNSと違って、どんどんビジネスをやっていってほしいと考えています。Web 2.0的な新しい関わり合いの中で、ヒエラルキーのあるビジネスから脱却したビジネスを実現できればと考えています」と語った。

SNSとともにウェブマガジンの発行もスタートしており、クリエイターにフォーカスした記事やクリエイター向けの情報発信を行なっていくとしている。さらに、バーチャルギャラリーを設けて、クリエイターの表現の場としての機能も盛り込んでいる。

ウェブマガジン1
ウェブマガジン2
XSHIBUYAはウェブマガジンを通じても情報提供を行なう。創刊号でフォーカスしたのは伊藤桂司氏。一般には“愛・地球博”のポスターで知られているが、実際には数限りない作品群を目にしているはずだ
掲載当初、伊藤桂司氏のお名前を誤って記載しておりました。お詫びして訂正いたします。(2006年7月28日)

質疑応答では、「ビジネスマッチングを積極的に行なってほしいとしているがトラブルが起きた場合の処理はどうするのか?」という現実に即した質問が出たが、運営側は「XSHIBUYAの中だけでビジネスが完結するとは考えていない。万一トラブルになっても、これについてはあくまで自己責任で」と回答した。また、「企業の正式な参加はあるのか?」との質問に対しては、「現時点では、正式な参加企業はありません。すでに働きかけは進めていますが、今後参加をお願いしていくことなります」と答えた。

(千葉英寿)


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