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【2002 CESレポートVol.5】トランスメタ、TM5800の量産出荷は2月、次世代Crusoeは2003年に


2002年1月10日

米トランスメタ社は展示会場にブースを構えた昨年と異なり、“2002 International CES”自体には出展せず、会場近くのホテルで一般には非公開で展示を行なっている。ASCII24では取材の機会を得て、TM5800の出荷状況や次世代Crusoeについて尋ねた。

取材に対応してくれたのは米トランスメタ、PCプラットフォームのマーケティングディレクター、マイケル・ディネフ(Michael DeNeffe)氏とプログラムマーケティングマネージャーのジョン・グローデン(Jon Grodem)氏。

トランスメタのフォーカス分野と市場分析
トランスメタのフォーカス分野と市場分析
モバイルコンピューティング市場が主流になりつつあるという
モバイルコンピューティング市場が主流になりつつあるという

それによると、現在同社がフォーカスしているのはローパワーモバイルパソコンとタブレットPCよりもさらに小型のパッド(Pad)型パソコン。米インテル社と米AMD社がこれらパソコンのためのCPUとして、TDP(熱設計電力)が25〜35Wを基準に考えているが、米トランスメタでは冷却ファンが不要になる7W以下になるよう最適化している。最近のモバイル分野のトレンドでは、価格帯が下がっていることが挙げられるという。A5ファイルサイズやパッド型パソコンでは1000ドル(約13万円)以下、B5ファイルサイズやタブレットPCでは1500ドル(約20万円)以下が主流になっているとしている。

Palm機やPDAより高機能で机で使うノートパソコンより軽量でバッテリーが持つという分野がCrusoeの得意とするところ。市場の流れは個々に集まってきているという
Palm機やPDAより高機能で机で使うノートパソコンより軽量でバッテリーが持つという分野がCrusoeの得意とするところ。市場の流れは個々に集まってきているという
各社モバイルCPUとの比較表
各社モバイルCPUとの比較表

そうした“低コストモバイルコンピューティング時代”の到来で、セットメーカーは、平均消費電力1W以下、TDPが5W以下、低価格(ダイサイズが小さい)、かつマルチメディア機能に対応し、OSの選択幅の広いx86ベースのCPUを求めている。これはまさにCrusoeのテリトリーであるという。

トラスメタの考えるこれからのモバイルパソコンのセグメント
トラスメタの考えるこれからのモバイルパソコンのセグメント

米トランスメタは、2002年以降のモバイルコンピューティング市場を3つに分類している。価格が1000ドル(約13万円)未満(重さ約1kg未満)、価格が1000ドル以上で1500ドル(約20万円)未満(重さ約1.4〜1.8kg)、そして価格が1000ドル〜3000ドル(約40万円)(重さはFDDとHDDを持つような2スピンドルタイプで約2.3〜2.7kg、オールインワンの3スピンドルタイプで3.6〜4kg)の3つだ。このうち軽い方の2つのセグメントがCrusoeの得意とするところで、最も軽いセグメントには『TM5500』(※1)と『TM6000』(※2)、中間のセグメントには『TM5800』(※3)と次世代Crusoe(※4)が当てはまるとしている。

※1 0.13μmプロセス技術で製造するプロセッサーで、667MHz〜1GHzで動作する。TM5400の後継

※2 TM5800のコアを使い、メモリーコントローラー、I/Oコントローラー、グラフィックスチップなどを1つのダイ上に統合したCPU

※3 0.13μmプロセス技術で製造するプロセッサーで、667MHz〜1GHzで動作する。TM5600の後継。

※4 これまで128bit構成であった従来版Crusoeのプロセッサーコアを256bit構成に拡張した次世代Crusoe。これまでの2〜3倍の性能としている

セグメントごとのCPU比較。Crusoeはパフォーマンス、価格、TDPなどで優位にあるという
セグメントごとのCPU比較。Crusoeはパフォーマンス、価格、TDPなどで優位にあるという
10〜12インチサイズの液晶ディスプレーを備えたノートなどのセグメントでは、2002年はTM5800、2003年には次世代Crusoeが登場
10〜12インチサイズの液晶ディスプレーを備えたノートなどのセグメントでは、2002年はTM5800、2003年には次世代Crusoeが登場

なお、TM5800の量産がうまくいかず、ソニー(株)の『VAIO C1』などで出荷がのばされたり、CPUを変更するなどの影響が出たことについては、製造上の問題があり限られた数しか供給できなかったが、その対策として新しい半導体マスクを使った生産が2月に始まるので以後は量産出荷ができる見込みであると説明した。詳しい情報については米国時間17日に四半期ごとのファイナンシャルレポートを発表予定で、その中で明らかになる予定とのことだった。

今回トランスメタが示したロードマップ。2001年10月のMicroprocessor Forumで示したものと同様
今回トランスメタが示したロードマップ。2001年10月のMicroprocessor Forumで示したものと同様

2001年秋の“Microprocessor Forum”で名前が明らかとなったTM6000は、TM5800のプロセッサーコアにノースブリッジ、サウスブリッジとグラフィックスコントローラーを統合したCPUで、2003年第1四半期に出荷開始予定。出荷時のクロックは1GHzで、メモリーはECC付きDDR333(166MHz DDR)をサポートする。グラフィックスコントローラーは、24bitカラーをサポートし、デュアルディスプレーに対応、DVDの再生をサポートする機能も備えるという。

トランスメタ初の統合型CPU、TM6000のシステム概要(2001 Microprocessor Forum資料より)
トランスメタ初の統合型CPU、TM6000のシステム概要(2001 Microprocessor Forum資料より)

TM6000を利用した場合に、TM5800のシステムと大きく異なるのは、その実装面積と消費電力であるという。TM5800(ノースブリッジ内蔵)とサウスブリッジ、グラフィックスチップの場合、パッケージが占める面積が約2500mm2になるのに対して、TM6000では784mm2ですむ。消費電力もTM5800+サウスブリッジ+グラフィックスチップの3.6W以下に対して2W以下に抑えられるとしている。

プロセッサーコアが従来の128bitから256bit構成になる次世代Crusoeについての情報はほとんど明らかにしなかったが、投入時期は2003年後半で、当初は0.13μmプロセスで製造をはじめ、その後0.10μmプロセスに移行するのだとしていた。

Crusoeがパッド型パソコンなどより小型の製品に対してもフォーカスしていることについて、米インテルのStrongARMが市場で優勢なようだがどう思うかと尋ねてみたが、このことについては「StrongARMは高い性能を得ようとする(高周波数で動作する)と、それなりに消費電力が大きくなる。Crusoeは高い性能を低消費電力で実現できる。また、StrongARMのコードを、CMS(コードモーフィングソフトウェア)によって、直接実行することも技術的に可能だ。StrongARMを使ったシステムの一部がCrusoeに置き換わっていくこともあるかもしれない」と答えた。

当初、米インテルが注目していなかったノートパソコン向け低消費電力CPUで旋風を巻き起こした米トランスメタだが、日本で多数のノートパソコンに採用されてはいるものの、12月に発表したファイナンシャルレポートなどを見る限りそれほど多くの売り上げを得るにはいたっていないようだ。CrusoeがCMSでx86のコードを実行できるようにするのも、x86の豊富なソフトウェア資産があるからであったはずだが、StrongARM版のCMSの話が出てくるということは、複数のCPUのコードに対応(Crusoeならソフトだけでできる)することで、Crusoeの活躍できる市場をこれまでと比べよりアグレッシブに広げていこうという姿勢のあらわれだと考えられる。

ホテルのスイートルームに展示していた、Crusoe搭載パソコン。これはTM5600を搭載した台湾Twinhead社のノートパソコン。中国で販売する予定という
ホテルのスイートルームに展示していた、Crusoe搭載パソコン。これはTM5600を搭載した台湾Twinhead社のノートパソコン。中国で販売する予定という
TM5400を搭載した、台湾FICフォルモサ社のパッド型パソコン
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2001年11月に(株)イーヤマが発表し、2月に発売予定のTM5800搭載ノートパソコン『Avenue』
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展示の中で唯一試作品としておいてあった、東芝のパソコン。ペンで操作し、OSはLinuxが動作していた
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(編集部 佐々木千之)


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