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NTT、動作中に回路構成を自己改変する自律型LSI『PCA-1』を発表

2000年08月28日 21時08分更新

文● 編集部

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日本電信電話(株)(NTT)は25日、用途や環境に応じて動作中に自己改変を行なうLSI『PCA-1』を発表した。これは、従来方式とは異なる新しい汎用情報処理アーキテクチャー“プラスティックセルアーキテクチャー”(PCA)を採用し、目的に応じて論理回路を自律的に再構成できるというもの。

『PCA-1』のチップ写真

PCAは、CPUが命令を実行する代わりに、“PCAセル”と呼ばれる論理回路ブロックがメモリー上のデータを相互に加工、転送することにより、情報処理を行なうアーキテクチャー。PCAセルは、メモリーの値により再構成可能な“可変部”と、データなどの受け渡しを行なう“組込部”のペアで構成される。PCA-1は、このPCAセルを格子状に配置したもので、単純な繰り返し構造となっているため、拡張が容易であるという。

PCAセルの可変部は、64個の基本セルにより構成される。さらに、基本セルには、4個のLUT(Look Up Table)と呼ばれるメモリーが埋め込まれ、このLUTに値を書き込むことにより、基本セルが論理回路や記憶回路として動作するという。また、PCAは、PCAセル同士が非同期で通信を行なう完全非同期回路であるため、動作回路のみが電力を消費する省電力設計となっている。

PCAの構成

PCA-1では、特定の機能が必要となったときに、その機能を担う論理回路を生成可能。このため、携帯電話などに応用すれば、複数の通信規格に1台で対応可能になるとしている。また、回路の構成情報をネットワークで流通できるため、ハードウェアの変更なしに、機能拡張を行なえるという。同社では、システムのバージョンアップが頻繁に起こる情報流通社会を支える基盤技術に発展させていくとしている。

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