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ゼンリンデータコム、カーナビ連携『its-mo Navi』と音声会話対応ナビシステム『SA・TSU・KI』をデモ


2004年2月11日

(株)ゼンリンデータコムは10日、都内の同社にてカーナビゲーションシステムと連携したネットワーク型地図サービス『its-mo Navi』(いつもナビ)の概要と、現在同社が開発中の音声会話対応インテリジェントナビシステム『SA・TSU・KI』の説明をマスコミ関係者に行なった。

まず、挨拶にたった代表取締役社長の林秀美氏は会社概要説明のなかで「来期は新しいサービスが少しはじまるのと、かなり拡大した『its-mo Navi』のユーザーなどが順調に入ってくるのとで20億円の売り上げを達成し、向こう3ヵ年では50億円の売り上げになるのではないだろうか。すでに中国からも引き合いがきているので、マーケットもできるだろう」と話した。

代表取締役社長の林秀美氏
代表取締役社長の林秀美氏。「カーナビを一番最初に見たときに、将来はテレビ番組の“ナイトライダー”みたいになるのではないかと思った。そのときに生まれたのがデータコムという情報サービスの会社だった。ゼンリンは地図をインフラとするが、いろんな車を介してさまざまな情報を提供していく会社になるべきではと思っていた」

続いて、取締役の出口貴嗣氏が『its-mo Navi』(いつもナビ)の説明にあたった。『its-mo Navi』(いつもナビ)は“ネットワーク型地図サービス”とうたっているように、専用ソフトをインストールして地図を検索すると、サーバーに格納されている最新の地図データを参照、その指定地域の天気情報も取得できるというものだ。対応OSはMicrosoft Windows XP Professional/Home Edition/98(SE)/Me/NT 4.0/2000 Professional(ServicePack2以降)、動作環境はIntel PentiumII、Pentium MMX以上のCPUを持つPC/AT互換機またはNEC PC98NXシリーズ(PentiumIII以上推奨)、64MB以上のメモリ空き容量(128MB以上を推奨)、100MB以上のHDD空き容量などとなっている。価格は1年間の使用期限付きで1980円。

現在、体験版も含めると70万人以上が会員登録を行なっている
現在、体験版も含めると70万人以上が会員登録を行なっている

氏は「今まで、地図ソフトを購入するとCD-ROMなどが複数枚ついていた。しかし、それらは1度買ったらどうしても古くなってしまうものだった。『its-mo Navi』(いつもナビ)はサーバーに情報を取りにいくことが特徴で、常に新しい情報が取得できる。データは年に4回更新し、市区町村の統合がある場合はできるだけ即日更新するようにしている」と本来の機能をアピールした。データは住宅地図をベースとしており、1400都市のデータが参照可能だ。現在、体験版も含めると70万人以上が会員登録を行なっているとのこと。ウェブサイトでの販売とソースネクスト(株)による店頭販売、、ソニー(株)や日本電気(株)などの製品に搭載される分をあわせると、2003年度は100万人に達するではないかとの見通しを語った。

起動画面
『its-mo Navi』の起動画面。バーにカーナビへのメール送信ボタンが搭載された
送信ボタンを押すとメーラーが立ち上がる
送信ボタンを押して位置を選択するメーラーが立ち上がる
地図表示している地域の天気情報が画面上にながれている
地図表示している地域の天気情報が画面上にながれている

1月30日からはじまっている拡張機能は同社のホームページからダウンロード可能だが、カーナビとの連携が目玉になっている。これはパソコン上で検索した位置情報を添付ファイルとしてカーナビゲーションシステムのメールアドレスに送信し、それをカーナビ側で展開すると地図を表示できるというもの。パソコンから送る添付ファイルはPOIX形式(モバイル標準化検討委員会により作成された規格)になる。
「実際にカーナビで検索をするときに、乗ってから行き先を検索する人は少ない。たとえば週末にゴルフに行こうという時にウェブサイトで検索して予約をしてから決めることが多い。だから目的地が明確になった段階で、(そのルート)をカーナビ側に知らせてあげれば使い勝手がいいのではないかと考えた」と開発のきっかけが説明された。また、“上野動物園”など誰でも知ってる情報はカーナビに入っているが、親戚の家や上司の家などはいざカーナビで検索すると面倒だが、この方法だとその手間が省けるとメリットを強調した。対応しているのは日産自動車(株)のカーナビゲーションシステム“CARWINGS”と本田技研工業(株)の“インターナビ”の2機種のみとなっている。またその他、デジタルカメラやGPS機能付きの携帯電話で撮影した緯度経度情報付きのJPEGファイルを『its-mo Navi』に取り込んで撮影地点を表示したり、『its-mo Navi』のお気に入りに登録した情報を『ゼンリン携帯マップ』(FOMA900iシリーズで利用可能)で閲覧可能、『ゼンリン電子地図帳Z[zi:]シリーズ』(『ゼンリン電子地図帳Z[zi:]Professional 3』を除く)でも閲覧ができるようになっている。

次に紹介されたのが『SA・TSU・KI』だ。これは、次世代型車載端末で機能するドライバー向けの情報提供サービスで、同社が現在開発中のもの。すでに昨年開催された“東京モーターショー2003”でお披露目されているが、音声対話によってユーザー(ドライバー)の趣味・嗜好を理解し成長していくカーナビゲーションシステムだ。会場で行なわれたデモでは、画面にレースクイーン風の格好をしたCGキャラクターの“サツキ・メイ・リン”(国籍不詳のキャラクター)が登場し、地図表示とともにドライバーをナビゲートしていた。たとえば、ラーメン店を音声で検索している時のやりとりは以下のようになる(ちなみに、ラーメンのやりとりをしているときはデモ画面でサツキがチャイナドレスに変身した)。

開発中の『SA・TSU・KI』のデモ画面
開発中の『SA・TSU・KI』のデモ画面。「極端な話、将来のカーナビに画面があるか?ない可能性も考えられる」ため、カーナビサービス開始時には、このような画面になっているかどうかはわからない。ナビゲーション画面の右側に出ているのがCGキャラクターの“サツキ・メイ・リン”。一人でドライブしているか、知らない人か、あるいは家族と一緒かなどの条件によってキャラクターの話し方も変化する
ラーメン店のナビゲーションでは、キャラクターがチャイナドレスに着替えている
ラーメン店のナビゲーションでは、キャラクターがチャイナドレスに着替えている

「九州筑豊ラーメン○○店ではどう?」(サツキ)
「別のにして?」(ドライバー)
「はい、じゃあ次を紹介するね、では本場中華麺店○○ではどう?」(サツキ)
「いいよ」(ドライバー)
「ここはオススメよ!お店のコメントを読むね、いい?」(サツキ)
「読んで」(ドライバー)

ちなみにここで、「読まないで」と注文を出すと、「お店について聞きたいことある?」と聞いてくる。このほか、「駐車場はある?」「店の広さは?」などについても回答してくれる。これら会話入力から地図表示までは、サーバーにある3つの“エンジン”によって分析されるという。つまり、“エージェントエンジン”がドライバーが何を話しているか、どんな条件を欲しがっているかを分析し、“リコメンドエンジン”がその条件に合ったコンテンツを引き出す。そして、“地図配信エンジン”で地図表示するといった具合だ。これらの他に、ドライバーの趣味・嗜好を記憶するプロファイル蓄積サーバーも用意されている。

サービス提供システムの概念図
サービス提供システムの概念図

同社では「今のカーナビで、例えばラーメンの検索を行なうとすると、検索はできるが50音順にでてきたり…自分が味噌ラーメンを食べたいのに、行ってみたら醤油ラーメンのお店だったりといったこともある」と今のカーナビの欠点を挙げ、条件を検索し自分のプロファイルを参照できれば、もっと確実なナビゲートができると話す。ただ、テンポをよくするためにはAI(人口知能)を使ったエージェントエンジンを取り込む必要があり、その研究をはじめているとのこと。「AIを取り込んでいかないと、そのつど膨大なシナリオを用意していけなければならない。ラーメン店の検索くらいだとそうする必要性は少ないかも知れないが、幅広い検索だと無理だろう」と話す。

一方で、このナビゲーションシステムの狙いは別のところにもあるとし、2000年に同システムの企画が立ち上がった時のことが紹介された。「当時としては通信ナビの世界は基本的に外のデータベースとつながる。またその先にはきっと車の中でモノを買う時代がやってくるという考えがあった。つまり、車でどこへ行って何を買ったかという行動履歴、選択履歴みたいなものが残る。集まったものは違った形でマーケディングデータにできるだろう」。サーバーに蓄積されたデータは次のビジネスへのステップにしていく考えだ。

ただ、林氏は「カーメーカーと話していると、実現が2〜3年先の話であるという声がよくでてくる。弊社は携帯によるサービスやパソコンによる事業収益はあるが、そんなに長期にわたって研究開発ばかりをしている余裕はない」と話している。したがって、まず『SA・TSU・KI』のようなサービスを世の中に出し、実際に動かして方向性を示すことが大切だ。そのためこのシステムをとりあえずパソコンや携帯電話に応用しての商用サービスを秋には開始し、カーナビへの本格的な運用は2006年秋から2007年春を考えていると紹介した。

(編集部 小板謙次)


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