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ジースポート、ビデオ画像からモーションキャプチャーできるソフト『KROPS』を発売

2003年03月01日 11時44分更新

文● 編集部 阿蘇直樹

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(株)ジースポートは1日、ビデオやアニメーションなどの動画からキャラクターの動作を検出するモーションキャプチャーソフト『KROPS』を、これまでの同社ウェブサイトからの直販に加え、本日より全国のパソコンソフト取扱店でも販売すると発表した。

『KROPS』『KROPS』のパッケージイメージ

KROPSは、ビデオ映像などから取り込んだ動画ファイル(AVI形式、MPEG形式)をもとに、関節へのマーキングやビデオ映像の色情報などからキャラクターの動作を解析し、3Dのモーションデータを生成するソフト。2003年1月より、同社ウェブサイトを通じて販売されている。既存のモーションキャプチャーシステムでモーションデータを生成する場合、関節部分にマーキングした人が角度の異なる複数のカメラの前で動作を行ない、マークの動きから立体的な動作をシミュレートしてデータを生成する。それに対し、KROPSの場合は1方向から見た映像(平面映像)をもとに、マウス操作で関節部分にマーキングし、マークの前後関係(画面の奥行きに関する情報)を指定することで、立体的な動作をシミュレートし、モーションデータを生成する。これにより、高価なハードウェアや特殊な設備なしでも、ソフトウェア処理だけでモーションデータを生成可能になる。モーションデータは標準的なBVH形式で出力され、米Curious Labs社の『Poser』や米オートデスク社ディスクリート部門の『3ds max/character studio』、米NewTek社の『LightWave 3D』といった3DCGソフトウェアで読み込み可能。ウェブコンテンツやゲームキャラクターの作成といった用途を想定している。

ビデオ画像からモーションキャプチャー 3Dビューワー
ビデオ画像の人物からモーションデータを取り出す“ボーンクリックウィンドウ”。このように頭や耳、各関節などにマウスクリックでマーキングし、重なって見える肘や膝などの奥行きに関する情報(手前にあるか奥にあるかといった程度の簡単な情報)を与える取り込んだモーションデータを3Dキャラクターに適用して表示する“3Dビューワ”
KROPSの動作イメージ

KROPSはWindows 98 SE/NT 4.0/2000/XP上で動作する。ハードウェア環境はPentium III-700MHz以上のCPUと256MB以上のメモリー、300MB以上の空き容量をもつハードディスクに加え、NVIDIA GeForce2以上のグラフィックスアクセラレーター、3つボタンマウスが必要になる。

KROPSの価格は、通常版が12万8000円、アカデミック版が9万8000円。なお、同社ウェブサイトでは14日間試用可能な体験版の配布も行なっている。

また、『3ds max/character studio』で編集したモーションデータをKROPSで読み込み・保存したり、KROPSで作成したモーションデータを3ds max/character studioに直接読み込むためのプラグインを、5万円で3月下旬に発売する予定。今後ほかの3DCGソフトに対応したプラグインもリリースする予定だという。

ジースポートは、おもに東京大学でCG研究を行なっていたスタッフにより設立されたベンチャー企業。これまでに情報処理振興事業協会の情報技術開発支援事業などに参加し、人体の機能をコンピューター上に再現する“デジタルヒューマン技術”を中心に研究、製品開発を行なっている。KROPSのほかにも、モーションデータと人体の筋骨格モデルを組み合わせ、筋肉への負荷や消費カロリーを計算、可視化する『ARMO(アルモ)』(3月1日より製品名の表記を『R-Motion』から『ARMO』に変更)などを開発している。

アルモ動作イメージ
アルモの動作イメージ。モーションデータを可視化できるので、学習用途や機器操作のシミュレーションなどに利用できる

アルモは医療機関や医療教育機関で採用されているほか、自動車などの機器設計や評価において、利用者の負担をシミュレートするといった用途も想定しているという。価格はスタンダード版が80万円から。現在のところ直販のみが行なわれている。

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