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セルシス、あのマンガ制作ソフトの最新版を発売


2001年11月6日

(株)セルシスは6日、マンガ制作ソフトの最新版『ComicStudio(コミックスタジオ) Ver.1.1』、機能拡張版となる『ComicStudio EX』、および専用周辺ソフト4製品を発表した。

コミスタパッケージ
マンガ制作の基本機能をすべて網羅したマンガ制作ソフト『ComicStudio Ver.1.1』。毎回往復何時間もかけて都市の大手画材店まで画材を買いに行っている地方在住のキミには特におススメだ! 12月29日の東京ビッグサイトにはバッチリ間に合うぞ! 迷ってる場合じゃないだろ!!

ユーザーからの要望を反映した『ComicStudio Ver.1.1』

『ComicStudio Ver.1.1』は、8月10日に発売された『ComicStudio Ver.1.0』の最新版。ネーム作成から下書き、ペン入れ、仕上げ、文字入れ、印刷といったマンガ制作における作業を一貫して行なえるソフト。同社独自の“ベクトルマップテクノロー”により、ペンタブレットなどからの入力データをリアルタイムにベクトルデータ化できる。

コミスタ画像
『ComicStudio』のマンガ作成画面

同社はVer.1.1の開発にあたり、Ver.1.0のすべてのソースコードを見直し、18ヵ所の処理を高速化したという。例えば、ページウインドーのレイヤー切り替えでは、1つのレイヤーを切り替えるのにVer.1.0では約3秒かかっていたが、Ver.1.1では一瞬にして切り替わる。コマウインドーの拡大縮小表示においては、Ver.1.1ではコマすべてを拡大表示に10秒かかったが、Ver.1.1では2〜3秒で表示できるという。

さまざまな新機能も搭載する。定規機能に定規の辺を揃えるコマンドが追加され、コマ枠を作成する際、選択されたコマの底辺を揃えたり、左右に隣り合う2辺を平行にすることが可能になった。また、集中線を描画する場合、Ver.1.0では基本線を引いた後、線を回転させながら描画していたが、Ver.1.1では定規の中心点から放射状に線を描画できるようになった。選択した直線定規に対して平行に線を描画することも可能。

さらに、コマ画像(用紙)を自由な角度で回転できるようになった。これはユーザーからの要望が多かった機能で、Ver.1.0では90度ずつしか回転できなかったが、Ver.1.1では任意の角度で回転可能。これにより紙を回しながら描く作業と同様の使い勝手を実現できるという。

コミスタ画像2
『ComicStudio Ver.1.1』のコマ画像回転機能

組版機能も強化され、組版スタイルの設定が可能となった。ひらがなや漢字など文字種類ごとにフォントの設定が行なえるほか、行間や字間の設定も可能。文字にルビを振る機能や、手書き文字認識機能も追加された。

そのほか、マウスで強弱(太/細)のある線の描画に対応し、ペンタブレットがなくても強弱のある線を描画できる。プラグイン機能も実装し、今後リリースされるサードパーティーのプラグインを追加できる。現状ではデジターボの『デジコミコム集中線・流線 ComicStudioプラグイン』(後述)が利用可能。

『ComicStudio Ver.1.1』は11月末発売で、価格は3万4800円。対応OSはWindows 98/Me/2000で、XPも対応予定という。なお、Ver.1.0ユーザーは同社コミュニティーサイト“ComicStudio.net”よりアップグレードデータを無償ダウンロードできるほか、ユーザー登録者には同社よりアップデータCDが送付される。

線画の取り込みが可能な上位版も登場

『ComicStudio EX』は、Ver.1.1の上位製品となるマンガ制作ソフト。Ver.1.1の全機能を搭載するほか、レイヤー数をVer.1.1より増やし、線画の取り込み機能や3Dデッサン人形機能も備えている。また、ComicStudio専用周辺ソフト『ComicStudio フォントパック Vol.1』、『ComicStudio 画像素材集 Vol.1 〜学校編〜』、『デジコミコム集中線・流線 ComicStudioプラグイン』、『ComicStudio トーンコレクションズ Vol.1』の4製品が付属する。

コミスタEXパッケージ
Ver.1.1の上位版となる『ComicStudio EX』。毎回トーンを多用するキミには特におススメだ! コピー本程度なら29日に余裕で間に合うぞ! これからはWindowsだ!!

Ver.1.1では、コマレイヤーで重ね合わせ可能なレイヤーの最大数は12だが、EXでは40となっている。ComicStudioはトーンを1つ貼るごとに1レイヤーが必要なため、レイヤー数の増加により、Ver.1.1より多くのトーンを使用できる。

また、ペン入れした紙の原稿(線画)をスキャナーなどで読み取り、その画像データをEXに取り込むことが可能。従来は下書き(ネーム)の画像データとしてのみ取り込みが可能だったが、これにより、下書き画像データと線画画像データの両方を取り込めるようになった。

スキャンした画像データを取り込む際に、ネームレイヤー(下書き)かラスターペンレイヤー(線画)かを選択し、サイズや位置、回転、明るさ/コントラストなどを設定して取り込める。スキャン時に画像に入り込んでしまったゴミを消去する機能も用意されている。ラスターペンレイヤーとして取り込んだ画像は、ComicStudioで描画した線画データと同様に、トーン貼りなどの仕上げ作業を行なえる。

コミスタEX画像
『ComicStudio EX』の線画取り込み機能

3Dデッサン人形機能は、3DCGのデッサン人形を利用して下絵を描画できるというもの。3Dモデラーのようなデッサン人形をマウスを使って操作し、好きなポーズやアングルにできる。ポーズとアングルが決まったら、デッサン人形を下絵として、正しいデッサンのキャラクターを描画できる。

コミスタEX2
『ComicStudio EX』の3Dデッサン人形機能

『ComicStudio EX』は12月14日発売で、価格は7万4800円。対応OSはWindows 98/Me/2000で、XPも対応予定という。

周辺ソフトも同時発売

ComicStudio EXに付属する周辺ソフト『ComicStudio フォントパック Vol.1』、『ComicStudio 画像素材集 Vol.1 〜学校編〜』、『デジコミコム集中線・流線 ComicStudioプラグイン』、『ComicStudio トーンコレクションズ Vol.1』の4製品は、単体でも発売される。

『ComicStudio フォントパック Vol.1』は、(有)エヌフォーメディア研究所とセルシスが共同開発したフォント集で、マンガ向けのフォント3書体を収録する。ComicStudio-GA書体は、マンガ雑誌などでなじみのある書体を再現したもの。ComicStudio-PGA書体は、ComicStudio-GA書体をデジタル入稿や製版向けに対応させたもので、可読性や視認性を向上させたという。ComicStudio-GT書体は、マンガの文字表現においてスピーカーからの音声などに用いられる書体を再現したもの。また“!?”“!!”などフキダシ内の文章に欠かせない記号類を外字として400文字収録する。

フォントパッケージ
『ComicStudio フォントパック Vol.1』のパッケージ
マンガ向け書体
フォントパックに収録されている書体

『ComicStudio 画像素材集 Vol.1 〜学校編〜』は、(株)グラフィック社の書籍『マンガ技法シリーズ』の“学校編”をデジタル化したもの。素材データとして、学校内の人物ポーズデータや校舎など学校施設の詳細資料など550点以上と、写真資料20点以上を収録する。なお収録素材は、下絵にも背景にも使用可能な版権フリーデータとなっている。

学校編パッケージ
『ComicStudio 画像素材集 Vol.1 〜学校編〜』のパッケージ
学校編素材
画像素材集に収録されている素材データ

『デジコミコム集中線・流線 ComicStudioプラグイン』は、さまざまな集中線/流線を自動生成できるプラグインソフト。開発/発売元は(株)デジターボ。デジターボのAdobe Photoshop用プラグイン『Photoshop用集中線・流線プラグイン』をComicStudio用に移殖したもので、ComicStudio版ではビットマップデータからベクターデータへの変換が可能となっている。

集中線パッケージ
『デジコミコム集中線・流線 ComicStudioプラグイン』のパッケージ
集中線画面
プラグインでさまざまな集中線を自動生成できる

『ComicStudio トーンコレクションズ Vol.1』は、柄トーンや手描きトーンなどのトーンデータ35種類と、背景に利用できる雲や樹木、波などの素材データ25種類を収録したもの。開発/発売元は(株)トゥー。

トーンパッケージ
『ComicStudio トーンコレクションズ Vol.1』のパッケージ
トーン画面
トーンコレクションズに収録されているトーンや素材の数々

4製品とも発売日はEXと同じく12月14日。価格は、『ComicStudio フォントパック Vol.1』が7800円、『ComicStudio 画像素材集 Vol.1 〜学校編〜』が3980円、『デジコミコム集中線・流線 ComicStudioプラグイン』が5800円、『ComicStudio トーンコレクションズ Vol.1』が3980円。

なお、ComicStudio 画像素材集シリーズの次期製品として、『ComicStudio 画像素材集 Vol.2 〜バトル・格闘技編〜』が2002年初頭に、『ComicStudio 画像素材集 Vol.3 〜基本ポーズ編』が2002年春にそれぞれ発売される予定。価格はいずれも3980円。

さらに、ComicStudio トーンコレクションズシリーズの次期製品として、『ComicStudio アイシースクリーンロストコレクション Vol.1』、『ComicStudio専用プロフェッショナルトーン for Digital Vol.1』、『ComicStudio専用フォトコレクション for Digital Vol.1 石材編』をリリースする予定という。

本日都内で行なわれた発表会で、同社代表取締役社長の川上陽介氏は、「ComicStudio Ver.1.0は8月10日の発売以降5000本を出荷し好調な売れ行き。今回のVer.1.1は高速化を行ない、ユーザーニーズにも応えて機能を拡張した。今後も自社で開発を進めるとともに、サードパーティーとアライアンスを組みながら製品展開を行なう」と語った。

ComicStudioのカラー対応については「2002年に何らかのソリューションを提供する。また、カラー原稿を制作するために汎用ソフトにファイル出力する機能を現在開発中であり、後日正式発表する」(川上氏)としている。Macintosh版の開発については「将来的にはぜひやりたいが、現在開発はしていない」(同)とのこと。

なお同社は、ComicStudioの海外展開も積極的に進めており、16日には韓国市場向けにハングル語版を発売、また現在英語圏や中国でマーケティングを行なっているという。

川上社長
同社代表取締役社長の川上氏
のなか氏
発表会にゲストスピーカーとして出席したマンガ家ののなかみのる氏。「1度紙に描いた絵をCDジャケットにしたりポスターにしたりする場合、そのまま拡大するとジャギーが出てしまうため、別途描き起こす必要があった。ひとつの絵から別のものを波及させる際はこういった解像度の問題が発生するが、ComicStudioを使うとひとつの絵を楽に使い回せる。コピーも同様で、背景やクルマなどをコピーする際、サイズの拡大縮小による荒れがComicStudioではない」
竹内氏
同じくゲストスピーカーのマンガ家、竹内桜氏。「(ComicStudioを)使ってみたがペンタッチはかなり優秀。筆圧感知とペンの入り抜き機能によりバリエーションのあるペンタッチが可能。効果線は感心した。通常きれいな効果線を描くには修行が必要だが、ComicStudioではサクサク描ける。使えると思う。もうひとつ驚いたのはトーン。いくらでもやり直おせるのがデジタルのいいところだ。トーンのバリエーションが今後増えるということで期待している」

(編集部 桑本美鈴)


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