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シマンテック、“Norton 2007”には買い換えなしでバージョンアップ可能!

2006年10月05日 20時00分更新

文● 編集部 佐久間康仁

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『Norton Internet Security 2007』の記者向け説明会を開催

(株)シマンテックは5日、東京・溜池の東京全日空ホテルにプレス関係者を招き集め、9月21日に発表した個人向けセキュリティーソフト『Norton Internet Security 2007』(NIS 2007)の説明会を開催した。プレス発表会での質問に答えるために開催したもので、レスポンスの向上やルートキット技術を悪用したウイルスへの対策などをデモを交えて解説した。

起動時間を短縮し、使用メモリーを1/4に削減

風間 彩氏
シニアリージョナルプロダクトマーケティングマネージャの風間 彩氏

説明に当たったシニアリージョナルプロダクトマーケティングマネージャの風間 彩氏は、最初に同社が4月に実施した“パソコン利用時のストレス”に関する調査結果を引用し、一般コンシューマーがストレスを感じる要因は“動作が遅い”が58.2%で最も多く、特に若年層にそう感じるユーザーが多いことを指摘した。

NIS 2007とNIS 2006の各種速度/パフォーマンス比較の結果 競合他社製品との各種速度/パフォーマンス比較の結果
NIS 2007とNIS 2006の各種速度/パフォーマンス比較の結果(同社調べ)NIS 2007と競合他社製品の各種速度/パフォーマンス比較の結果

その上で、NIS 2007と既存製品(NIS 2006)、および競合するインターネットセキュリティーメーカー9社の製品とのパフォーマンス比較を同社が実施した結果を紹介し、NIS 2007のパフォーマンス向上をアピールした。ただし、2つの結果を見比べると、NIS 2006が競合製品平均よりいかに「重い」「遅い」と感じられていたかが分かる、皮肉な結果にもなっている。

NIS 2007の画面
NIS 2007の画面。セキュリティー設定を変更すると、画面のように大きな×印とともに警告を促す。“今すぐ解決”ボタンを押すと、設定変更内容の一覧を示した上で、一括変更を行なう

NIS 2007は、NIS 2006まで標準搭載されていた“アンチスパム”や“ペアレンタルロック”(子供に見せたくない暴力/性表現などを含むサイトを非表示にする機能)がアドオンパックとして希望者に無償提供(すでにユーザー向けにダウンロード提供中)しているため、厳密な比較ではないが、

  • 起動時間は競合他社平均より約31%高速
  • 占有メモリーは10MB以下で、NIS 2006より約30MB、他社平均より約20MB減少
  • HDD内のスキャン時間は、NIS 2006より1分30秒、他社平均より34秒高速化
  • ウェブブラウザーでの表示速度もNIS 2006より約14秒、他社平均より約2秒高速化

などと具体例を挙げ、高速化した結果を示した。

特にCPUスペックの高くないユーザーや、ほかのアプリケーションを使いながらのスキャン、UIの応答速度などに高速化のメリットを感じるだろうと述べている。

詐欺サイトと疑われるページを表示した場合 ブラックリストに掲載されているページを表示しようとした場合
NIS 2007をインストールしたInternet Explorerで詐欺サイトと疑われるページを表示した場合。画面がグレーアウトして、上部のセキュリティーバーに警告が出る。このページの情報は自動的にシマンテックの情報収集サービスに提供され、2~3時間で詐欺サイトとしてブラックリスト(ブロックリスト)に掲載するか否か(ページ作成者の不手際による疑いであるか)が判定されるというブラックリストに掲載されているページを表示しようとした場合。こちらは画面を一切表示させず、接続を強制的に遮断する。ただし、あえてユーザーが表示させることもできる。その場合でも画面表示後に接続を切断して、再度警告を促して個人情報の入力を防ぐという
カーネルモードのルートキット検出および修復技術
カーネルモードのルートキット検出および修復技術の説明

NIS 2007の特徴である、カーネルモードのルートキット検出および修復技術は、同社が今年4月に買収を完了した米ベリタスソフトウェア(Veritas Software)社のエンタープライズ向けバックアップソフト『NetBackup』で利用しているVxMS(VERITAS Mapping Service)のひとつ、“ダイレクトボリュームアクセス”技術を利用したもので、ファイルシステムAPIを使わずに直接Windowsファイルシステムを参照する“ERASERドライバ”と、物理的なディスクに直接アクセスして悪意あるファイルを修正/削除する“ダイレクトボリュームアクセス”を実現する。これにより、ファイルシステムAPI経由では削除できないルートキット技術を使った悪意のあるウイルスなども確実に消去できるとしている。





NIS 2006のユーザーは契約更新時に
NIS 2007へ自動アップグレード

NIS 2007のリリースと同時にサービス提供モデルが一新された。年1回程度のメジャーバージョンアップがあると、これまでは従来製品のユーザーが新製品を購入/インストールしない限り、“保護機能の更新”(パターンファイルの更新とプログラム不具合修正などアップデートパッチの提供のみ)しか受けられなかった。これに対してNIS 2007では、使用期間中(パッケージ購入時点では1年間)にメジャーバージョンアップがあると、新機能や機能強化された新プログラムも合わせて受けることができ、その後に更新料を支払うことで1年間のサービス延長が受けられる、という仕組みに変わった。つまり、新パッケージの登場に合わせて、いちいちパッケージを購入し直したり従来のプログラムをアンインストール、新プログラムのインストールといった手間が省けるわけだ。

新しいサービス提供モデル
新しいサービス提供モデルの説明

これはNIS 2006に対しても適応されるため、現在NIS 2006のユーザーで利用契約期間中のユーザーは更新料を支払うことでNIS 2007に自動的にアップグレードできる(残りの利用契約期間は更新後の1年間に加算される)。ただし、提供方法については現在検討中で、近々ユーザーにアナウンスするとしている。

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