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アドビ システムズ、クリエイティブ・プロ向けスイート『Adobe Creative Suite 2』を発表


2005年6月7日

デザインワークフローのHubとして、よりアプリ間の連携を強化

アドビ システムズ(株)は7日、デザイン・プロフェッショナル向けの統合制作環境である『Adobe Creative Suite』の最新版として『Adobe Creative Suite 2日本語版』(以下ACS2)を発表した。今秋、米本社が米マクロメディア(Macromedia)社を統合することを発表済み(現地時間4月18日のニュースリリース)の同社にとって、大きな変化を前にした“最も大きな製品リリース”であり、成熟したデザイン・スイートの登場だ。

『Adobe Creative Suite 2 Premium 日本語版』のパッケージ
『Adobe Creative Suite 2 Premium 日本語版』のパッケージ

ACSは、

  • 画像編集作成ソフト“Adobe Photoshop(アドビ フォトショップ)”
  • ベクターイメージ作成ソフト“Adobe Illustrator(アドビ イラストレーター)”
  • ページレイアウトソフト“Adobe InDesign(アドビ インデザイン)”
  • ウェブサイト作成ソフト“Adobe GoLive(アドビ ゴーライブ)”
  • PDFファイル作成ソフト“Adobe Acrobat(アドビ アクロバット)”

という出版・印刷、ウェブサイト、モバイルコンテンツといった各種メディアを制作するためのアプリケーションを1つの“デザイン・スイート(制作向け統合アプリケーション群)”としてまとめたものだ。最新バージョンのACS2では、各アプリケーションを強力に連携させる上で重要な役割を果たす『Adobe Bridge(アドビ ブリッジ)』、『Adobe Stock Photos(アドビ ストックフォト)』、『Adobe Version CUE(アドビ バージョンキュー) CS2』といった独自の新規ツールを備えているのが特徴。本日から同社直販サイト“アドビストア”で予約受付を開始し、7月上旬に発売開始となる。

同時にACS2を構成するアプリケーションも、『Adobe Photoshop CS2日本語版』、『Adobe Illustrator CS2日本語版』、『Adobe InDesign CS2日本語版』、『Adobe GoLive CS2日本語版』、『Adobe InCopy CS2日本語版』として単体で販売される。

『Adobe Creative Suite 2 Standard 日本語版』のパッケージ
『Adobe Creative Suite 2 Standard 日本語版』のパッケージ

各パッケージの名称/製品構成とアドビストアでの販売価格は以下のとおり。

Adobe Creative Suite 2 Premium 日本語版(Windows版/Macintosh版)
構成製品
Adobe InDesign CS2日本語版、Adobe Photoshop CS2日本語版、Adobe Illustrator CS2日本語版、Adobe GoLive CS2日本語版、Adobe Acrobat 7.0 Professional日本語版、Adobe Version CUE CS2日本語版、Adobe Bridge、Adobe Stock Photos、Help Center(Adobe InCopy CS2日本語版は含まず)
通常版
19万7400円
アップグレード版
13万4400円(アップグレード対象ユーザはAdobe Photoshop CS以前の日本語版ユーザ)
アップグレード版
8万6940円(アップグレード対象ユーザはAdobe Creative Suite Premium日本語版ユーザ)
アップグレード版
7万1400円(アップグレード対象ユーザはAdobe Creative Suite Premium 1.3 日本語版ユーザ)
アカデミック版
7万3290円
Adobe Creative Suite 2 Standard 日本語版(Windows版/Macintosh版)
構成製品
Adobe InDesign CS2日本語版、Adobe Photoshop CS2日本語版、Adobe Illustrator CS2日本語版、Adobe Version CUE CS2日本語版、Adobe Bridge、Adobe Stock Photos、Help Center(Adobe InCopy CS2日本語版は含まず)
通常版
15万5400円
アップグレード版
10万2900円(アップグレード対象ユーザはAdobe Photoshop CS以前の日本語版ユーザ)
アップグレード版
6万900円(アップグレード対象ユーザはAdobe Creative Suite Standard 日本語版ユーザ)
Adobe Photoshop CS2日本語版(Windows版/Macintosh版)
通常版
9万2400円
アップグレード版
2万6250円(アップグレード対象ユーザはAdobe Photoshop CS以前の日本語版ユーザ)
アカデミック版
4万1790円
Adobe InDesign CS2日本語版(Windows版/Macintosh版)
通常版
9万2400円
アップグレード版
2万6250円(アップグレード対象ユーザはAdobe InDesign CS以前の日本語版ユーザ)
特別提供版
6万8250円(特別提供対象ユーザはAdobe PageMaker 7.0以前の日本語版ユーザ)
アカデミック版
3万1290円
Adobe Illustrator CS2日本語版(Windows版/Macintosh版)
通常版
8万3475円
アップグレード版
2万6250円(アップグレード対象ユーザはAdobe Illustrator CS以前の日本語版ユーザ)
アカデミック版
2万9400円
Adobe GoLive CS2日本語版(Windows版/Macintosh版)
通常版
2万6040円
アップグレード版
1万2705円(アップグレード対象ユーザはAdobe GoLive CS以前の日本語版ユーザ)
アカデミック版
9660円
Adobe InCopy CS2日本語版(Windows版/Macintosh版)
通常版
2万790円
アカデミック版
9345円


●スイートとしての価値を高める“連携”ツール

Adobe Bridgeのウィンドウ
Adobe Bridgeのウィンドウには、画像プレビューのほか、ナビゲーションや画像の情報なども表示する。プレビュー表示には、スライダーでサイズ調整でき、サムネール表示、フィルムストリップ表示、詳細表示、バージョンおよび代替案表示に切り替えができる

『Adobe Bridge』は、各アプリケーション間の連携を強化し、デザイン・ワークフローのHubとしての役割を果たす。特に“ビジュアルファイルブラウザー”は、その名が示すとおり、前バージョン(Adobe Photoshop CS)で好評を得ていた“ファイルブラウザー”を進化させたもので、個人向け画像管理ソフト『Adobe Photoshop Album』で採用したスライダー表示のGUI(ユーザーインターフェース)を採用し、画像やレイアウト、動画といったクリエイターが過去に作成してきた情報資産の管理/検索/プレビューを直感的に操作できる便利なツールだ。

Photoshopとの連携はもちろん、Illustrator、InDesign、GoLiveといった各アプリケーションからアクセスでき、デザイン作業の生産性向上を高められるという。また、複数のCamera Rawファイル(デジタルカメラで記録したRAWデータ)に対して画像の補正、切り抜き、加工処理を同時に行なうことができ、制作現場で大量の画像を扱う場合に役立つとしている。

Adobe Stock Photos
Adobe Stock Photosで見つけた画像は、低解像度版をカンプ(レイアウト用素材)として使用することができ、最終的に印刷などで使用する画像の高解像度画像のみをダウンロード購入することができる

アドビが新規のオンラインビジネスとして立ち上げる画像素材配信サービス“Adobe Stock Photos”もAdobe Bridgeから利用でき、ストックフォト上の画像を閲覧、試用、購入、管理が行なえる。ストックフォトには日本の(株)アマナをはじめ、米国のストックフォトプロバイダーなどが参入しており、デザイン・プロフェッショナルにとっても即戦力となるだろう。今後、Adobe Stock Photosには、ヨーロッパやアジア諸国のストックフォトプロバイダーも加わる予定だという。

ACS2は、2003年12月に発表した最初のバージョンである『Adobe Creative Suite』から、各アプリケーションを連携させることで作業効率化をはかるべく、さまざまな工夫を施してきた。そのひとつが作業工程において発生するファイルのバージョンを徹底して管理し、グループワークの多いデザインのワークフローを革新したAdobe Version CUEだ。今回、『Adobe Version CUE CS2日本語版』として、さらなる機能強化を果たし、より直感的で視覚的な操作が可能になり、堅固性も向上している。“連携ツール同士”も相互連携がはかられており、Adobe BridgeからVersion CUE CS2へとダイレクトにアクセスし、ファイルバージョンの切り替えも可能となっている。

日本語版独自の機能として、“SING(Smart Independent Glyphlets)”での外字環境を実現する『SING外字ソリューション』をサポートした。SING外字ソリューションはIllustrator CS2のグリフレット作成、グリフレット管理ツール、InDesign CS2およびInCopy CS2でのSING機能の活用などを実現する。



ACS2の動作環境は以下のとおり。

Macintosh版

  • PowerPC G4、G5プロセッサー
  • Mac OS X v.10.2.8〜10.3.8(10.3.4〜10.3.8を推奨、PowerPC G5ではMac OS X10.3以上が必要)およびJava Runtime Environment 1.4.1
  • メモリー384MB以上(アプリケーション1つ+Adobe Bridge+Version CUE使用時、複数アプリケーション使用時には512MB〜1GBを推奨)
  • HDD(全アプリケーションのインストール時) 4GB以上(Premium)、もしくは3GB以上(Standard)
  • プロダクトアクティベーション(ライセンス認証)のためにインターネット接続または電話回線

Windows版

  • Pentium IIIまたはPentium 4クラスのCPU
  • Microsoft Windows 2000(SP4以降)/XP(SP1以降)
  • メモリー384MB以上(アプリケーション1つ+Adobe Bridge+Version CUE使用時、複数アプリケーション使用時には512MB〜1GBを推奨)
  • HDD(全アプリケーションのインストール時) 3GB以上(Premium)、もしくは2GB以上(Standard)
  • プロダクトアクティベーション(ライセンス認証)のためにインターネット接続または電話回線


Adobe Photoshop CS2/Illustrator CS2/InDesign CS2など、各製品の特徴

●Adobe Photoshop CS2

『Adobe Photoshop CS2』のパッケージ
『Adobe Photoshop CS2』のパッケージ

アドビの代名詞的製品である“Adobe Photoshopシリーズ”のフラッグシップ、Adobe Photoshop CSも今回メジャーアップグレードとなった。最新のAdobe Photoshop CS2にはデザインワークの新機能として、遠近感のある(パースの付いた)画像に対して自然な画像編集を行なえる“Vanishing Point(バニッシングポイント)”、画像の品質を保ったまま、拡大/縮小/変形ができる“スマートオブジェクト”、カンバス上で直接ライブ変形ができる“画像のワープ”などの機能が加わった。

Vanishing Point1
Vanishing Point2
Vanishing Pointで遠近感のある画像も違和感なく編集できる

また、フォトグラファー向けの新機能としては、複数のCamera Rawファイルの一括処理のほか、カラーノイズを目立たなくする修正機能“ノイズを低減”、32bit HDR(ハイダイナミックレンジ)対応による超多階調編集機能“HDRに統合”、一般的なブレ写真を補正する“スマートシャープ”などが新たに用意されている。

そのほか、すでに個人向けのPhotoshop製品に搭載されていた“スポット修復ブラシ”、“赤目修正ツール”、“アニメーション”なども高機能化して追加されている。



●Adobe Illustrator CS2

『Adobe Illustrator CS2』のパッケージ
『Adobe Illustrator CS2』のパッケージ

Illustrator CS2はベクターグラフィックスという従来の枠を超えたデザイン機能の強化が中心となっている。“ライブトレース”はラスター画像を取り込んでワンクリックで手描き風のベクター・アートワークに変換する機能。“ライブペイント”はベクターデータに変換したアートワークに対して、直感的に色付けできる。これらを連携すれば、既存の写真や素材から、オリジナリティのあるアートワークを作り出すことができる。

ライブトレース1
ライブトレース2
ライブトレースでカラー画像をIllustrator CS2に取り込み、ベクター・アートワークとして編集することができる

このほか、Photosop CS2のフィルターギャラリー(画像加工のライブラリー群)を直接呼び出し、ベクター・アートワークやラスター画像に、“フレスコ”や“ぼかし”などのさまざまな効果やフィルターを適用できる。また、タイポグラフィ機能では、強調する効果としてよく使われる“下線”と“打ち消し線”の機能を追加し、表現力を高めているという。

携帯電話などのモバイルデバイス向けのグラフィックス機能も強化された。最新のSVG(Scalable Vector Graphics) 1.1形式をサポートし、テキストやアートワーク、ブレンドによって描画した3DオブジェクトなどをMacromedia Flash(SWF)形式のアニメーションファイルに書き出す機能が追加された。



●Adobe InDesign CS2、Adobe InCopy CS2

『Adobe InDesign CS2』のパッケージ
『Adobe InDesign CS2』のパッケージ
『Adobe InCopy CS2』のパッケージ
『Adobe InCopy CS2』のパッケージ

パブリッシング(出版・印刷)市場において急速にシェアを拡大しているInDesign CS2は、従来製品から大きな変更は加えられていないが、プロフェッショナルライター向けのライティングツールとして、今回国内初リリースとなるInCopy CS2と連携し、複数ユーザでの共同ページ編集を実現するなど、パブリッシングプラットフォームソリューションとしての新たな編集ワークフローを実現している。

Adobe Bridgeとの連携で素材を管理
Adobe Bridgeとの連携で素材を管理することで、InDesign CS2での作業が効率化される

新機能としては、作成したオブジェクトを“フォーマット(テンプレート)”として登録し、ほかのオブジェクトに適用できる“オブジェクトスタイル”機能や、Adobe Bridgeと連携して素材の管理/再利用/共有などにかかる時間を大幅に短縮できる“InDesginスニペット”などが挙げられる。



●Adobe GoLive CS2

『Adobe GoLive CS2』のパッケージ
『Adobe GoLive CS2』のパッケージ

数あるウェブデザインツールの中でも、直感的なビジュアルオーサリング環境を提供していると言えるのがGoLive CS2だ。画像やテキスト素材を直線的に配置する目安となる“レイアウトグリッド”がCSS(Cascading Style Sheet)ベースとなり、より扱いやすいものになった。

GoLive CS2ではモバイルコンテンツのオーサリングが強化された
GoLive CS2ではモバイルコンテンツのオーサリングが強化された

また、ノルウェーOpera Software社のレンダリングエンジンによるSSR(Small Screen Rendering)サポート、(株)アクセス(ACCESS)の携帯電話向けサイトプレビュー機能“NetFront Mobile Content Viewer”の搭載、さらにCSS/XHTML/SMIL/SVG-T/MPEG-4/3GPPといった携帯電話で採用されるページ記述形式をサポートし、iモードサイト向けの“PDFタグ”の埋め込みにも対応するなど、オープンスタンダードに準拠したモバイルコンテンツ制作機能を提供している。

(千葉英寿)




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