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カノープス、HDハンディカムの発売に合わせて、HDV対応ビデオ編集ソフト『EDIUS 3 for HDV』の説明会を開催――Pentium D 830でリアルタイムでの変換キャプチャーを実現


2005年7月6日
HDV1080i方式のビデオ映像編集に対応した『EDIUS 3 for HDV』

カノープス(株)は6日、東京都中央区の同社東京本部にて、7日発売予定のHDV対応ノンリニアビデオ編集ソフト『EDIUS 3 for HDV』(価格は3万1290円)の説明会を開催した。7日にはソニー(株)の1080iのハイビジョン録画に対応するハンディカム『HDR-HC1』も発売されるなど、ハイビジョンビデオ撮影・編集の世界が一気に盛り上がることになる。

ハイビジョンハンディカム『HDR-HC1』を使ったEDIUS 3 for HDVのデモマシン
ハイビジョンハンディカム『HDR-HC1』を使ったEDIUS 3 for HDVのデモマシン

ハイビジョン映像録画を可能としつつ、価格やサイズなどをコンシューマーユースレベルに収めたHDR-HC1の登場は、ハイビジョン映像編集を盛り上げるものとして、発売前から話題を呼んでいる。その流れを受けて、プロフェッショナルユースからコンシューマー向けまでさまざまなビデオ編集ソリューションを手がけるカノープスが、いち早く動いた。HDR-HC1と発売日を合わせて投入されるEDIUS 3 for HDVは、同社のプロ向けノンリニアビデオ編集システムに使われていたビデオ編集ソフト『EDIUS Pro 3』をベースに、HDV映像を素材としたビデオ編集に特化した製品である。

カノープス VP企画マーケティング室 部長の伊藤祐二氏
カノープス VP企画マーケティング室 部長の伊藤祐二氏

説明会の冒頭では、同社VP企画マーケティング室 部長の伊藤祐二氏により、同社のハイビジョン映像編集についてのこれまでの取り組みについての説明が行なわれた。伊藤氏は従来の同社のハイビジョン編集ソリューションが、2003年に始まった地上デジタル放送対応のため、放送局などプロユース向けにフォーカスしていたと述べた。しかしPentium DなどのデュアルコアCPUと、HDR-HC1などの登場により環境が整ったとし、「ここで(製品を)打つしかない」というグッドタイミングに合わせて、製品をリリースすると述べた。今回のEDIUS 3 for HDVでは、一般的なミニDVテープにMPEG-2映像を録画できる“HDV”方式で記録された、720pや1080iで録画されたビデオ映像のキャプチャーに対応する。キャプチャーから編集まで、すべてソフトウェアベースで処理するため、映像取り込み用のIEEE 1394端子(PHCI対応)以外に、特殊なハードウェアは必要としない。ただしCPUパワーはそれなりに必要で、ハイビジョン編集時の動作環境はPentium 4-3GHz以上と既定されている。

プロ向けのノンリニア編集システム“HDWS”シリーズで使われたノンリニアビデオ編集ソフト『ERIUS Pro 3』が、EDIUS 3 for HDVのベースとなっている
プロ向けのノンリニア編集システム“HDWS”シリーズで使われたノンリニアビデオ編集ソフト『ERIUS Pro 3』が、EDIUS 3 for HDVのベースとなっている

EDIUS 3 for HDVでは、映像取り込み時にHDV方式の映像を、ノンリニア編集に適したフレーム間圧縮方式の“Canopus HQ Software Codec”にリアルタイム変換しながらキャプチャーする(HDV方式のままでの取り込みや、取り込み後のHQ方式への変換も可能)。これによってPentium 4-3GHzクラスのCPUを搭載するパソコンでも、ハイビジョン品質のノンリニアビデオ編集を可能としている。さらに縦横比16:9のHDV方式映像だけでなく、従来の縦横比4:3のDV映像やMPEG-1/2映像が混在した映像を編集することも可能である。説明会で披露されたデモでは、HDV方式映像とDV映像を1本のビデオにまとめ、映像のつなぎめにトランジション(映像の切り替えをスムーズに見せる特殊効果)を加えたり、4:3映像から一部を切り出して16:9映像として編集するといった処理を実演してみせた。操作も簡単で、タイムラインに並べた2つのビデオ映像のつなぎめにかけたいトランジションを選ぶだけで、直ちに画面上でその効果を確認できる。作成した映像はビデオカメラに転送してHDV形式でミニDVテープに記録したり、DVDビデオやWindows Media Video形式ビデオファイルとして出力することも可能だ。

EDIUS 3 for HDVの特徴その1。編集に適したCanopus HQ方式でのリアルタイムキャプチャーが可能。HQ方式では1分の映像が1GB程度になるので、編集用に大容量のHDDが欠かせない
EDIUS 3 for HDVの特徴その1。編集に適したCanopus HQ方式でのリアルタイムキャプチャーが可能。HQ方式では1分の映像が1GB程度になるので、編集用に大容量のHDDが欠かせない
HDV方式とDVやMPEG-2の映像をミックスした映像を作れるので、既存のビデオソースも有効活用できるとしている
HDV方式とDVやMPEG-2の映像をミックスした映像を作れるので、既存のビデオソースも有効活用できるとしている

今回の説明会で注目されたのは、EDIUS 3 for HDVとインテル(株)のデュアルコアCPU“Pentium D”との親和性の高さを大きくアピールしていた点だ。EDIUS 3 for HDVの場合、ソフト全体がマルチスレッド対応化されていて、HDV映像をHQ方式でキャプチャーする際には、高クロック周波数のシングルコアPentium 4よりも低いCPU負荷でのキャプチャーが可能だと言う。ビデオ編集・変換系のソフトはマルチスレッド化により、デュアルコアCPUやデュアルプロセッサーシステムでのパフォーマンスが大きく向上すると言われており、EDIUS 3 for HDVでもそうした最新CPUアーキテクチャーに対応している点をアピールした形だ。インテルからゲストとして登場したチャネル事業本部チャネル営業部 統括部長の茂手木真治氏は、Pentium DがこうしたデジタルAVコンテンツ制作に優れた性能を発揮するとして、オーディオやビデオの変換作業に要する時間をシングルコアCPUと比較した表を示して、デュアルコアCPUの有利さを強調した。もっともEDIUS 3 for HDV自体は特にPentium Dだけに最適化されているというわけではなく、他社のデュアルコアCPU(もちろんAMDのAthlon 64 X2やOpteronのこと)でも機能する。

Pentium D 830-3GHzとHT対応Pentium 4 650-3.40GHzでの、HQ方式キャプチャー時のCPU負荷の違い。写真では分かりにくいが、約16%ほどPentium Dの方がCPU使用率が低い
Pentium D 830-3GHzとHT対応Pentium 4 650-3.40GHzでの、HQ方式キャプチャー時のCPU負荷の違い。写真では分かりにくいが、約16%ほどPentium Dの方がCPU使用率が低い
インテル 茂手木氏が示したPentium D搭載パソコンとシングルコアCPU搭載パソコンによる、コンテンツクリエーション系アプリケーションのパフォーマンス比較表。負荷の高いビデオ変換系の処理を高速にこなせるとしている
インテル 茂手木氏が示したPentium D搭載パソコンとシングルコアCPU搭載パソコンによる、コンテンツクリエーション系アプリケーションのパフォーマンス比較表。負荷の高いビデオ変換系の処理を高速にこなせるとしている

HDR-HC1自体が最近のDVビデオカメラと比較すると高めで、ソフトウェア自体の価格も3万1290円とそれなりにするので、“誰もが気軽にハイビジョン編集”とまでは言いにくい。しかしビデオカメラだけでなく使いやすくパフォーマンスも高い編集ソフトも登場してきたことで、ハイビジョンビデオ編集がどんどん身近な世界に近づいているのは確かと言えよう。

参考出品されていた、EDIUS 3 for HDVをベースにしたプロ向けノンリニア編集システム“EDIUS TOWER”。Pentium D 830を搭載している
参考出品されていた、EDIUS 3 for HDVをベースにしたプロ向けノンリニア編集システム“EDIUS TOWER”。Pentium D 830を搭載している

(編集部 小西利明)


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