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米Connectix、PCエミュレーションソフト『Virtual PC for Windows 5.0』を発表

2002年08月07日 22時29分更新

文● 編集部 田口敏之

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米Connectix社は7日、報道関係者向けに、PCエミュレーションソフト『Virtual PC for Windows 5.0』の説明会を開催した。同製品は、米Connectixが5日(現地時間)に発表したもので、同日付けで販売を開始している。日本語版は9月13日に発売する予定。

Virtual PC for Windows 5.0
Virtual PC for Windows 5.0。Windows XP上で、OS2とWindows 2000 Professionalが同時に起動している

Virtual PC for Windows 5.0は、Windows上で同時に複数のOS(ゲストOS)を実行するソフト。Windowsの各バージョンのほか、PC DOS(MS-DOS)、OS/2、NetWare 6.0、Solaris 8.0、Linux(※1)などのPC/AT互換機上で動作するOSをサポートする。各OSは、インストールするとディスクイメージである“バーチャルマシン”として、ホストとなるパソコン内に保存される。バーチャルマシンは、自由に配置やバックアップ、リカバリーなどを行なえる。これにより、プロセッサーからネットワークカードまで、ハードウェアシステムそのものをエミュレートすることで、ソフトウェア環境を作ることができる。

※1 Linux :Red Hat Linux、Mandrake Linux、Caldrera OpenLinux Workstationをサポートする。

超漢字
PC/AT互換機上で動作するOSであれば導入が可能。画像は、パーソナルメディア(株)の多言語・多漢字対応OS『超漢字』が起動している様子

今回のバージョンより、個々のバーチャルマシンごとのCPU使用率を、ユーザーがコントロールできるようになった。またバーチャルマシンごとに、1GB以内のメモリー(RAM)を割り当てられる。そして新機能“取り消し可能ドライブ機能”の搭載により、ゲストOS上で動作が不安定なアプリケーションをインストールしてしまったり、データがウイルスに感染した場合などに、ゲストOSを元の状態に戻すことができる。パフォーマンス面も向上を図り、Pentium IIIを搭載したパソコンで従来バージョンの約3倍、Pentium 4を搭載したパソコンでは従来バージョンの約5倍のスピードで動作するという。

NetWare
画面右側のランチャーが“Virtual PCリスト”

管理機能として、パスワードによるセキュリティー機能や、バーチャルマシンをリモートコントロールできる機能を備える。またACPI(Advanced Configuration and Power Interface)のサポートにより、ディスクイメージのインポートとエクスポートが可能で、管理者が複数のパソコンに対して同じバーチャルマシンを迅速に導入できる。導入したバーチャルマシンは、ランチャー“Virtual PCリスト”によって管理できる。

また、DVD-ROM、CD-ROMのデータをホストOSからでもゲストOSからでも利用できるほか、ホストとなるパソコンのビルトインコンポーネント(モデムやパラレルポートなど)をサポートする。ネットワークカードとしては、10/100BASE-TXのEthernetカードをサポートしている。

対応機種は、最低400MHzのCPUを搭載したPC/AT互換機。CPUはAthlon、Duron、Celeron、Pentium II、Pentium III、Pentium 4に対応している。ホストOSとして利用可能なのは、Windows 98 SE/Me/NT 4.0/2000 Professional/XP。ゲストOSをインストールするのに必要なHDDおよびメモリーの容量は、DOSなら50MBのHDDと32MBのメモリー、OS/2なら300MBのHDDおよび32MBのメモリー、NetWare 6.0なら2GBのHDDと196MBのメモリー、Solaris 8.0なら2GBのHDDと64MBのメモリー、Linuxなら2GBのHDDと64MBのメモリーとなっている。

価格はオープン。編集部による予想実売価格は5万円前後。国内での販売は、(株)アスキーソリューションズと(株)メディアヴィジョンが行なう。日本語版の発売に併せて、45日間無料で利用できる体験版も用意する予定。また、同製品および『Virtual PC for Mac 5.0 日本語版 with PC-DOS』のダウンロード販売も開始するという。

ジェフ氏
説明を行なった、品質管理担当ディレクターのジェフ・ウールジィ氏

製品の説明を行なった、米Connectixの品質管理担当ディレクターであるジェフ・ウールジィ(Jeff Woolsey)氏は「Windows 95や98は、非常に重要なOSであると我々は認識している。多くのレガシーアプリケーションが、XPや2000の上では動作しない。しかしVirtual PCがあれば、そのようなことも問題にならない。また、1台のパソコン上で各国語のOSを利用する場合においても、バーチャル環境を利用できる。こういった柔軟性を、教育やトレーニング目的で、あるいは開発環境で利用することができる」と述べ、「Virtual PCによって、企業の拡大への道が開けると確信している」と語った。

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