人気のライティングソフト“Nero”が2年ぶりのメジャーバージョンアップ!――ネロ、『Nero 7 Premium』日本語版を12月16日に発売
2005年10月24日 22時35分更新
『Nero 7 Premium』について発表を行なう、ネロ 代表取締役のチャーリー・リポース氏 | 『Nero 7 Premium』のパッケージ写真 |
(株)ネロは24日、独ネロ社が開発した統合マルチメディアソフト『Nero 7 Premium 』の日本語版パッケージを、提携先の(株)アイフォーを通じて12月16日から販売すると発表した。Neroシリーズのメジャーバージョンアップとしては、実に2年ぶりの製品であり、最新の記録型DVDメディアへの対応はもちろん、統合メディアアプリケーションセットとして、さまざまな機能を備えている。
Nero 7 Premiumのラインナップと価格
- Nero 7 Premium 通常版:1万5540円
- Nero 7 Premium 乗り換え/アップグレード版:1万290円
- Nero 7 Premium アカデミック版:1万290円
Nero 7 Premiumは、人気のCDライティングソフトを核として、各種メディア再生ソフトや映像編集ソフト、オーディオ編集ソフト、画像編集ソフト、メディアサーバーソフトなどを統合したパッケージである。含まれるアプリケーションは以下の18種にものぼる。対応OSはWindows XP SP2 /2000 Professional(SP4)/Me/98 SE/Windows Server 2003。
ランチャー/プレーヤー
- Nero SmartStart:アプリケーションランチャー
- Nero Home:リモコンでの操作や家庭用TVでの表示(10フィートUI)に最適化されてデザインされたメディアセンターソフト。ビデオ、オーディオ、デジタル写真の再生や検索などが可能
- Nero ShowTime 2:ビデオ/DVD再生ソフト
- Nero Scout:パソコン内のメディアファイルを検索、高速なアクセスを実現するメディアファイルデータベース
Nero 7 Premiumの多彩なソフトを起動するランチャー『Nero SmartStart』 |
CD/DVDライティング関連
- Nero Burning ROM 7:CD/DVDライティングソフト
- Nero Express 7:CD/DVDライティングソフト
- InCD 5:CD/DVDパケットライティングライティングソフト
- Nero Vision 4:HDVキャプチャー対応DVDオーサリングソフト
変換/録音ソフト
- Nero Recode 2 featuring Nero Digital:さまざまなビデオファイルを“Nero Digital”形式に変換したり、DVDビデオのリサイズが行なえる変換ソフト
- Nero WaveEditor 3:オーディオ録音/編集ソフト
- Nero SoundTrax2:5.1/7.1ch対応オーディオミキシング、編集ソフト
- Nero SoundBox:オーディオ作成ソフト
ドライブユーティリティー
- Nero ToolKit:光学ドライブのテスト・ベンチマークソフト
- Nero BackItUp 2:バックアップソフト
- Nero ImageDrive:仮想CD/DVDソフト
そのほか
- Nero PhotoSnap:静止画編集ソフト
- Nero CoverDesigner:ラベル作成ソフト
- Nero MediaHome2:DLNA互換メディアサーバーソフト
Nero 7 Premiumの特長の1つは、独ネロが開発したメディアフォーマット“Nero Digital”の編集/再生機能である。ビデオフォーマット部分はMPEG-4またはH.264 AVC、オーディオ部分にはLC ACCまたはHE-AACを使用し、さらに独自のシステムレイヤーを組み合わせたフォーマットで、携帯電話レベルから1920×1080ドットのフルHD並みまで、用途に合わせたプロファイルに対応できる。Nero 7 Premiumでは、『Nero Recode 2 featuring Nero Digital』(Recode 2)でDVDやビデオファイルから、Nero Digital形式のビデオファイルを作成できる。Recode 2ではNero Digital形式だけでなく、PlayStation Portable対応のMPEG-4などの作成も可能だ。Nero Digital形式のビデオファイルは、パソコン上で再生するだけでなく、Nero Digital認証を受けた家電タイプのビデオプレーヤーやDVDプレーヤーで再生できる。同社によると、ヨーロッパではすでに認証取得済みのプレーヤーが、すでに500万台出荷されているという。日本での発売は2006年の予定とのころ。
Nero Digitalの概念図。デバイスを問わず利用できるフォーマットを指向している | Nero Digital認証を取得したDVDプレーヤー。Nero Digital形式のビデオを記録したCD-Rなどを再生できる |
Nero Digital形式を含むさまざまなフォーマット変換が可能な変換ソフト“Nero Recode 2 featuring Nero Digital” |
『Nero Home』は家電ライクのインターフェースを備えた、ビデオ/オーディオ/静止画スライドショー再生ソフトウェアである。リモコンで操作できるようにデザインされており、Windows XP Media Center Edition用のリモコンなどで操作できる。子ウィンドウでオーディオを再生しながら、静止画スライドショーを行なうといった機能も備えている。
リモコン操作向けに設計された統合メディアプレーヤー『Nero Home』 | オーディオコンテンツの選択画面。ここからパソコン内のメディアファイルを検索も可能 |
Neroシリーズの中核であるCD/DVDライティングソフトも、『Nero Burning ROM 7』へとバージョンアップされ、DVD±R DLなどへの書き込みにも対応した。光学ドライブのパフォーマンス計測ツールとして広く利用されている『Nero ToolKit』も付属している。またこのほかにも、ソニー(株)の“ハイビジョンハンディカム”『HDR-HC1』などHDV形式対応のビデオカメラから、HDV形式でのビデオキャプチャーに対応したDVDオーサリングソフト『Nero Vision 4』も含まれるなど、AVに関するあらゆるアプリケーションが入っていると言えるほどで、同社代表取締役のチャーリー・リポース(Charly Rippoth)氏は、新製品説明会の中で、「これからは、(このパッケージ)ひとつでいい」という言葉で、Nero 7 Premiumの機能の充実ぶりに自信を示した。
Nero 7 Premiumのパッケージはユニークな形となっていて、箱の真ん中からパクリと割れて、ディスクとマニュアルが顔を出す構造になっている |
メディアファイルのデータベース機能『Nero Scout』で検索し(画面右側)、『Nero Burning ROM 7』にファイルをドロップしたところ。Nero ScoutはWindowsのエクスプローラからも使える | HDVキャプチャーに対応したDVDオーサリングソフト『Nero Vision 4』 |
将来のBlu-ray、HD DVD再生にも対応
説明会では、Nero 7 Premiumが将来、次世代光ディスクBlu-rayディスクとHD DVDの再生に、無償アップデートで対応することも表明された。時期やサポートされる機能、動作対象となるマシンスペック等は、まだ未確定とのことで公表はされなかったが、次世代光ディスクへの対応をいち早く表明し、無償で提供するというのは評価できる点であろう。
ビデオ再生ソフト『Nero ShowTime2』のBlu-ray対応版のイメージ画像 |
会場では実際に、Blu-rayドライブ搭載パソコンやHD DVDドライブと再生ソフト『Nero ShowTime2』を使って、高画質のビデオ映像を再生するデモが披露されていた。またHD DVDオーサリングソフトや、記録型Blu-rayディスクへの書き込みなども参考出品されていた。またWindows CE端末やスマートフォン用のビデオ再生ソフト、『Nero ShowTime Mobile』の参考出品も行なわれるなど、Neroシリーズの広がりを示すデモも行なわれた。
Nero ShowTime2によるBlu-ray再生のデモ。デモマシンはCEATEC JAPAN 2005にも出展されていた、BDドライブ搭載のVAIO type R | こちらはパソコン用外付けHD DVDドライブを使ったHD DVD再生のデモ。映画『イノセンス』の緻密な映像も美しく表現していた |
Nero Digitalを再生するWindows CE端末及び携帯電話機のデモ |