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マイクロソフト、日本語版のWindows Vistaを公開――初披露された新機能も

2006年04月21日 23時30分更新

文● 編集部 小林久

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マイクロソフト(株)は21日、都内で記者会見を開き、プレス関係者に日本語版の“Windows Vista”を披露した。国内で公式にWindows Vistaがデモされたのは初めてのこと。

ジェイ・ジェイミソン氏
マイクロソフトWindows本部本部長のジェイ・ジェイミソン氏

Windows Vistaは、2006年11月に企業向けに出荷開始、2007年1月にパッケージ版の出荷開始というタイムスケジュールで開発が進められている。英語版のVistaは、今年1月に米国で開催された“2006 International CES”の基調講演や会場のデモで公開されている。

マイクロソフトはVistaのキャッチフレーズに“クリアーな視界の提供”という言葉を使っている。より使いやすく、「目的を容易に実現できる環境を提供するのがVistaである」という意味だ。検索機能の充実や新GUIの採用による使いやすさ、インターネットへの接続性の高さ、安心して使えるセキュリティー、各種デジタル機器との連携がテーマとして掲げられている。

今回のデモに使用されたWindows Vistaのビルド番号は「5265.winmain_idx05.060416-1900」で最新のもの。WinFSによるメタデータ検索やサイドバー上に格納できるガジェット、Vistaで追加されるAPI“WinFX”を用いて試作した3D表示対応アプリケーション『Media Mania』、Internet Explorer 7のセキュリティー機能など、CESのデモにはなかった機能もいくつか紹介されていた。

Windows Vistaは、コンシューマー/ビジネス向けに5種類のパッケージがラインナップされる予定だが、目玉機能のひとつである新GUIシステム(コードネーム:Aero)は、“Home Premium以上”での対応となる。



Windows Vistaの製品ラインナップ 発売までの道筋
Windows Vistaの製品ラインナップ発売までの道筋

Aeroでは、半透明のウィンドウ表示や、重なり合ったウィンドウを斜めの視点から見る“Flip 3D”、タスクバーやアプリケーション切り替え時の“ウィンドウサムネイル”表示など、Windows XPとは大幅に異なったインターフェースを採用している。最もWindows Vistaらしさを感じさせる新機能だ。マイクロソフトとしても、下位の“Basic”ではなく、その上の“Home Premium”をコンシューマー製品の中核とする意図のようだ。

Home Premium以上では“Windows Media Center”の10フィートGUIや、タブレットPCに関連した“ペン入力機能”なども提供される。従来はWindows XP Media Center EditionやTablet PC Edition(以下MCE)に対応した専用ハードウェアを購入する必要があったが、その必要はなくなる。現状のMCEはデジタル放送対応チューナーが未対応であるが、Vistaではどうなるのかが気になるところだ。マイクロソフトの担当者は「努力する」とのみコメントした。

Windows本部コンシューマWindows製品部の藤本恭史マネージャと倉本玲子シニアプロダクトマネージャ
Windows本部ビジネスWindows製品部の中川哲マネージャと永妻恭彦シニアプロダクトマネージャ

今回のデモはローカライズ途中ということもあり、一部日本語化が済んでいない箇所も存在した。日本語の翻訳(文言)にも変更の可能性があるという。例えば、ペアレンタル機能の設定画面に「爆弾の製造」という項目があるが、日本の環境では設定項目としてあまり適切ではない。製品化時には、ゲームで言えばCERO(コンピュータエンターテインメントレーティング機構)の基準などを参考にしながら、日本に即したレイティングを採用していく形になるという。

メタデータ機能に関しても、同じ形で製品に搭載されるかどうかは分からない状態だという。アップグレードパス、価格、動作環境に関しても未定。Aeroはかなり負荷のかかりそうな印象だが、最低動作環境に関してもβ2以降のチューニングでどこまでOSを軽くできるかで変わってくるという。

次ページでは、Windows Vistaの新GUIを豊富な写真で紹介する。

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