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電子出版の老舗、ボイジャージャパンが電子本ビューアー『T-Time 5.5』と『azur1.5』を4月15日に発売


2005年3月15日

サービスは利用者/読者のみならず本の送り手へも!!

ここまでT-Timeの有用性について説明してきたが、実際に使ってみると“解決しなければならない”と感じる部分もある。
すべてのユーザーに重要な点が、“書き出せても読めないデバイスがある”ことが確認されているという点だ。これは携帯電話、デジタルカメラなどが当てはまり、メモリーカードに書き出すまではうまくいっても、各機種固有の読み出し方法の違いによって、ファイルを正しく認識できない機種があるためだ。萩野氏によれば「数多く存在するデバイスをすべてチェックできているわけではなく、検証および回避方法をβテスト中です。同時にβテストに1000人以上のユーザーが参加してくださっており、さまざまな報告や解決方法をご提案いただいています。本日、Windows版が出ればさらに多くのフィードバックが期待できます」と、解決への糸口を見出だしつつある現在の状況を説明している。

確認済み液晶デバイス(※3)について
携帯オーディオプレーヤー
iPod photo(アップルコンピュータ)
携帯ゲーム機
PSP(ソニー・コンピュータエンタテインメント)
携帯電話(メモリスロット付き)/NTTドコモグループ
SH506iC、SH901iC(シャープ)
P505is、P506iC、P900i(パナソニック モバイルコミュニケーションズ(株))
SO506iC(ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ(株))
携帯電話(メモリスロット付き)/auグループ
W22H、PENCK((株)日立製作所)
W21S(ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ)
W21T(※4)((株)東芝)
W31K(京セラ(株))
W21CA(カシオ日立モバイルコミュニケーションズ(株))
ボーダフォン(株)
V601SH(シャープ)
6630(Vodafone 702NK)(フィンランド ノキア社)
デジタルカメラ
Cyber-shot DSC-W1(ソニー)
EOS 20D(キヤノン)
LUMIX DMC-FX7(松下電器産業(株))
EXILIM EX-Z55、EX-Z57(カシオ計算機(株))
フォトストレージ
Photo Fine Player P-2000(セイコーエプソン(株))
※3 2005年3年15日現在、動作が確認されている機種

※4 miniSDから内蔵メモリのユーザフォルダへデータ移動する

確認済み液晶デバイスに関する情報が入手できたため、一覧表を追記しました(2005年3月16日)

電子文庫出版社会の“電子文庫パブリ”、凸版印刷(株)の“@irbitway”、(株)パピレスの“パピレス”、(株)モバイルブック・ジェーピーの“モバイルブック”、楽天(株)の“楽天市場”といったサービスプロバイダが市販しているドットブック(.book)は多数存在するが、これらの書き出しについても、現状ではサポートされない。この点を萩野氏は「各社には今後も理解を求めていきます。ただし、文芸社のように書き出しを了承している版元があり、ボイジャー理想書店、青空文庫なども同様に書き出しが可能です。また、光文社、徳間書店、学研、双葉社、祥伝社といったテキストで配信をしている場合も書き出しができることになります」と語っている。
また、書き出したファイルのセキュリティーについて萩野氏は「セキュリティーそのものに関わる部分なので、独自の透かし技術を採用しているとだけしかお伝えできない」としている。

読者のためのソリューションとして、ボイジャーの製品を紹介してきたが、同社はさらに電子出版を行なう側へのアクションもスタートしている。同社は電子出版全般に対して、ネット書店を介してのコンテンツを提供し、“ΣArchive(ΣBook)”、“T-break(Palm OS)”、Pocket PCなどのPDA(携帯情報端末)や“T-bridge(※5)”を通じてオンデマンド本を提供している。そして、今回の液晶ビューアーへの対応と読み手側へのサポートは充実してきた。萩野氏は

自律
これさえあれば自分がコントロールできる
変換
どのような状況においても転用・加工できる
永続
いつまでも生き残りうるもの

の3原則があると考えており、T-Timeはこれに則っています。また、共通のルールとして広範な認知と構造の視認性が高いHTMLをベースとしており、高価なツールやソフトを必要とせず、エディター(テキストエディター)だけでハンドリングできます。また、最小基準の拡張タグを公開しており(T-Time購入時に入手可)、編集者にとって扱いやすいものと言えます。しかし、誰もがこれらのツールを容易に扱えるわけではなく、書くことにエネルギーを投じている作家や年配の方などにとって、(情報や予備知識の差が)“電子化ストレス”となっています。ボイジャーはこの“電子化ストレス”への対応として“ePublish Support Center”により電子化のサポートサービスを開始します」と語った。

※5 T-bridge ドットブックのデータをそのまま印刷物に書き出すオンデマンド印刷サービス。出版社が許容できるクオリティを保つことができる。講談社、新潮社、筑摩書房、大日本印刷、ボイジャーが協力して推進し、ボイジャーがソフトウェアを開発した。

書き手側へのサポートとして、この夏に“ePublish Support Center”をスタート
読み手のサポートは充実した。次は書き手側へのサポートとして、この夏に“ePublish Support Center”をスタートする。TTXから.bookへの変換作業は1000円。テキストデータやWordファイルからの変換は2000円。画像データの処理は1点200円。カスタマイズは別途見積もりとなる

最後に、萩野氏にT-Timeのワールドワイドへの展開の可能性についてうかがったところ、「そうした可能性はあると思いますが、日本語の世界でここまでこぎつけるのに10年かかっていますので、新たに英語での展開というのはそう簡単ではないと思います。とはいっても、米国ボイジャーの元メンバーとも密に連携していますので、そうした協力や、場合によってはほかのソフトウェア企業との連携で実現できるかもしれません。いずれにしても、T-Timeで(利用者や版元を)囲い込もうという考えを我々は一切持っていませんので、そうした協調の中からいい方向性が見いだせると思います」と語った。

●T-Time β版(Mac OS X版)によるデモ

T-Time 5.5で.book形式の『戯作三昧/芥川龍之介』を表示
(1) T-Time 5.5で.book形式の『戯作三昧/芥川龍之介』を表示する
“メモリースロット付き携帯電話(フルスクリーン)”表示に切り替える
(2) “表示”から“表示モード”を選択し、“標準(可変ウィンドウ)”表示から“メモリースロット付き携帯電話(フルスクリーン)”表示に切り替える
メモリースロット付き携帯電話(フルスクリーン)で表示された
(3) メモリースロット付き携帯電話(フルスクリーン)で表示された
USB経由で接続したカードリーダーに携帯電話のメモリーカードを接続して認識させる
(4) USB経由で接続したカードリーダーに携帯電話のメモリーカードを接続して認識させる手順。まず“ファイル”から“書き出し”を選ぶ
書き出し先を選択し、“書き出し”ボタンをクリック
(5) 書き出しのダイアログが表示されたら、書き出し先(この場合は“自動(DCIM、Image、PHOTOフォルダーを検索)”)を選択し、“書き出し”ボタンをクリックすると、書き出しがスタートする(試用版は10ページまでに制限されている)
メモリーカード内にJPEG形式で書き出されたファイルが保存される
(6) メモリーカード内にJPEG形式で書き出されたファイルが保存される。合計159ページで約4.9MB
表紙のJPEGファイルを開いてみる
(7) 表紙のJPEGファイルを開いてみる。T-Timeに表示されたものと寸分違わないものに書き出されている
カードリーダーから抜き出したminiSDカードを携帯電話のメモリースロットに差し込んで、携帯電話の画像ビューアーで見る
(8) カードリーダーから抜き出したminiSDカードを携帯電話のメモリースロットに差し込んで、携帯電話の画像ビューアーで見てみる。これでビューアーに従って『戯作三昧/芥川龍之介』を読むことができる。筆者の携帯電話でテストを行なったところ、エヌ・ティ・ティ・ドコモの『FOMA P900i』では問題なく表示できたが、同じ『FOMA P2102V』では表示、認識ともにできなかった

(千葉英寿)


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