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ボーランド、プロジェクトを成功に導く要求管理ソフトウェア『Borland CaliberRM 6.5 日本語版』を発売

2004年06月16日 22時47分更新

文● 編集部 小板謙次

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ボーランド(株)は16日、ソフトウェア開発プロジェクトにおける顧客要求を管理・共有し、要求の変化に対応するための要求管理ソフトウェア『Borland CaliberRM 6.5 日本語版』を29日に発売すると発表。顧客要求管理とソフトウェア開発に関する説明会を行なうとともに、製品発表会を都内で開催した。

テクニカルソリューションデリバリー本部プロフェッショナルサービス部の今村智氏

テクニカルソリューションデリバリー本部プロフェッショナルサービス部の今村智氏は、「今、プロジェクトに対して高品質、短納期、低コストといった相反する要件が求められている。しかし、開発現場は過酷なスケジュールに追われ、プロジェクトマネージャーはなぜ開発に時間がかかるのか、なぜユーザーは最初と違う要求をしてくるのかと悩み、一方でユーザーはなぜ違うシステムが出来上がってくるのかと不満をもらしている」とソフトウェア開発の現状を紹介した。氏はプロジェクトの成功率はわずか26.7%であるというデータを示しながら、その原因の多くは「要求に起因する」とした。「10~15年前ならば、短くても1~2年といった時間をかけて要求開発を行なうことができたが、現在では銀行などのシステムは別としてもほとんどが2~3ヵ月に開発期間が短くなっている」とし、現在は開発に十分な時間がとれないだけではなく、何が仕様変更なのか、仕様追加なのかさえ判断できない状況だと説明した。この現状解決に必要なのは「要求は変化する」ということを受け入れた上で、その変化に対応できるインフラを構築することだと結論づけた。

要求が高品質化されなければいけない
要求のもれやダブリを発見するためにも、要求の構造化が必要だ

ポイントは要求を構造化すること、テストシナリオを作成して要求を評価すること、、またその要求への変更が発生した時に関係者がその変更を把握できることだ。これらを解決するのが『Boland CaliberRM 6.5 日本語版』だ。同ソフトウェアの主な特徴は

初期段階で要求の誤りを発見できる
・要求を適切に構造化できる使い易いユーザーインターフェース
「追加・変更→合意→開発」のサイクルをサポート
・ベースライン化し、チームで共有
・要求構造の変更が容易
・要求の変更を確実に通知
要求の変化による影響を分析
・トレーサビリティーのサポートによって要求の変化による影響をビジュアルに把握し分析可能

といった3点に大別できる。

米ボーラン・ドソフトウェア社最高技術責任者のパトリック・カーパン(Patrick Kerpan)氏は、「(同製品は)開発者の皆さんがエンドユーザーがかかえている問題を解決するための適切なコードを書くことを確実に支援するものだ」とアピールした。この製品の投入によって、同社のアプリケーションライフサイクルマネージメント戦略のすべてが整い、統合的なサービスを提供できる体制が築かれた。さらに、今村氏が挙げた26.7%という低いビジネス成功率はチームが同じ敷地内(国内)にいる場合の数字であり、オフショア開発においてはもっと要求が高くなると付け加えた。

米ボーランド・ソフトウェア社最高技術責任者のパトリック・カーパン(Patrick Kerpan)氏
開発プロジェクトが直面する問題は要求が不明確である場合が多い
ソフトウェアの欠陥の半数以上が要件定義段階でのミスが原因
今回の製品でアプリケーションライフサイクルマネージメント戦略のすべてが整い統合的なサービスを提供できる体制が築かれた

会場では、オンラインショップのシステム開発を例にとって製品の簡単なデモが行なわれ、要求構造を任意に変更可能な点がアピールされた。

左サイドの窓では要求の項目が構造化されていいる。右では商品を注文するというケースについて、その詳細が記述されている
要求はしっかりと検証されなければいけない。『Boland CaliberRM 6.5 日本語版』ではひとつひとつの要求項目に関してどのように検証するかを登録できるツリー構造のほかに視覚的なダイアグラムで表示することも可能だ

また、プロジェクトの合意ができ、リリースのベースラインが確立されたときには、前回作成したベースラインとの比較が重要になってくる。これに関する機能として、プロジェクトベースラインの比較のデモも行なわれた。

ベースラインの比較機能。サーバーに接続し、その以前のベースラインとの差分を表示できる
例えば「メールで通知する」という仕様が変更になった場合、ステータスが要検討と表示される。仕様の変更がどこまで影響するかがわかるシステムの要求項目の因果関係をマトリックスで表示することも可能だ

サーバーでの動作環境は、Pentium II-300MHz以上(Pentium II-500MHz以上を推奨)、メモリー256MB、Microsoft Windows 2000 Server(SP4)、250MB以上のハードディスク(560MB以上を推奨)、ネットワーク接続となっており、クライアントはPentium II-200MHz以上(Pentium II-500MHz以上を推奨)、128MBのメモリ、Microsoft Windows 2000 Professional(SP4)、JDK 1.3以上、Microsoft Internet Explorer 6.0以上、ネットワーク接続、100MB以上のハードディスク(アプリケーション用)となっている。価格は1クライアント当たり32万円からとなっている。

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