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アドビ、低価格画像編集ソフト『Adobe Photoshop Elements 3.0』とビデオ編集ソフト『Adobe Premiere Elements』を発売

2004年10月05日 11時06分更新

文● 編集部 佐久間康仁

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『Adobe Photoshop Elements 3.0 plus Adobe Premiere Elements』のパッケージデザイン
『Adobe Photoshop Elements 3.0 plus Adobe Premiere Elements』のパッケージデザイン

アドビ システムズ(株)は5日、初心者・入門者向けの低価格画像編集ソフト“Adobe Photoshop Elements(アドビフォトショップエレメンツ)シリーズ”の最新版『Adobe Photoshop Elements 3.0』と、新たに投入する初心者向けの低価格ビデオ編集ソフト『Adobe Premiere Elements(アドビプレミアエレメンツ)』を11月中旬に発売すると発表した。同社の直販サイト“アドビストア”価格は、Photoshop Elements 3.0のWindows版が1万3440円、Mac OS版が1万2390円。Premiere ElementsはWindows版のみの発売で、価格は1万290円。両者を1パッケージにした『Adobe Photoshop Elements 3.0 plus Adobe Premiere Elements』(Windows版のみ)も同時に発売され、価格は1万8690円。それぞれ乗り換え/アップグレード版とアカデミック版も用意される。



両者に共通する特徴
――日本独自のパッケージデザイン

『Adobe Photoshop Elements 3.0』のパッケージ 『Adobe Premiere Elements』のパッケージ
『Adobe Photoshop Elements 3.0』のパッケージ『Adobe Premiere Elements』のパッケージ

同時発表された2製品(3パッケージ)に共通する特徴として、従来のPhotoshop ElementsやプロユースのPremiereのような写真を用いたパッケージデザインから、コミック調のイラストと、ひらがなの“ぷろなみ”(Photoshop Elements 3.0)や“あくしょん”(Premiere Elements)を中央に配置したものに変更した点が挙げられる。これは日本独自のパッケージで、先行して発売されている米国版とも大きく異なる。デザイナーには、(株)アクシス(AXIS Design)と佐藤 卓氏によるチームを結成し、日本らしさ、親しみやすさを念頭にデザインしたという。なお、2003年10月に発表、11月に発売した入門者向けの低価格画像管理ソフト『Adobe Photoshop Album 2.0』についても、2005年から同様のコンセプトによる新デザインパッケージにリニューアルして販売する予定とのこと(プログラムの変更やバージョンアップはなし)。

Photoshop Elements 3.0の特徴

Photoshop Elements 3.0は、従来製品(Photoshop Elements 2.0)から以下のコンセプトに基づいて機能強化が図られている。

大量の写真をまとめて整理
“写真整理モード”の搭載/自動整理機能の追加/検索機能の強化、など
画像編集機能を強化
“修復ブラシ”“型抜きツール”“クイック補正機能”の搭載/RAWファイルのサポート/16bitサポート、など
加工・編集した写真を“見せる”機能の強化
“HTMLフォトメール”の搭載/スライドショー機能の強化(BGMの調整やテキストの追加)/“はがき作成”や“ピクチャーパッケージ”機能の追加、など

Photoshop Elements 3.0の編集画面(画面はいずれも開発中のもの)
Photoshop Elements 3.0の編集画面

大量の写真を整理する機能として新たに搭載された“写真整理モード”は、Photoshop Albumシリーズの画像管理機能を強化して取り込んだもの。撮影日別に撮影枚数をグラフ化したり、カレンダー(日付単位)で撮影画像のサムネールを一覧表示することができる。各画像には“名札”(キーワード)を添付して管理・検索が可能で、1枚の画像に複数の名札をつけることもできる。

画像管理機能1 画像管理機能2
画像管理機能1。似たような画像をまとめて管理するスタック機能を使うと、写真が重なったようなサムネールで表示される画像管理機能2。カレンダーで撮影日ごとに管理している画面

Photoshop Albumにない機能として、左側の写真を固定し、右側だけを順番に入れ替えていくことでピンボケや構図などを比較してベストショットを探す“比較モード”(右側の画像の入れ替えも可能)、後からまとめて印刷実行するための“プリントマーク”を設定することもできる。また、1つのサムネールに複数の写真を重ねて管理することで、似たいような構図/被写体の画像をまとめて管理する“スタック機能”も搭載された。サムネールとして表示する画像は入れ替えも可能。

修正ブラシ機能
修正ブラシ機能。左の牛を消して地面の芝で埋めてしまう、という操作をマウスドラッグだけで行なえる

画像編集機能の強化としては、カラー補正やレベル補正など複数の画質調整を自動的に行ない色味や明るさを最適化する(詳細なアルゴリズムは未公開)“スマート補正機能”を新たに搭載。吹き出しやハート型などへの画像の切り抜き、1クリックで修正できる強化された“赤目補正”、肌のしみやしわなどを近似色を計算して目立たなく補正する“修正ブラシ/スポット修正ブラシ”なども追加されている。これらは2003年12月に発表されたプロ向け画像編集ソフト『Adobe Photoshop CS』から引き継いだ機能だという。

切り抜き機能
切り抜き機能で吹き出しの形に切り抜いたところ

また、高機能デジタルカメラ/一眼レフデジタルカメラなどで採用されている、CCD-RAW形式(CCDで感光/記録した情報をそのまま記録した生データ)を現像する機能や、RGB各色16bitの高階調データの入出力にも対応する。16bitモードは『Adobe Photoshop 7.0』と互換性を持つ。

クイック補正機能 CCD-RAW現像機能
クイック補正機能。従来同様、カラー補正やレベル補正を個別に選択することもできるCCD-RAW現像機能。画面はキヤノンの『EOS D60』の画像を読み込んだところ

編集・加工した画像を見せる機能の強化点としては、日本独自機能となるはがき作成機能、1枚の用紙に複数の画像をレイアウトするシールプリントのような“ピクチャーパッケージ機能”の強化(ドラッグ&ドロップで画像の入れ替えや配置変更が可能、フレームの追加が可能など)、タイトルやBGM、マイク入力でナレーションの追加、ならびに場面転換(トランジションエフェクト)の設定が可能になった“スライドショーエディター”などが挙げられる。

スライドショーエディターの画面 HTMLメール作成機能
スライドショーエディターの画面。ここで縦横の回転も設定できるHTMLメール作成機能。あらかじめ用意した額縁(フレーム)をつけたHTMLメールを作成してメール送信が可能

なお、Mac OS版では、米アップルコンピュータ社の画像管理ソフト『iPhoto』がデファクトスタンダードになっているため、写真管理機能は省略しており、その分価格がWindows版より低く設定されているという。対応OSは、Windows版がWindows 2000(SP4以降)/XP SP1、Mac OS版はMac OS X 10.2.8/10.3。

Premiere Elementsの特徴

Premiere Elementsは、今年4月に発表されたプロ向け動画編集ソフト『Adobe Premiere Pro 1.5』をベースに、個人ユーザーや動画編集の初心者にも使いやすく開発したもの。DVテープからのキャプチャー、動画編集、タイトル作成、DVDへの書き出しという一連の操作を、予備知識がなくても行なえるという。あらかじめBGMやタイトルバックなどをテーマ別にまとめたテンプレートが30種類用意され、日本の祭事に合わせて入園/入学式なども収録されている。

Premiere Elementsの編集画面(画面はいずれも開発中のもの)
Premiere Elementsの編集画面

ユーザーインターフェースはPremiere Proから大きく変更され、上部にワークフローを直線上に配列し、現在の操作がどのフェーズに当たるかわかりやすくなっている。また、Premiere Proでは素材と編集結果のプレビュー用に2つのモニター画面を用意しているが、Elementsでは操作に迷わないように1つのみに変更。一方で、タイムラインにはビデオレイヤーを99本、オーディオレイヤーをステレオソースで99本(モノラルでは198チャンネル)利用でき、各種エフェクトのリアルタイムプレビューも行なえるなど、Premiere Proから引き継ぐビデオ編集機能も持つ。トランジションエフェクト(場面転換の特殊効果)には、回転や3次元エフェクトなどを収録。子画面をはめ込む“ピクチャーインピクチャー”機能も利用可能で、これも最高毎秒30フレームのリアルタイムプレビューが可能(フレーム数は使用するパソコンのスペックによって変化)。

Premiere Elementsの上部に用意されたワークフローを示すウィンドウ
Premiere Elementsの上部に用意されたワークフローを示すウィンドウ

また、Photoshop Elements 3.0との連携機能が搭載されており、タイトルに利用する静止画をPhotoshop Elements 3.0で作成、PSD形式で保存しておくと、タイムライン上に配置してから改めて編集・加工したい場合も、Premiere ElementsからPhotoshop Elements 3.0を呼び出して画像編集を行ない、結果を即時反映することができる。

タイトルデザイナーの画面 DVD-Video作成で、タイトルやDVDメニューを設定しているところ
タイトルデザイナーの画面DVD-Video作成で、タイトルやDVDメニューを設定しているところ

編集結果は記録型DVDメディアにDVD-Videoとして書き出す(記録型DVDドライブが必要)ほか、MPEG-1/-2、QuickTime、WMV形式での保存も可能。対応OSはWindows XP SP1。

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