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小学館とネットアドバンス、『日本国語大辞典 第2版』を来夏ネット配信へ

2006年11月14日 20時44分更新

文● 編集部 佐久間康仁

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(株)小学館と(株)ネットアドバンスは14日、東京・一ツ橋の小学館本社にプレス関係者を集め、ネットアドバンスが提供しているインターネット電子辞書配信サービス“ジャパンナレッジ”において小学館の『日本国語大辞典 第2版』(通称:日国(ニッコク))を配信開始すると発表した。利用料は、個人ユーザーが月額1575円(ジャパンナレッジ会員は1102円)、法人ユーザー(アカデミック会員)は月額1万5750円(同時1アクセス、ジャパンナレッジ会員は1万1025円)。

冊子版『日本国語大辞典 第2版』
冊子版『日本国語大辞典 第2版』全13巻。この内容を来夏にウェブ配信開始するという

『日本国語大辞典』は1972年に刊行開始され、1976年に全20巻を持って完結した国語辞典。45万項目、75万用例を収録する。その後2000年11月に5万語の新項目と25万の信用例を増補して50万項目100万用例を収録した『同 第2版』(全13巻)が、2005年にはさらに利用者やボランティアからの用語・用例や出典情報などを追補した3巻構成の『精選版 日本国語辞典』が刊行され、現在も改定作業を続けている。

“ジャパンナレッジ”のサイト
“ジャパンナレッジ”のサイト。2001年4月に『ニッポニカ』『大辞泉』など4冊の辞書配信を開始しており、現在は他社を含む21冊の辞典・事典や、記事/コラム、音楽・ビデオライブラリーなどを配信している

今回ネット配信されるのは書籍版の第2版の内容全体で、見出し語検索、全文検索、用例検索のほか、品詞や季語、方言などの条件を指定した検索システムを現在開発している。一方、精選版に集約されている用語は“日国友の会”で誰でも無料で投稿・参照できるウェブサービスで、今回のネット配信に先立って提供されているもの。これは編集者が内容を確認後にすぐ公開されるため、投稿を見てより古い出典や正しい意味などを知る人が訂正・再投稿できる“Web 2.0”的手法で、ジャパンナレッジの日国と合わせて利用することで新語などの補完が期待できるという。ただし、ジャパンナレッジの“日国”と“日国友の会”を串刺し検索する機能は提供されず、個別に検索する必要がある。

“日国友の会”のサイト
“日国友の会”のサイト。日国に含まれない新語・口語などの意味や出典をユーザーが自由に投稿したり閲覧できるというサービス

この点について、発表会場でデモを行なったネットアドバンスのプロダクトセンタープロデューサーの田中政司氏によると、「日国は編集や著者の手によるもの。対して日国友の会の内容はボランティアによる投稿なので、一緒に扱うことはできない。ただし、日国友の会に投稿された内容は吟味・厳選した上で第3版への収録も検討しており、第3版の編纂後にウェブ配信する内容にも反映する可能性がある」としている。

発表会でデモされた検索システム “灯籠”を検索した結果
発表会でデモされた検索システム。ただし、本サービスとはまったく画面構成が異なると前置きされていた“灯籠”を検索した結果。意味だけでなく文献に登場した用例と出版時期や著作者の名前などが確認できる

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