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マイクロソフト、プログラミング言語“C#”がJIS規格に制定と発表――標準規格化でC#の採用拡大を狙う


2005年3月22日
C#のJIS規格化の概要について説明する、情報処理学会 情報規格調査会の三田真弓氏
C#のJIS規格化の概要について説明する、情報処理学会 情報規格調査会の三田真弓氏
『Microsoft Visual C# .NET Standard 2003』のパッケージ
『Microsoft Visual C# .NET Standard 2003』のパッケージ

マイクロソフト(株)は22日、同社が開発したオブジェクト指向プログラミング言語“C#(シイ シャープ)”が、標準プログラミング言語として日本工業規格(JIS:Japan Industrial Standard)に“JIS X 3015 プログラミング言語C#”として制定、公示されたと発表した。

C#とはC言語やC++などをベースにマイクロソフトが開発したプログラミング言語で、主に同社のアプリケーション実行環境“.NET Framework”用のアプリケーション開発に利用される。C++を元に、タイプセーフ(変数の型保証)やJavaで採用されたガベージコレクションといった機能を追加している。Java同様にOSやハードウェア依存を避ける中間言語方式を採用し、C#で開発されたプログラムは“CLI(Common Language Infrastructure)”と呼ばれる実行環境上でネイティブコードに翻訳・実行される。C#を利用するプラグラム開発ツールとしては、『Visual C# .NET Standard 2003』や統合開発環境『Visual Studio .NET 2003』(Visual C# .NETを含む)などがある。同社ではC#を現在および将来の主力開発言語に位置づけていて、その普及に努めている。今回のJISによる規格化も、その一環と言えよう。

C#のJIS規格化では、(社)情報処理学会の規格部門、情報規格調査会の“C#言語仕様JIS原案作成専門委員会”により原案作成が行なわれた。同調査会の三田真弓氏によると、今回の規格はまず米マイクロソフト社、米ヒューレット・パッカード社、米インテル社が共同で、欧州の情報通信に関する標準化機関“ECMA International(European Computer Manufacturer Association:エクマ)”に提案、2001年に規格化された“ECMA-334”が元になっている。ECMA-334を元に、国際標準化機関“ISO(International Organization for Standardization)”が、2003年に“ISO/IEC 23270”としてC#を標準規格として制定。さらにこのISO/IEC 23270を日本語訳化してJIS標準として制定されたのが、今回のJIS X 3015である。ISOでの規格制定は時間がかかると言われるが、C#については“迅速化手段”と呼ばれる方法を用いて、ECMAの規格を元に比較的短期間でISO規格として発行された。C#言語仕様JIS原案作成専門委員会 委員長の黒川利明氏は、今回のJIS規格化は単なる翻訳だけでなく、ECMA規格の時点で存在したバグなども修正された、信頼性の高い最新版となっているとした。

ユーモアを交えながら“C#”について語る、情報規格調査会 C#言語仕様JIS原案作成専門委員会 委員長の黒川利明氏
ユーモアを交えながら“C#”について語る、情報規格調査会 C#言語仕様JIS原案作成専門委員会 委員長の黒川利明氏

今回の発表はあくまで“C#がJIS規格として制定された”というだけで、これによってC#に何か新しい機能が追加されたり、新しい製品が登場するというわけではない。また規格化が直接マイクロソフトに利益をもたらすわけでもない。しかし言語仕様自体が国際的規格や国内の標準規格として制定されことで、規格自体のいわば信用が高まり、C#の使用を促進するといった効果は期待できる。マイクロソフト デベロッパーマーケティング本部 プロダクトマーケティング部 部長の北川裕泰氏は、同社にとってのC#規格化の意義について、「マイクロソフトは相互運用性を重視していて、国際規格となることにより、相互運用性が促進されるという意味がある」と述べた。またこれによって、ECMAで標準化されているCLIの国内での標準化も促進され、日本のさまざまなデバイス上でC#の広がりが期待できるとした。一方で黒川氏はC#の規格化について、「私個人としてはJavaのリターンマッチ」と述べて笑いを誘った。というのも、Javaは一度ECMAでの規格化が検討されながら、Javaの開発元である米サン・マイクロシステムズ社の意向により、提案が取り下げられ規格化されなかったという経緯がある。黒川氏によると、ECMAでのJavaの標準化委員会で、一部委員から“C++ベースでJava相当のものを標準化するのはどうか”という話が出たことがあったとのことで、C#はまさにそれに当たるわけだ。

同社はプレスリリースにて、電気通信大学で2005年度より、C#の講義が導入されると発表した。北川氏はC#のJIS規格化により、こうした教育機関や国の機関でのC#の採用増加も期待されると述べた。



(編集部 小西利明)


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