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マイクロソフト、組み込み向けOS“Windows CE”の最新版『Windows Embedded CE 6.0』を発表

2006年11月13日 16時06分更新

文● 編集部 飯塚岳史

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マイクロソフト(株)は13日、組み込み向けOS“Windows CE”の最新版『Windows Embedded CE 6.0』の提供を本日開始すると発表した。同社サイトでは180日間評価版を無料で提供している。

同時処理プロセスを従来バージョンの32から32000まで拡大したほか、同社の総合開発環境ソフト“Windows Visual Studio 2005”上でOSからアプリの開発まで一元して行なえるなど、より開発しやすいOSとなっているのが特徴だ。

発表会では、執行役常務 ビジネス&マーケティング担当の佐分利ユージン(さぶりゆーじん)氏らが出席し、製品説明などをデモを交えながら行なった。

佐分利氏
執行役常務 ビジネス&マーケティング担当の佐分利ユージン氏

佐分利氏は、「Windows CE 3.0で“ハードリアルタイムサポート”や“シェアードソースコード”を搭載したのがきっかけでブレイクスルーしたように、本バージョンでは第2のブレイクスルーが行なわれる可能性がある」と述べ、3つのポイントとしてブレイクスルー要因を説明した。

3つのポイント
ブレイクスルーの要因となる3つのポイント

第1のポイントとして“コネクティビティ”、一貫した接続性を挙げ、ネットワークの管理の重要性を強調した。従来のBluetooth、WiFi、Ethernetに加えて、“WPA2(Wi-Fi Protected Access 2)”“QoS(Quality of Service)”“VoIP(Voice over Internet Protocol)”といった技術を盛り込み、「パソコンの技術に後れを取らないようにしていく」と述べた。

コネクティビティ
プロトコルのほかWindows Media Player 2などのマルチメディア向けアプリとの接続性も確保する

第2のポイントとして、開発者の持っているポテンシャルを最大限に引き出していく“デベロップメントパワー”を挙げた。Windows CEを構成するカーネルを再構築し、プロセス数を従来バージョンの32から32000に拡大するとともに、仮想メモリーを32MBから2GBに拡大、パフォーマンスを向上させている。

デベロップメントパワー
カーネルを再構築し、パフォーマンスをアップさせることで、仕様上の制約を軽減する

また、従来ではOS、アプリそれぞれで分かれていた開発環境をVisual Studio 2005に統合し、同ソフト上ですべて開発できるようになっている。また、ARMエミュレーション機能を搭載し、実際のハードウェアがなくてもパソコン上で機能をエミュレーションすることによりデバッグなどが可能になったほか、Visual Studio付属のリモートツールを利用して、パソコンから機器を直接操作できるようになった。

Visual Studio 2005 ARMエミュレーション
OS、アプリの開発はVisual Studio 2005上ですべて行なえるARMエミュレーション機能を使用して、ウィンドー内にCEを表示

第3のポイントとして、完全な“シェアードソース”を挙げた。同社が提供するコードのソースを公開することで、必要な部分のコードだけをパートナー企業側で改変できるほか、改変したコードの公開義務はなく、各社の差別化の要因を保てるという。また、従来バージョンでは50%程度の公開だったカーネルのソースコードも本バージョンでは100%公開する。

シェアードソースコード
カーネルのソースコードを100%公開する

佐分利氏は、Embedded(組み込み)と名が付いた今回のバージョンに関して、組み込み系の汎用OSとしてのCEのブランドを“Windows Embedded CE”としていくとともに、スマートフォンなどに搭載される“Windows Mobile”などについては、「Embedded CEをベースにして順次やっていく」と述べた。

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