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マイクロソフト、Windows XPにおけるハード/ソフトの互換性について説明


2001年7月5日

マイクロソフト(株)は5日、報道関係者を対象とした“Microsoft Windows XP 第2回テクニカルセミナー”を開催した。4月に行なわれた第1回セミナーではWindows XP全体に関する技術情報が紹介されたが、今回のセミナーでは、OSのアップグレードを実行する際に重要となる互換性について、ハードウェア/ソフトウェアの両面から説明した。

セミナーは、まず同社エンタープライズ・セールス/マーケティング部門製品マーケティング本部Windows製品部部長シニアマネージャの御代茂樹氏により、Windows XPの今後のスケジュールについて説明が行なわれた。

MS御代氏
同社エンタープライズ・セールス/マーケティング部門製品マーケティング本部Windows製品部部長シニアマネージャの御代茂樹氏

Windows XPのRC1版は、当初の予定より2週間遅れて、米国で6月29日(現地時間)にリリースされた。日本語版のRC1は10日にリリース予定(※1)という。また、英語版のRTM(製造業者向けリリース)は8月末の見込みで、日本語版はその2週間後になるという。

※1 7月6日現在、マイクロソフト側は日本語版RC1の正式なリリース日については検討中としている

米国での製品版の発売日は10月25日(現地時間)に決定しているが、日本語版の発売日は未定。現在、日本語版を米国と同時発売にするか、あるいは米国の2週間後に発売するかなど、検討している最中だという。

また同社は、9月19日より幕張メッセで開催される“WORLD PC EXPO 2001”を、Windows XPのプレローンチイベントとして位置づけ、プロモーションを展開するとしている。

なお、Windows XPについては、β版希望者の一般公募や雑誌による配布など、一般ユーザー向けにβ版を提供することはせず、既存のパートナーを中心にβ版キットを配布するという。

Windows XPのデバイス対応

Windows XPにおけるデバイス対応について同社は、システムクラッシュの原因で最も多いのがデバイスドライバーに起因するものであるとし、周辺機器メーカーに対し、デバイスドライバーを改善するべく、デバイスドライバーでプラグ&プレイ機能、パワーマネージメント機能をサポートすること、デバイスドライバー自体の信頼性を上げること、他のデバイスとの相互接続性/互換性を確保することをあげている。

また、Windows XPでは標準でサポートする“In-boxドライバー”(OSにあらかじめ用意されているデバイスドライバー)を拡充し、1万以上In-boxドライバーを備えるという。ドライバーの選定基準としては、2000年1月以降に使用されているデバイスにフォーカスし、エンドユーザーや市場データ、デバイスベンダーの意見をもとに必要なドライバーを搭載する。しかし、現在スキャナー、プリンター&スキャナー機能を搭載したマルチファンクションデバイス、ビデオキャプチャーカードに関しては対応が遅れているという。

同社は、Windows 2000に正しく対応している(マイクロソフトのガイドラインに則って作られている)ドライバーであれば、Windows XPでそのまま利用できると説明、“Designed for Windows 2000”ロゴを取得した製品であればほぼ間違いなく動作するとしている。しかし、例外としてディスプレーアダプター、1394コントローラー、USBコントローラー、赤外線アダプターのドライバーに関しては一部動作しないものがあるという。ただし、これらはWindows XPのIn-boxドライバーとして網羅されているため、エンドユーザーが困ることはないと同社は説明している。

また、In-boxに入れられなかったドライバーや、Windows XP出荷以降に提供されたドライバーなどは、Windows Updateで提供するという。なお、セットアップ時に自動でUpdateサイトにアクセスし、対象デバイスドライバーをダウンロードする機能も備えているという。さらに、システム停止やデータ損失などシステムにクリティカルな障害を与えるドライバーのインストール/ロードをブロックする“Windows Driver Protection”も用意されている。Windows Driver ProtectionでブロックするドライバーのリストはWindows Updateで提供するという。

“Designed for Windows XP ロゴプログラム”は、マイクロソフトがWindows XPに対応するハードウェア/ソフトウェア製品の品質/機能に関するガイドラインを提示し、メーカーにテストキットを配布、互換性テストを実施して合格したことを明示するためのもので、合格した製品にはDesigned for Windows XP ロゴプログラムのアートワークを貼ることが可能となり、ひと目でWindows XP対応製品であることが分かるようになる。

さらに、Windows XPのデジタル署名で、ロゴプログラムに合格したデバイスドライバーかどうかを確認でき、合格していないデバイスドライバーをインストールしようとすると、警告ダイアログボックスが表示されるようになっている。なお、合格した製品は、Windows XPのスタートメニュー内にある“Windowsカタログ”に掲載される。

ハードウェアに関する機能をデモ

続いて、デジタル画像自動取り込み用アーキテクチャー“WIA(Windows Imaging Acquisition)”や、デジタルカメラ用プロトコル“PTP(Picture Transfer Protocol)”など、Windows XPのハードウェアに関するさまざまな機能が紹介された。

PTPデモ
PTPのデモ。Windows XP上でデジタルカメラのプロパティを表示し、本体の各種設定を変更することが可能。このデモでは米コダック社製カメラが使用されたが、Windows XPの発売に合わせて国内メーカーもPTP対応デジタルカメラをリリースする予定という

また、Windows XPは、リムーバブルメディアが挿入されたことを検知し、メディアの中のコンテンツをサーチして、そのコンテンツに関連したアプリケーションをリストアップもしくは起動する“AutoPlay”機能を搭載する。

AutoPlayデモ
AutoPlayのデモ。リムーバブルメディアを挿入すると、メディアの中のコンテンツに合わせてアプリケーションがリストアップされる

一方、今後前向きにサポートをしなくなる機能については、Video for Windows(VFW)の提供はWindows XPが最後で、次のOSからはサポートしないという。また、MCIは.NET APIsへ変更される見込みで、DirectShow/WDMドライバーが標準となり、VFWとMCIデバイスドライバーは不可となるという。

ホームネットワーク機能
Windows XPに搭載されているホームネットワーク機能の一覧。Windows 98やMeと比較してもかなり多い

そのほか、Windows XPでは、CD-R/RWを標準でサポートし、CD-R/RWへの書き込み機能“CD-R/RW IMAPI”を搭載する。“ClearType”フォントは、レインボーカラーを採用、ドットの色を変えて文字の輪郭をぼかすことで、画面上で文字がクリアに見えるようにしている。

レインボーカラー
レインボーカラー。ドットの色を変えることで文字をぼかし、画面上で文字を美しく表示できるようにしている

Windows XP対応のアプリケーション開発のために

Windows XPで大きく変わったことのひとつに見た目(ビジュアルスタイル)が上げられる。同社は、このビジュアルスタイルを変更した理由として、これまでずっと同じようなビジュアルを使い続けてきたため見た目が古くなったため、また、Windows XPが重要なバージョンアップであることを見た目でも分かるようにするためだとしている。

Windows XPの新ビジュアルスタイル“LUNA”は、画面デザインを変更することで切り替えが可能となっている。LUNAはデザインの“Theme(テーマ)”のひとつで、Themeマネージャ(uxtheme.dll)がスクロールバーやタイトルバー、メニューなどの領域をレンダリングし、Themeごとにビジュアルスタイルを切り替える。

Windows XPは、バージョンの異なるシステムファイルを使用できるようになっており、ボタンやリストボックスなどをコントロールするCommon Controls(ComCtl32.dll)のVer.5とVer.6が搭載されている。Ver.6はXPより新しく加わったDLLで、Themeマネージャによってレンダリングされる。アプリケーション開発者は、このVer.6を利用してWindows XPのLUNAに対応したアプリケーションを開発できる。一方、従来型のビジュアルスタイルを持つアプリケーションではVer.5が利用される。

ComCtl
同じプログラムで、右がComCtl32.dll(v5)を使用した従来型画面デザイン(Windowsクラシック)のもの。左がComCtl32.dll(v6)を使用したLUNAデザインのもの

既存アプリケーションの互換性に関しては、Kernel Mode Driversを使用しているソフトや、プラットフォーム依存型ソフト(Win32 APIより下位のレベルで書かれたアプリケーション、ドキュメント化されていない機能を利用したアプリケーション)、OSのバージョンNo.に依存するソフトは、Windows XPで動かない可能性があるという。マイクロソフトは、開発者向けに、アプリケーション互換ツールとしてパッチツール(約150種類)、テストツールを提供するという。

Windows XPのアプリケーション用ロゴプログラムは、エンドユーザー向けアプリケーション用と、企業ユーザー向けアプリケーション用の2種類が用意される。エンドユーザー向けアプリケーションロゴは、ユーザーが製品購入時にWindows XP対応の目印となることを目的としたもの。一方企業ユーザー向けアプリケーションロゴは、外部機関でテストを行なうなどガイドライン内容がエンドユーザー向けのものより厳しくなっているという。

同社は、ロゴプログラムのプロセス改善努力を行なっており、現在ではほとんどの製品でセルフテストが実施され、従来より容易にロゴを取得できるようになっているという。

(編集部 桑本美鈴)


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