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電子出版の老舗、ボイジャージャパンが電子本ビューアー『T-Time 5.5』と『azur1.5』を4月15日に発売


2005年3月15日

新世代“電子本”の登場がiPod photoに新たな息吹を!

iPod photoで読む
iPod photoで読む。iPodシリーズでは画像が扱える“iPod photo”のみ対応。クリックホイールとの親和性の高さはiPodと電子出版双方の可能性を大きくするだろう

ボイジャージャパン(株)は15日、都内で記者発表会を行ない、同社の電子本ビューアー『T-Time(ティー・タイム)』および縦書きウェブブラウザー『azur(アジュール)』の最新バージョンとして、『T-Time v5.5』と『azur v1.5』を4月15日に発売すると発表した。T-Timeに搭載した新機能により、T-Time/azurで表示したコンテンツを、メモリーカードスロット搭載の携帯電話/iPod photo/PSPといった携帯型表示デバイス向けに書き出す(ファイル形式を変換して保存する)ことが可能となり、これらのポータブル液晶デバイスを“文庫本スタイルの電子本端末”として利用できるようになる。

ボイジャージャパンは、1998年にテキストを縦書きで読む“ハイファイテキストリーダー”としてT-Timeを開発、2004年4月には容易に縦書き表示が行なえるウェブブラウザーazurを提供開始した。すでにazurとT-Timeを合わせて6万人の登録ユーザがいるという。これら最新バージョンとして『T-Time v5.5機能限定版』と『azur v1.5試用版』が4月15日に無償ダウンロード可能になる。



PSPで読む
PSPで読む。PSPを縦に持つと、縦長の表示がまさに電子本を読むためにデザインされたのかと見まごうほどに快適だ。ちょうど小指でページ送りボタンを押すことができる。もちろん横長の表示も可能。Windowsパソコン/MacintoshともにUSB接続でデータを保存できる

T-Time v5.5機能限定版は書き出しが10ページまでと制限されており、ライセンスキーを購入・入力することで書き出しページ数の制限が解除される。ライセンスキー価格は1050円。一方、azur v1.5試用版は試用期間中(30日間)はすべての機能が使用できる。31日目以降に使用するためのライセンスキー価格は2100円。なお、T-Time v5.5のβ版についてはすでにMac OS X版がダウンロード公開中であり、Windows版のダウンロード提供も本日開始された。

T-Time 5.5はTEXT/HTMLおよび“.ttz”“.book”(※1)の各形式の文書ファイルを、メモリーカードスロットを搭載した携帯電話や、アップルコンピュータ(株)の『iPod photo』、(株)ソニー・コンピュータエンタテイメントの携帯ゲーム機『PSP』などの液晶デバイスに書き出せるという新機能を搭載した。これはT-Timeで表示した書籍コンテンツを、ページごとにJPEG形式の静止画像として連番のファイルに変換(ラスタライズ)し、各デバイスで表示可能にするというもの。単なるシーケンシャル(連続)ファイルをマニュアルコピーするというだけではなく、例えばデバイスがiPod photoならその表示特性(液晶ディスプレーの表示解像度や色数などの表現能力)に最適化し、各デバイスで読みやすいページ構成にして書き出せる。

※1 .ttz、.book “ドットブック(.book)”と“TTZ(.ttz)”はT-Timeの専用ファイル形式で、TTZは著作権保護機能を有する。なお.bookと、.ttzのソース(元原稿)となる“TTX(.ttx)”形式は、変換可能な柔軟性を保持しており、“XMDF”(シャープ(株))、“BBeB”(ソニー(株))、Σbook(シグマブック、松下電器産業(株))など、現在市場に存在するさまざまな電子出版ファイル形式に変換できるのが特徴

携帯電話で読む
携帯電話で読む。メモリーカードを扱えない携帯電話を探すほうが難しくなっている現状では、これが最も普及度の高い使い方になるだろう。ただし、機種によっては保存できても読むことができない場合があるのでご注意いただきたい(無償ダウンロード可能なので、興味がある場合はライセンス購入前に検証してみてほしい)
デジタルカメラで読む
デジタルカメラで読む。これもデジタルカメラの“新しい可能性”を引き出したと言えるだろう。写真のカシオ計算機(株)の“EXLIM(エクシリム)”のようなスリムなタイプのデジカメなら違和感なく読むことができそうだ。また、実行するかどうかの判断は各自にお任せするが、一眼レフデジカメやデジタルビデオカメラの液晶ディスプレーでも読むことができる

携帯電話やデジタルカメラの場合はWindowsパソコンやMacintoshに接続したメモリーカードに保存し、iPod photoやPSPではUSB接続(iPod photoはFireWire/IEEE 1394接続も可能)することで直接デバイスのメモリーに保存できる。各デバイスに書き出されたコンテンツ(画像ファイル)は、それぞれが持つ画像ビューアーで読めるという仕組みだ。文字表示向けにT-Time自身がフォントファイル“秀英明朝体”(※2)を内包しているため、美しく読みやすい縦組み表示が可能だ。

※2 秀英明朝体 明治末期に大日本印刷(株)が開発したオリジナル活版印刷用活字である“秀英体”を基に、電子出版物のディスプレー上でも読みやすく、さらに常用漢字/人名漢字と正字を基本字形としてJIS外字もサポートした本格的電子出版用フォント。なお、“秀英体”は大日本印刷の登録商標

フォトビューアーで読む
フォトビューアーで読む。最近はデジタルカメラユーザーを中心に普及しつつあるフォトビューアー。画像を見るのが専門なだけに、最も美しく表示できる
ボイジャージャパンの代表取締役社長の萩野正昭氏
ボイジャージャパンの代表取締役社長の萩野正昭氏。1992年にボイジャーを設立して以来、電子本一筋の人物だ

同社の代表取締役社長である萩野正昭氏は、T-Timeに書き出し機能を搭載した理由を、「これまでさまざまな電子出版のデバイスが出ては消えていきました。それは特定のデバイスのためだけに出したものだったからではないでしょうか? デバイスが消えるととともに消え去っていく“本”も出してきたわけです。であれば、いまそこにある液晶(ディスプレー)を本にできないか? 無理にデバイスに本(コンテンツ形式)を合わせるのではなく、本にデバイスを合わせるわけです。幸い液晶デバイスはいくらでも転がっています。いまや携帯電話にデジカメは常識です。この点に注目したわけです。携帯電話も含め、デジカメは(これまでは)本を気にしていたわけではありませんが、画像を見るということに着目すれば、容易に読書端末に仕上げることができるのではないかと思ったのです」と語っている。



秀英明朝体を使った縦書き表示により、表示スペースの狭い携帯電話でも快適な読書が期待できそうだ
秀英明朝体を使った縦書き表示により、表示スペースの狭い携帯電話でも快適な読書が期待できそうだ

今回の“T-TimeのiPod photoへの対応”について、アップルコンピュータの広報部長の竹林 賢氏は、「iPodが、単なる携帯音楽プレーヤー以上の世界観を持っていることを多くのすぐれた経営者、技術者の方がお気づきになり、新たなソリューションを次々に展開していただいてることを、大変うれしく思っています」とコメントしている。

連続した画像を書き出すことにより擬似的な動画として見ることができる
連続した画像を書き出すことにより擬似的な動画として見ることができる。これはほかの機種でも可能ではあるが、iPod photoの場合はクリックホイールの操作感と相まって、本と映像の新たな融合を予見させるソリューションを生み出している。当然ながら、停止や巻き戻しも容易だ

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