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マイクロソフト、プログラムマネージャーによる“Windows Defender”の説明会を開催

2006年09月19日 21時03分更新

文● 編集部 小西利明

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Windows Vistaに標準搭載されるスパイウェア対策ソフト“Windows Defender” Windows Defenderのプログラムマネージャーを務める米マイクロソフト社のスターリング・リーサー氏
Windows Vistaに標準搭載されるスパイウェア対策ソフト“Windows Defender”Windows Defenderのプログラムマネージャーを務める米マイクロソフト社のスターリング・リーサー氏

マイクロソフト(株)は19日、東京都内の本社にて報道関係者向けの説明会を開催し、同社製のスパイウェア対策ソフト“Windows Defender”についての説明会を行なった。Windows Defenderは『Windows Vista』に標準で搭載されるほか、Windows XP/2000用ベータ2日本語版が同社ウェブサイトから提供されている。

説明を担当したのは、米マイクロソフト社でWindows Defenderのプログラムマネージャーを務めるスターリング・リーサー(Stealing Reasor)氏。リーサー氏はまず無害なソフト(Windows付属のメモ帳など)と、明確な悪意あるソフト(ウイルス、ワームなど)の間にさまざまなソフトが存在し、同じジャンルでもユーザーにとって有益なものと有害なものが混在している状況にあると定義。そうした有益/有害が混在したソフトが、Windows Defenderの対象となると述べた。

2006年6月に行なわれたWindows Defenderの説明会で使われたスライド。オレンジ色の部分がWindows Defenderのターゲットである
2006年6月に行なわれたWindows Defenderの説明会で使われたスライド。オレンジ色の部分がWindows Defenderのターゲットである

リーサー氏が再三強調したのは、Windows DefenderがパソコンやWindowsに関する豊富な知識を持たない一般的なパソコンユーザーにも使いやすいように設計されている点であった。Windows Defenderは2005年1月に提供を開始した“Windows AntiSpyware Beta1”がベースになっているが、Windows Defenderはより使いやすくするために、大きく再構築されたという。特にリーサー氏はユーザーインターフェース面の改良と“リアルタイムの保護”機能を強調し、Windowsの知識が少ないユーザーでも、発見したスパイウェアを簡単に除去できるように、“プログレッシブUI”“プログレッシブ・ディスクロージャー”と称するシンプルで分かりやすいデザイン・動作を重視して開発したという。

デモ用に作られた疑似スパイウェアを検出したWindows Defender。警告レベルが“低”のため、警告ダイアログには黄色のバーが表示されている 警告レベル“重大”に設定されたソフトを検出すると、ダイアログは赤色に。信号機型の色分けで報告を行なうのは、最近の対策ソフトのトレンドか
デモ用に作られた疑似スパイウェアを検出したWindows Defender。警告レベルが“低”のため、警告ダイアログには黄色のバーが表示されている警告レベル“重大”に設定されたソフトを検出すると、ダイアログは赤色に。信号機型の色分けで報告を行なうのは、最近の対策ソフトのトレンドか

機能面での利点についても説明が行なわれたが、スパイウェア検出機能自体は、市販ソフトや無料オンラインソフトと比べて特筆すべき点はないのが実情だろう。64bit Windowsに対応している点や、“Administrator”権限のないユーザーでも使用可能な点などは、現時点ではOSメーカーならではの利点と言えようか。また日本限定で猛威を振るっている“Antinny”などの例も踏まえて、日本からのスパイウェア検体の受付なども行なっているという。

Windows Defenderのオプション設定。デフォルトでは午前2時にパソコン全体のスキャンを行なう設定になっているが、未使用時は電源を切るユーザーの多い日本では、この設定は受け入れられるだろうか?
Windows Defenderのオプション設定。デフォルトでは午前2時にパソコン全体のスキャンを行なう設定になっているが、未使用時は電源を切るユーザーの多い日本では、この設定は受け入れられるだろうか?

Windows Defenderでは、脅威の度合いを重大・高・中・小・未分類の5段階に分類し、脅威の度合いに応じて警告の表示レベルや自動スキャン時の処理動作を設定できる。またWindowsのサービスとしてバックグラウンドで動作するモードもあり(デフォルトで有効)、Internet Explorerでのダウンロードやファイル操作、さらにスタートアップでの動作などをリアルタイムで監視する“リアルタイムの保護”機能も備える。特にリーサー氏は、リアルタイム保護がスパイウェア対策にとって重要であることを強調した。

“リアルタイムの保護”に関する設定項目。スパイウェアが侵入や動作に使用しがちな項目は、デフォルトであらかた監視できる
“リアルタイムの保護”に関する設定項目。スパイウェアが侵入や動作に使用しがちな項目は、デフォルトであらかた監視できる

またWindows Defenderの一部として実装されている“ソフトウェア エクスプローラ”についても触れられた。これは現在動作しているプログラムやスタートアップに登録されたプログラムの情報を分かりやすい形で表示するもので、実行中(あるいは実行される可能性のある)のプログラムが悪意あるものかどうかを判別しやすくしている。

動作中のソフトの情報を確認する“ソフトウェア エクスプローラ”。タスクマネージャーや“netstat”コマンドなどより分かりやすく作られていて、ユーザーには便利な機能だ
動作中のソフトの情報を確認する“ソフトウェア エクスプローラ”。タスクマネージャーや“netstat”コマンドなどより分かりやすく作られていて、ユーザーには便利な機能だ

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