米インテル社は10日(現地時間)、PC133 SDRAMをサポートする『Pentium 4』用チップセット『Intel 845』を発表した。企業向けデスクトップや一般ユーザーのボリュームゾーン向けパソコンに適したチップセットという位置づけの製品。1000個ロット時の価格は42ドル(約5100円)。
『Pentium 4』と『Intel 845』 |
Intel 845は、『82845』Memory Controller Hub(MCH)と、『82801BA』I/O Controller Hub(ICH2)の2つのチップからなる。82845は、Pentium 4の400MHzシステムバス、AGP 4Xに対応し、PC133 SDRAMのメモリーインターフェースを備えている。また82801BAは、2つのUSBコントローラー、AC97対応の6チャンネルオーディオ、ネットワーク機能、2つのUltraATA/100インターフェースを備える。なお、Intel 845は、正式発表を待たず、8月末ころから秋葉原のパソコンショップで搭載マザーボードが販売されて話題となっていた。
Intel 845のシステム概要 |
インテルでは、Pentium 4を早期に普及させるべく、何度も価格を引き下げているが、これまでは対応チップセットがRDRAMをサポートする『Intel 850』しかなく、メモリーを搭載することを考慮すると、SDRAMを利用できるPentium IIIやAthlonなどと比べると、割高となる原因となっていた。参考までに最近のメモリーの売値(バルク品)で比較すると、256MBのPC800 RDRAMが9000円~1万円するのに対して、同じく256MBのPC133 SDRAMは約3000円であり、3倍の差がつくまでになっている。
ここでやっとコストの安いSDRAMをサポートするチップセットを投入できたことで、ビジネスパソコンや、価格を重視するコンシューマー向けパソコンという、最も数の出るカテゴリーにPentium 4をぶつけることが可能になった。
またインテルは同時に、インテル製チップセットにおいて、HDDからのデータ読み込みを最適化することで、Windowsの起動時間やアプリケーションの動作を高速化するソフトウェア『Intel Application Accelerator』を無償で公開した。日本語にも対応している。サポートするチップセットは、Intel 810、810E、810E2、815、815E、815EP、815P、820、840、845、850、860。サポートするOSはWindows 98/98SE/Me、Windows NT 4.0/2000/XP。米インテルの資料によると、Windows 2000の起動時間が33秒から21秒へと約4割高速化したとしている。
またインテルは同日付けで、Intel 845を搭載したATXサイズのマザーボード『D845WN』およびmicro-ATXサイズの『D845HV』を発表した。
インテルは再三、2001年末のデスクトップパソコンのCPUはPentium 4とCeleronになるとしているが、今回のIntel 845の発表で、インテルの目標に向かう流れは確実に加速されることになる。少なくとも通常のデスクトップパソコンにおけるPentium IIIの役割は終了したといえるだろう。