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インテル、ソフトウェア開発ツール“インテル コンパイラ バージョン 9.0”シリーズを発表――マルチスレッドアプリケーションのパフォーマンス向上を実現


2005年6月15日
Windows版インテル C++コンパイラ 9.0
Windows版インテル C++コンパイラ 9.0
Windows版インテル Visual Fortranコンパイラ 9.0 プロフェッショナル・エディション
Windows版インテル Visual Fortranコンパイラ 9.0 プロフェッショナル・エディション
“インテル コンパイラ バージョン 9.0”シリーズ

インテル(株)は15日、ソフトウェア開発ツール“インテル コンパイラ バージョン 9.0”シリーズを発表した。販売はエクセルソフト(株)が行ない、出荷開始は21日。Windows版とLinux版が用意され、製品ラインナップと価格は以下のとおり。

     
  • Windows版インテル C++コンパイラ 9.0:6万4260円
  •  
  • Linux版インテル C++コンパイラ 9.0:6万4260円
  •  
  • Windows版インテル Visual Fortranコンパイラ 9.0 スタンダード・エディション:7万5915円
  •  
  • Windows版インテル Visual Fortranコンパイラ 9.0 プロフェッショナル・エディション:19万5825円
  •  
  • Linux版インテル Fortranコンパイラ 9.0:10万3845円

インテル エンタープライズ&ネットワーク ソリューションズ本部 エンタープライズ テクノロジ エバンジェリストの菅原清文氏
インテル エンタープライズ&ネットワーク ソリューションズ本部 エンタープライズ テクノロジ エバンジェリストの菅原清文氏

同日開催された報道関係者向けの説明会にて、同社エンタープライズ&ネットワーク ソリューションズ本部 エンタープライズ テクノロジ エバンジェリストの菅原清文氏は、Intel 486(80486)以降CPUが進化して新しいアーキテクチャーや命令セットが実装されていくにつれて、同社のソフトウェア開発ツールが進化してきたことを説明。次の世代に来る技術として、「デュアルコア〜マルチコアCPUに対応したソフトウェア開発を促進するために、今回の9.0をリリースする」と述べた。ちなみに現在同社がリリースしているソフトウェア開発ツールは、コンパイラーやパフォーマンス解析ソフトなども含めて、20種類以上にものぼっている。

今回の9.0の特徴は主に4点ある。まずマルチスレッドアプリケーションサポートの強化により、デュアル〜マルチコアCPU向けアプリケーションの開発を促進する。またコンパイルにかかる処理時間も短縮。菅原氏によれば、「9.0β版利用者によれば、Cのソースコードで約3倍ほどコンパイル時間が早くなった」という。さらに対応CPUアーキテクチャーも拡張され、IA-32系(Pentium 4、Pentium M、Celeronなど)やIA-64系(Itanium 2)に加えて、IA-32系CPUの64bit拡張技術“インテル エクステンデッド・メモリ64テクノロジ”(EM64T)も加わり、さらに組み込み機器向けCPU“Intel XScaleマイクロ・アーキテクチャ”向けのプログラムも開発可能である(XScaleはC++のみ)。1つのパッケージで複数プラットフォームにまたがるアプリケーション開発が可能である。さらに日本ヒューレット・パッカード(株)のFortran言語開発ツール“Compaq Visual Fortran”(CVF)の販売終了と、Visual Fortranシリーズのインテルへの移管により、Fortranコンパイラ 9.0はVisual Fortranシリーズの後継製品となった。既存のCVFユーザーは、最大割引で通常価格の60%の価格でFortranコンパイラ 9.0へとアップグレードが可能になる。



コンパイラ 9.0シリーズの主な特徴
コンパイラ 9.0シリーズの主な特徴
インテルのソフトウェア開発ツールが対応するCPUアーキテクチャーとOSの対応表。上の行2つが今回発表されたコンパイラ 9.0
インテルのソフトウェア開発ツールが対応するCPUアーキテクチャーとOSの対応表。上の行2つが今回発表されたコンパイラ 9.0

マルチスレッド対応の強化について菅原氏は、旧バージョンの8.1が、業界標準の並列処理向けAPI“OpenMP”のバージョン2.0ベースのサポートだったのに対し、コンパイラ 9.0では最新の“2.5+”の機能をサポートするとした。+に当たる部分は、OpenMP 3.0の機能を一部先取りしてサポートしている点にあるという。これについて菅原氏は、「現在のスレッディングのレベルは、(プログラムの)ループ内のスレッディングのサポートだが、もっと大きく関数レベルのスレッディング機能もサポートされている」とし、よりマルチスレッドに最適化されたアプリケーションの開発が可能になったとした。また最適化処理の解釈を変更し、従来ではパフォーマンスが向上しなかった部分でも、パフォーマンス向上が可能になったと言う。さらにセキュリティー面の機能改善として、セキュリティーホールの原因となるバッファー・オーバーランを防ぐオプションが、Linux版でもサポートされた。そのほかにもデバッグ機能の改善として、デバッグ用と配布用のビルドを別々に作成することなく、配布用ビルドでもデバッグに必要な情報を別途同時に作成することで、配布ビルドをデバッグに利用可能になった。

コンパイラ 9.0シリーズは、マイクロソフト(株)のWindows向け統合開発環境“Visual Studio .NET 2003”のプラグインとしても機能し、Visual Studio標準コンパイラではできない最適化設定が追加されている。また現在マイクロソフトがβ2版を公開している次世代開発環境“Visual Studio .NET 2005”でも、統合して動作する方向であるとした。Linux版はオープンソース統合開発環境“Eclipse 3.0”にも対応する(Itanium版は未対応)。

(編集部 小西利明)


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