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アンテナハウス、“XSL V1.0”に準拠したXML組版・閲覧ソフト『XSL Formatter V2.0』を発表

2001年12月06日 23時12分更新

文● 編集部 田口敏之

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アンテナハウス(株)は6日、XSL仕様のXSLTスタイルシートと組み合わせて、XML文書の組版や出力を行なうソフト『XSL Formatter V2.0』を2002年1月15日に発売し、出荷を開始すると発表した。販売は代理店を経由して行なう。価格は『クライアント・ライセンス』が1本19万8000円、2~100本までが1本あたり8000円、101本以上が1本あたり4000円で、『サーバ・ライセンス』(接続クライアント数無制限)が29万8000円となっている。なお『同 V1.1』のユーザーは、無償でアップデートを受けられるが、『V1.1』で用いていたスタイルシートは『V2.0』では利用できない。

『XSL Formatter V2.0』の画面
『XSL Formatter V2.0』の画面。2段組で文書を組版している

タグの名前やドキュメントの構造を自由に定義できるマークアップ言語“XML”で記述した文書は、HTMLに変換してウェブブラウザーを介して閲覧することなどが多いが、スタイルシートを適用すれば、さまざまなレイアウトの文書に組版できる。同製品は、W3Cが10月25日に勧告として公開した、XMLに書式を与えるための言語仕様“XSL(Extensible Stylesheet Language) Version 1.0”に準拠した組版エンジン。XMLに文書構造を与えるための言語仕様“XSLT(XSL Transformations)”で記述した、XMLを定義付けるスタイルシートを用いて、XML文書の組版・出力が可能となっている。組版エンジンはActiveXコントロールとなっている。

XSLを用いた組版/印刷のステップを表わす図
XSLを用いた組版/印刷のステップを表わす図

具体的な操作の流れとしては、まずXML文書を指定し、XSLTスタイルシートを適用し、XSLTプロセッサーで“XML-FO(XML-Formatting Objects)”(組版のためのオブジェクト)に変換する。XSLTプロセッサーには、米マイクロソフト社の“MSXML3.DLL”を利用している。そして、XML-FOを組版エンジンで組版し、閲覧や出力が可能となる。出力する場合、米アドビシステムズ社の『Adobe Acrobat』を用いれば、文書や帳票のPDF化を行なえる。また今回のバージョンより、PDF化オプションを用いて、ダイレクトにPDF化を行なえるようになる。PDF化オプションは2002年2月15日に発売し、価格は『クライアント・ライセンス』が1本1万円、2~100本までが1本あたり1000円、101本以上が1本あたり500円で、『サーバ・ライセンス』が20万円となっている。

XMLデータを、受注伝票として組版したもの
XMLデータを、受注伝票として組版したもの
同じXMLデータを、注文伝票として組版したもの
同じXMLデータを、注文伝票として組版したもの

同社では、XMLデータを組版する利点として、スタイルシートに応じてレイアウトを変更できることや、用途に応じて必要な文書や帳票を出力できることを挙げている。たとえば1つのXMLデータから、受注伝票や発注伝票、顧客一覧表などといった別々のデータを抽出し、出力することが可能となっている。また、XML文書をレイアウトし印刷する方法としてDTPを用いることもできるが、同製品では自動組版が行なえるため、大量の文書を扱う場合に時間がかかるDTPに対して、組版の速さの点で優位性を発揮できるという。

アンテナハウス営業部の長縄敏行氏
アンテナハウス営業部の長縄敏行氏

同社営業部の長縄敏行氏によれば「XSLTスタイルシートを作成するには高度なスキルが必要で、現状ではSIに依頼するのが一般的だ。これに対して弊社では、XSLTスタイルシートが簡単に作成できるツールを開発している。また、XSLをより普及させるために、XSL仕様の解説とXSLTスタイルシートに関する専門セミナー“XSL School”を6月に開設した。これまで6月と9月に開催し、好評をいただいた。2002年2月に、第3回を開催する予定」ということだった。

同製品の対応OSは、Windows 95/98/Me/NT 4.0/2000/XP(NT 4.0/2000/XPを推奨)。また、MSXML3.DLLとInternet Explorer 5.5が必要となっている。なお、OEM向けにActiveXコントロールの仕様の提供や再配布、ライセンスの提供も行なうという。

同社取締役伊那支店長の松下明男氏
同社取締役伊那支店長の松下明男氏

販売目標としては、2002年に約1億円、2003年に約2億円の売り上げを見込んでいる。同社取締役伊那支店長の松下明男氏は「W3Cの勧告になるまで、この分野の製品を先送りにしていたが、つい先日、世界標準の規格が制定された。これに日本語で対応する組版エンジンは、現在この製品のみとなっている。今後2年間、全社の資源を集中して開発と販売活動を行ない、XSL分野における、世界トップの地位を確立することを目指す」と述べた。

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