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アドビ システムズ、入門者向け画像編集ソフト『Photoshop Elements 4.0』およびビデオ編集ソフト『Premiere Elements 2.0』を発表

2005年09月28日 13時26分更新

文● 編集部 佐久間康仁

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『Adobe Photoshop Elements 4.0 plus Premiere Elements 2.0 日本語版』のパッケージ
『Adobe Photoshop Elements 4.0 plus Premiere Elements 2.0 日本語版』のパッケージ

アドビ システムズ(株)は28日、入門者向け画像編集ソフト『Adobe Photoshop Elements(アドビ フォトショップ エレメンツ) 4.0 日本語版』と同じく入門者向けのビデオ編集ソフト『Adobe Premiere Elements(アドビ プレミア エレメンツ) 2.0 日本語版』を10月下旬以降に順次発売すると発表した。同社直販サイト“アドビストア”では本日より予約受付を開始しており、店頭を含む出荷開始時期はPhotoshop Elements 4.0が10月下旬、Premiere Elements 2.0が11月中旬、両製品を1パッケージにまとめた『Adobe Photoshop Elements 4.0 plus Premiere Elements 2.0 日本語版』も11月中旬を予定している。価格はオープンプライスで、アドビストアでの直販価格は以下のとおり。



Photoshop Elements 4/Premiere Elements 2

通常版
各1万4490円
乗換え/アップグレード版
各1万290円
アカデミック版
各7140円

Photoshop Elements 4.0 plus Premiere Elements 2.0

通常版
2万790円
乗換え/アップグレード版
1万5540円
アカデミック版
1万290円

Photoshop ElementsとPremiere Elementsは、2004年10月5日に前製品(Photoshop Elements 3.0とPremiere Elements)を発売して以来、ほぼ1年ぶりのバージョンアップとなる。同社ではバージョンアップの理由について、携帯電話やデジタルカメラなどで動画を撮影する機会が増えたこと、撮影した画像をカメラ店などの店頭にあるプリントキヨスクなどで手軽に印刷するという“出力へのニーズ”が増えていること、などを挙げている。同社の分析では、Photoshop Elementsの従来ユーザーは画像編集する操作そのものを楽しんだり、凝った写真/画像編集を行ないたいという方が多かったが、今はカスタマー(ユーザー)が多様化して、写真そのものを楽しみたい、もっと手軽に“失敗写真”を修整したい、といったニーズが増えていると判断し、それに見合う機能強化を行なったとしている。

『Adobe Photoshop Elements 4.0 日本語版』
『Adobe Photoshop Elements 4.0 日本語版』

Photoshop Elements 4.0では、新たに“マジック選択ブラシ”“マジック抽出”という2つの写真合成に便利な機能を追加した。マジック選択ブラシは、残したい被写体以外の“背景にあたる部分”をペン状のカーソルでなぞると自動的に背景と被写体の境目を検出して、被写体のみをほぼ正確に範囲選択するというもの。テクスチャー(模様)やカラー(色情報)の連続性を見ながら判定するため、従来の“自動選択ブラシ”(これは色の連続性のみで判断)に比べてより正確な範囲選択が可能になったという。

“マジック選択ブラシ”のデモ
“マジック選択ブラシ”のデモ

似た名前の機能である“マジック抽出”は、“残したいところ”と“消去したいところ”を異なる2色のペン状のカーソルでそれぞれなぞるように(アバウトで構わない)選択すると、残したいところだけを切り出す機能。エッジに不自然なギザギザが残る(いわゆる“フリンジ”現象)も近似値パラメーターで調整できる。

“マジック抽出”を使って切り抜いた犬を合成したところこちらは“マジック抽出”を使って切り抜いた犬を合成したところ

よく使う画像編集機能では、角度補正が従来の自動/角度入力/90度単位の回転のほかに、水平にしたい部分(例えば海の“水平線”や、建物の窓/扉など)で2点を結ぶ直線を設定すると、それを水平にするべく自動回転するようになった。さらに回転によってはみ出す部分を自動的にトリミングして不要な背景を削除する機能も備える。

同じく失敗写真の補正で使われる“肌色”の修正には、新たに“肌色補正”機能が追加されている。本来健康的な肌色であってほしい場所をスポイトで検出すると、光や影による色の変化に合わせた肌色に補正してくれるというもの。これは色かぶりや逆光での暗く映った顔のほか、日焼けや赤みの調整にも利用できる。

写真から人物の顔だけを選択してサムネールを並べる“名札付け”機能
写真から人物の顔だけを選択してサムネールを並べる“名札付け”機能

写真の管理機能も強化された。特に便利なのが、指定したフォルダー内の写真から顔の部分だけを自動的に検出してサムネール表示する“名札付け”機能で、写っている人物単位でのグループ分けなど、写真の整理にも有効と思われる。

QRコード(2次元コード)の作成機能を追加 スライドショー機能も強化
このほかQRコード(2次元コード)の作成機能が追加されたスライドショー機能も強化され、パンや場面転換のエフェクトなどが指定できるようになった

このほか、起動時間を短縮し、Photoshop Elements本体を起動しなくてもデジタルカメラ本体やメモリーカードの装着を検出して、赤目補正/ファイル名の変更/指定したフォルダーへのコピーという一連の作業を行なう常駐アプリケーション“フォトダウンローダー”も追加された。起動時間の短縮については、エンジニアに起動高速化のために100点ほどの修正リストを提出して、起動時には必要最小限のモジュールだけをメモリー上に展開し、ほかのモジュールはあとから必要に応じて読み込むなど、起動シーケンスを改善することで実現できたと説明する。

対応OSはWindows XP Home Edition/Professional/Media Center Edition 2005。動作環境は、CPUがPentium III/Pentium 4/Pentium Mクラス(動作周波数800MHz以上を推奨)、メモリー256MB以上(512MB以上を推奨)、HDD 1.4GB以上など。



『Adobe Premiere Elements 2.0 日本語版』
『Adobe Premiere Elements 2.0 日本語版』

Premiere Elements 2.0は、作業効率の向上や、オリジナルDVDの作成機能などを中心に強化されている。ユーザーインターフェースは従来、個々に独立した複数のウィンドウで構成されていたが、新たに“ドッキングウィンドウ”と呼ばれる、ウィンドウのサイズ/位置変更に連動してほかのウィンドウサイズ/形状が変化するタイプになった。普段使わないウィンドウは1つにまとめてタブで表示切り替えすることも可能で、これにより“あるウィンドウ”をアクティブにしたら、“別のウィンドウ”が後ろに隠れて見えなくなった、という、初心者にありがちな操作の戸惑いをなくすとともに、慣れたユーザーには自分なりにカスタマイズした“使いやすい”スタイルを実現できるという。

DVDメニューを作成しているところ
DVDメニューを作成しているところ

オリジナルDVD作成機能は、タイトル/メニューやチャプターリストの設定など本格的なDVDオーサリング機能が追加された。メニューには音楽や動画を組み合わせることも可能。さらにPhotoshop Elementsと連動してDVDメニューのテンプレートを作成・編集することもできる。

このほか、動画エフェクトや場面転換のトランジションエフェクトを約200種類収録し、動画/音楽のトラックはプレビュー中にインジケータ(現在再生中の場所を示すカーソル)を右端まで移動せず、常に中央付近の操作しやすい範囲にとどめてトラックをスクロールさせることで、前後の映像/音楽を確認しながら編集できるようになった。

対応OSはWindows XP Home Edition/Professional/Media Center Edition 2005。動作環境は、CPUがPentium 4/Pentium M/Pentium D/Pentium Extreme EditionおよびAthlon 64/Opteron(SSE2対応)など、メモリー256MB以上(512MB以上を推奨)、HDD 4.4GB以上など。

対応するファイル形式は、動画が3GP(携帯電話)/ASF/AVI/DV/DVD(.vob)/MPEG-1/-2/-4/MOD(日本ビクター(株)の“Everio”)/QuickTime/Windows Media、音声はAIFF/AVI/Dolby AC3/MP3/QuickTime/Wave/Windows Media Audio、静止画はBMP/JPEG/PSD/TIFF。

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