マイクロソフト、『Microsoft Visual Studio 2005』『Microsoft SQL Server 2005』のテクニカルセミナーを開催――パートナー各社の関連製品が登場
2005年10月13日 22時31分更新
マイクロソフト(株)は13日、今秋正式に出荷を開始する統合開発環境『Microsoft Visual Studio 2005』およびデータベースプラットフォーム『Microsoft SQL Server 2005』のプレス向けテクニカルセミナーを開催した。セミナーは今回が14回目の開催で、正式出荷前のプレスセミナーはこれが最終回。今回は、両製品に関連したパートナー企業の製品が紹介された。
11月17日から開催される“the Microsoft Conference 2005”のハイライト | Visual Studio 2005/SQL Server 2005の正式出荷に向けて展開される広告のイメージ |
これまでに早期導入やβテストが展開されてきたVisual Studio 2005とSQL Server 2005だが、11月17日にいよいよ“正式出荷”となる。同社では同日から両製品に関する技術カンファレンス“the Microsoft Conference 2005”を日本各地で開催し(11月17日東京、11月24日大阪、11月29日名古屋、12月1日広島、12月6日札幌、12月9日福岡、12月13日仙台)、大規模なPR活動を展開していくという。初日となる17日の東京会場では、同社代表執行役社長兼米マイクロソフト社 コーポレートバイスプレジデントのダレン・ヒューストン(Darren Huston)氏、米マイクロソフト リサーチグループ テクニカルフェローのジム・グレイ(Jim Gray)氏らが基調講演を行なうほか、各地で両製品に関するテクニカルセッションが開催されるという。
BizTalk Server 2006の紹介を行なったサーバープラットフォームビジネス本部 アプリケーションプラットフォームグループの熱海英樹氏 |
また、17日には2006年に正式出荷予定の『Microsoft BizTalk Server 2006』の正式発表も行なわれる。BizTalk Server 2006は、同社のSOA(サービス指向アーキテクチャー、Service Oriented Architecture)基盤にあたる製品で、BPM(Business Process Management)/EAI(Enterprise Application Integration)/B2B(企業間取引)などのソリューションを実現するプラットフォームとなり、現在は英語版のβ1が配布されている。なお、BizTalk Serverシリーズの2003年のBPM市場でのシェアは約40%弱で国内トップに立っているといい、採用事例としては、東日本電信電話(株)(NTT東日本)、三菱化学(株)、(株)菱化システム、岩手県立二戸病院、(株)インフォマートが紹介された。
デベロッパー製品部の磯貝直之氏 |
この日のセミナーで、Visual Studio 2005関連のパートナー企業を紹介したマイクロソフト デベロッパー製品部の磯貝直之氏は、同製品について「単純に開発ツールというだけではなく(中略)開発者のアイデアやポテンシャルを引き出し、世の中を変えていく力になるかもしれないソフトウェア」になると述べ、次期製品に対する高い期待感を示した。この日紹介されたパートナー各社と製品は以下のとおり。
- グレープシティ(株)
- 『InputMan for .NET 4.0J』(入力コンポーネントセット)
- 『El Tebelle for .NET 4.0J』(表計算、複数行の明細表示/入力用コンポーネント)
- (株)電通国際情報サービス
- 『AppSight BlackBox』(アプリケーション実行中にユーザーがどのような行動/操作を行なったかをロギングする検証/デバッグの支援ツール)
- 東芝テック(株)
- 『CrossMission V3』(.NET Framework 2.0完全対応のビジネスシステム構築支援フレームワーク)
- (株)日立システムアンドサービス
- 『CosaDenta』(.NET Frameworkを機能補完し、コンポーネントの再利用性と変化に強い構造を提供するフレームワーク)
- マイクロフォーカス(株)
- 『Micro Focus Net Express 5.0 J』(.NET Framework 2.0対応アプリケーション開発用のCOBOL言語)
サーバープラットフォームビジネス本部 シニアプロダクトマネージャの斎藤泰行氏 | ANTのChief Technology Officer 執行役員、熊澤幸生氏 |
また、SQL Server 2005に関してはこの日、新たなパートナー協業として、マイクロソフトと(株)エイ・エヌ・テイ(ANT)による“SQL Server パフォーマンスチューニングサービス”の提供が発表された。
サービスの概要を説明したANTのChief Technology Officer 執行役員の熊澤幸生氏は、SQL Serverの運用においては、将来のスケーラビリティーへの対処(サービス開始時に想定できなかったことに対する対処ができているかどうか)が非常に重要だといい、開発/構築段階での正しい設計はもちろん、運用後の適切なチューニングによりスケーラビリティーの拡大が可能だとしている。同氏によると、SQL Serverのパフォーマンスを阻害する要因のうち、運用開始後のチューニングで改善できる点は全体の約30%で、アプリケーションの変更を行なわなくても対応できるケース(メモリーの増設と最適な設定、ディスクI/Oの負荷分散、ネットワークの見直し、など)も多いという。
ANTではこのような現状とこれまでのノウハウやスキルを踏まえて、マイクロソフトと共同でサービス実施に向けた手法を研究。その結果として、SQL Serverに関する問題/不安点の解消や原因の特定、パフォーマンスチューニングや64bit環境/次世代製品への移行などのアドバイスを行なうサービスのテンプレートを確立し、今回の発表に至ったとしている。“SQL Server パフォーマンスチューニングサービス”で提供されるサービス項目は以下のとおり。
- システム状況のヒアリング
- ツールを用いたデータ収集と分析
- システムデザイン上の課題共有
- 想定解決法の提示
上記(2)で用いられるツールは、マイクロソフトのパートナー企業であるクエスト・ソフトウェア(株)の『Quest Spotlight on SQL Server』と(株)シマンテックの『VERITAS Indepth for SQL』。両製品ともSQL Server 2005にも対応するという。
なお、同サービスは定額料金のサービスとして提供され、価格は250万円。提供開始は14日。ANTとマイクロソフトでは、同サービスの販売目標を、年間契約数20件/売り上げ1億円として活動を展開していくという。