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AMEI、携帯端末用の標準音源規格“General MIDI Lite”を発表

2001年05月31日 01時22分更新

文● 編集部 中西祥智

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(社)音楽電子事業協会(AMEI)は30日、携帯電話やPDAなどの携帯端末向けの標準音源規格“General MIDI Lite(ジェネラル・ミディ・ライト:GML)”を発表した。同日より発効する。

GMLロゴ
General MIDI Liteのロゴ

近年、携帯電話の着信音の和音数を、各キャリアーが競うようになった。しかし、キャリアー間、端末メーカー間での音源の規格がそれぞれ違い、互換性はない。互換性を持たせるためには、従来の“GM 1.0(General MIDI 1.0)”では小さなハードウェアで動作させるには負荷の大きい規格であるため、新たにモバイル向けの規格を作ることになった。それが、GMLである。

AMEI会長の壇克義氏(ローランド(株)代表取締役社長)は、携帯電話やPDAから、情報家電、ゲームまで、近いうちに幅広くGMLが使用されるようになり、一般のユーザーが、パソコンで簡単に携帯電話の着メロを作るようになる、と予測している。

AMEI会長 壇克義氏AMEI会長 壇克義氏

従来のGM 1.0は、音源の規格のみだったのに対し、今回のGMLは音源に加えてプレーヤー、コンテンツのそれぞれにも、ガイドラインを決定して互換性を追及する。また、データフォーマットとしては“SMF(スタンダードMIDIファイル)”を採用する。GMLはGM 1.0に対して下位互換性を維持する。

音源部分は、MIDIチャンネルは16チャンネルでチャンネル10をドラムに割り当て、使用音色は128色でGM 1.0準拠、同時発音数は16音、音源の発音方式(たとえばPCM音源やFM音源など)は限定しない、などとなっており、同時発音数が24音から16音に減った以外はほぼGM 1.0と同じ。ただし、音色などに対するコントロールは、GM 1.0に比べると少ないという。

GMLの構成図
GMLの構成図。色の濃くなっている3ヵ所、オーサリングツール、アプリケーションソフト、再生プレーヤーのそれぞれを規定する

コンテンツの制作に際しては、チャンネル10はドラム固定で優先的に鳴らすこと、チャンネル1に主旋律、2に副旋律、3にベースラインなどの推奨チャンネル割り当てなどが定められている。また、さまざまな設定データを、楽曲の最初の数小節に書き込み、“セットアップ小節”とすることも規定されている。

プレーヤーについては、SMFの認識方法や、プレーヤーの構成、セットアップ小節の扱いなどが示されている。

GMLは、すでに米MMA(MIDI Manufacturers Association)も承認しており、世界標準規格となる見通しだ。また、今回制定された規格には含まれていないが、6月に第2次ワーキンググループを発足し、今後著作権保護やマルチメディア関連などの機能を追加することも検討している。

まだ規格が発効したばかりのため、対応機器の発売予定などはまだない。規格の使用については、一般ユーザーは自由に使用できるが、商用目的で使用する場合は、事務局に問い合わせる。また、規格書はAMEI会員には無料で、非会員には有料で提供する予定。

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