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アクセルマーク、Gmailをケータイから見られるフルブラウザーを無償公開

2006年08月24日 18時31分更新

文● 編集部 佐久間康仁

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パケット定額制加入者に向けた新サービス公開サイト“AX-M Labo”を発表

アクセルマーク(株)は24日、東京・赤坂の赤坂ガーデンシティにプレス関係者を集め、第3世代携帯電話機のパケット定額制加入者に向けた新サービスの公開サイト“AX-M Labo(アクセルマークラボ)”(http://ax-m.jp)を本日公開したと発表した。第1弾として、無料で利用できるフルブラウザー“mobazilla ver.β”(モバジラ バージョンベータ)、オークションサイトのブランド品を横断検索できる“mogleブランドークション β”(モーグルブランドオークション ベータ)、および従来から公開中のケータイ向けブログランキング&検索サイト“toplog”(トプログ)の3つのサービスを無償提供している。

代表取締役社長の小林靖弘氏
代表取締役社長の小林靖弘氏。(株)リクルートで転職情報誌『アントレ』を立ち上げ、その後アクセルマークの前身のハイジ(株)に共同出資して現在に至るという

発表会で最初に挨拶に立った代表取締役社長の小林靖弘氏は、「アクセルマークでは、モバイルビジネスを着メロや着うたのような一過性のもので終わるものとは考えていない。ユーザーがほしいもの、自分で使いたいと思うサービスを実際に作って公開し、ユーザーに意見を求めることでブラッシュアップしてきたい」とAX-M Labo開設の理由を説明した。

“AX-M Labo”で最初に公開される3つのサービス
“AX-M Labo”で最初に公開される3つのサービス

mobazillaやmogleは、既存のウェブブラウザーや検索サービスとは関係なく同社が独自に開発したサービスで、「勝手に名前を付けたもの」(取締役で事業担当の田島 満氏)だという。

将来はパソコンも勝手サイトも横断する
ソーシャルブックマークに進化させたい

フルブラウザーサービス“mobazilla”
SSL認証のサイトやGmailの表示にも対応するフルブラウザーサービス“mobazilla”

mobazillaを開発した経緯について田島氏は、「現在一般的なフルブラウザーは単独アプリとして起動するものが多く、インターフェースが携帯サイトを見る場合と異なる。mobazillaは携帯サイト(AX-M Labo)からアクセスすると、サーバー側でパソコン向けウェブサイトを取得、解釈し、携帯電話機向けに変換して出力するもので、携帯サイトを見る続きとしてパソコン向けサイトでニュースや天気予報などを手軽に閲覧できるのが特徴だ」と説明した。

取締役の田島 満氏
昨日の発表を受けて、急遽Gmail対応に追われたという取締役の田島 満氏

また、昨日招待制から自由に登録が可能になったグーグル(株)の無料ウェブメールサービス“Gmail”の閲覧にも対応している。これは「当初は今後の進化予定としていたが、昨日日本でも招待制の撤廃が発表されたので、朝までかかって対応させました。(アカウントをお持ちなら)すぐにお試しいただけます」(田島氏)という。

なお、現在は携帯電話機の端末認証機能を持たないため、閲覧を終了すると履歴やブックマークなどが保存されないが、将来的には端末認証機能を追加して、サーバー側に“MYブックマーク”や過去の閲覧履歴を保存可能にするほか、ブックマークにタグを付加してほかのユーザーに公開する“ソーシャルブックマークサービス”機能も搭載する予定で、パソコン向けサイトと公式以外の携帯サイト(いわゆる“勝手サイト”)を横断したソーシャルブックマークに進化させたいと抱負を語った。



ブランド品だけでなく、全出品カテゴリーを対象に
さらにアルバイト募集や中古車販売へとジャンルを広げる

“mogleブランドオークション”
複数のオークションサイトをまとめてチェックできる“mogleブランドオークション”

もうひとつのmogleブランドオークションは、当初は“Yahoo!オークション!”と“Bidders”(ビッダーズ)のブランドカテゴリーだけを対象にしたオークションの検索サービスだが、将来は対象商品を全出品カテゴリーに広げ、その時点で名称を“mogleオークション”に変更する予定だという。また、過去の出品落札価格を検索して、現在の価格がそれより高いか安いかを簡単に比較できる仕組みも、現在他社との協業で開発していると語った。

さらに、同じ仕組みを利用して人材情報サイトの募集告知を横断的に検索するサービス“mogleアルバイト”や、複数の大手中古車サイトおよびYahoo!オークションの中古車カテゴリーを横断検索する“mogle中古車”も開発中であることが明らかにされた。今後も月に1本のペースで新サービスを提供していく予定だという。

AX-M Laboのトップ画面
AX-M Laboのトップ画面
mobazillaでASCII24を表示したところ mogleブランドオークションの画面
mobazillaでASCII24を表示したところmogleブランドオークションの画面


ビジネスモデルは、月間100万PVを数えてから考える

こうした積極的な新規サービスの開拓を続ける背景には、同社のビジネスモデルへのプラス効果を期待するという裏付けがある。開発スタッフの規模について質問されると小林氏は、「社員は約40名で、(ラボの)開発陣は5~7人が動いている。開発済みのサービスのメンテナンスや運用は開発スタッフの空き時間で行ない、新規サービスのアイデア出しは40全員が参加して行なっている」と答えた。一方、これらサービスのビジネス展開について聞かれると、「月に100万PV以上になったら考えていく。広告配信やアフィリエイトなどを検討していくつもりだ」と述べた。

アクセルマークの事業モデル
アクセルマークの事業モデル

アクセルマークは従来から、着うた/着うたフルを配信する有料コンテンツ配信ビジネス、携帯サイトに広告出稿を行なって成果報酬を支払うアフィリエイト事業、自身でも広告メディアやブログサービスなどを運営するメディア事業の3つの柱を持っている。こうした既存のビジネスと、新たなサービスを融合させることで、国内で9000万台といわれる携帯電話機のユーザーを新たな市場(パイ)に開拓するべく、今回の公開研究サイト“AX-M Labo”を始めたという。また、現在はAX-M Laboへの意見募集がメールのみだが、「これは開発が間に合わなかった、というのが正直なところです」(小林氏)と言うように、近々SNSやブログといった双方向メディアで意見を受け付け、機能の追加・拡充を進める予定だとしている。

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