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シーエスアール、PCメーカー向けBluetoothパッケージ『BlueCore2-PC』を発表


2002年5月18日

シーエスアール(株)(※1)は16日、都内で新製品発表会を開催し、同社の1チップBluetoothチップ『BlueCore 02』にWindows用のソフトウェアをバンドルした『BlueCore2-PC』を発表した。また、英Cambridge Silicon Radio(CSR)社の共同創立者兼マネージング・ディレクターのフィル・オドノバン(Phil O'Donovan)氏が同社の事業状況やBluetoothの最近のトピックスについて説明した。

※1 シーエスアールは、英Cambridge Silicon Radio社の日本法人。

英Cambridge Silicon Radio(CSR)社の共同創立者兼マネージング・ディレクターのフィル・オドノバン氏
英Cambridge Silicon Radio(CSR)社の共同創立者兼マネージング・ディレクターのフィル・オドノバン氏

パソコンメーカーのBluetooth採用を後押し

シーエスアールのBlueCore2はBluetoothに必要とされる、RF部、ベースバンド部、マイクロプロセッサー、I/Oインターフェース回路部などを1チップに集積したIC。同社の最初の1チップBluetooth製品である『BlueCore01』は0.35μmプロセスでの製造だが、BlueCore2は0.18μmプロセスで製造している。プロセスルールの微細化により、チップ自体が小さく(面積2分の1)なり低消費電力化(消費電力2分の1)が図られただけでなく、搭載メモリー容量が2倍(32KB)、通信可能距離が2倍になるなど、性能が向上したという。

『BlueCore01』、『BlueCore2』と続く、CSRの1チップBluetooth ICファミリー
『BlueCore01』、『BlueCore2』と続く、CSRの1チップBluetooth ICファミリー。次世代のBlueCore3では0.13μmプロセスで製造するという

BlueCore2には、Bluetoothスタックやファームウェアを外部のフラッシュメモリーに格納する『BlueCore2-External』、チップ内にROMとしてBluetoothスタックやファームウェアを内蔵する『BlueCore2-ROM』、チップ内にオーディオアプリケーション用コーデックを内蔵する『BlueCore2-Audio』などのバリエーションがある。

今回シーエスアールが発表したBlueCore2-PCは、BlueCore2-Externalに、米Windcomm社製のWindows 98SE/Me/2000/XP用のホスト向けBluetoothスタックとサンプルアプリケーションソフトをバンドルした製品。パソコンメーカーがパソコンにBluetooth機能を搭載する場合、BlueCore2-PCを使えば、Bluetoothスタックやファームウェアを格納するためのフラッシュメモリーと、Bluetooth用のアンテナなどのコンポーネントを追加するだけですむ。BlueCore2-PCの価格には、バンドルするソフトウェアの価格が含まれており、追加のロイヤリティーは発生しない。ソフトウェア価格の上乗せ分は1ドル(約126円)以下という。なお、BlueCore2-PCの価格は購入する個数により異なるとして明確にしていないが、BlueCore2-Externalでは5ドル(約630円)程度という(数十万個ロットの場合)。

シーエスアール(株)代表取締役の塚越明義氏
シーエスアール(株)代表取締役の塚越明義氏

シーエスアール(株)代表取締役の塚越明義氏によると、同社は市場ごとに特化したアプリケーションをバンドルしたパッケージを提供する戦略をとっており、これによって、メーカーはBluetooth機能を持った製品を短期間に市場投入することができるとしている。こうしたパッケージはBlueCore2-PCのほか、Windows CE用ソフトをバンドルした『BlueCore2-PDA』、ヘッドセット用プロファイルをバンドルした『BlueCore2-Headset』などを予定しているという。

パソコンでのBluetooth採用は急速に伸びる──オドノバン氏

英CSRのオドノバン氏は「英CSRは1チップBluetoothソリューションというビジネスに参入して3年経つが、現在非常に大事な時期を迎えている」という。その理由として、CSRのシングルチップ製品をBluetoothモジュールメーカーが使ってくれるようになったこと、多くのパソコンにBluetoothが組み込まれるようになったこと、そして1日(英国時間)に発表した、米マイクロソフト社がBlueCore2をワイヤレスマウス/キーボードに採用したこと、の3つを挙げた。

米マイクロソフトが発表した、Bluetoothワイヤレスマウスとキーボード。今年後半に出荷するという
米マイクロソフトが発表した、Bluetoothワイヤレスマウスとキーボード。今年後半に出荷するという

米マイクロソフトは4月に米国で開催したWindowsプラットフォーム向けの開発者会議“WinHEC”で、ワイヤレスデスクトップ製品を開発していることを明らかにし、Bluetoothワイヤレスマウス/キーボードのデモンストレーションを行なった。英CSRと米マイクロソフトは2001年から共同で、Bluetooth用の“Designed for Windows”ロゴプログラム認証試験の開発を行なうなど、緊密な関係を保っているという。

Bluetoothのさまざまな製品への普及
Bluetoothのさまざまな製品への普及

現在ノートパソコンでは、米IBM社、米ヒューレット・パッカード社(米コンパックコンピュータ社)、ソニー(株)、PDAでは米ヒューレット・パッカード、ソニー、富士通(株)など、Bluetooth搭載製品が相次いで登場している状況という。また、3月にドイツで開催された“CeBIT”では、台湾のマザーボードメーカーであるMicro-Star International(MSI)社がBlueCoreを積んだマザーボードを発表したことも挙げ「パソコンにBluetooth機能が加わることで、携帯電話やPDAとのデータ交換が容易になる。Bluetooth機器が爆発的に普及する“クリティカルマス”に間もなく達するだろう」と述べた。

複数の調査会社による、Bluetoothモジュールの世界市場における出荷予測
複数の調査会社による、Bluetoothモジュールの世界市場における出荷予測

オドノバン氏は調査会社各社によるBluetoothの市場規模(世界)予測を紹介し、2001年に7〜800万ユニットだったBluetoothの出荷は、2002年に30〜4500万ユニット、2003年には1億8000万ユニット、2005年には7〜12億ユニットと、爆発的な拡大が望めるとしている。Bluetoothチップは多くのメーカーが提供しているが、英CSRのBlueCoreチップはBluetooth仕様1.1認定製品の56%が採用するなど、圧倒的なシェアを持っているとした。

Bluetooth仕様1.1認定製品での、CSRのチップが搭載されている製品の割合(紫の部分)
Bluetooth仕様1.1認定製品での、CSRのチップが搭載されている製品の割合(紫の部分)

また、塚越氏によるとCSR全体の売り上げに占める日本市場からの売り上げは半分以上で、多くの有力メーカーが日本に集まっていることが理由だという。シーエスアールのオフィス内には、Bluetoothの測定装置を設置して技術スタッフも常駐させており、顧客がBluetoothロゴ認証や各国で申請するためのサポートを行なっているという。日本以外では台湾、韓国での売り上げも伸びており、日本オフィスをアジアサポートの中心拠点にするとしている。

CSR製品の今後のロードマップ。IEEE 802.11a製品は今年の末から来年にかけて発表予定という
CSR製品の今後のロードマップ。IEEE 802.11a製品は今年の末から来年にかけて発表予定という

このほか、オドノバン氏は今後の製品ロードマップを示したが、それにはBluetooth製品のほか、IEEE 802.11aの製品も含まれていた。これについて「IEEE 802.11aにはBluetoothに次いで2番目に注力している。近い将来Bluetoothと11aの両方が求められる時代が来ると考えている」と述べた。5GHz帯域での1チップ化は難しいのではという意見もあるが「Bluetoothのときも2.4GHz帯域のチップを1つにするのは無理だと言われたが、我々は成し遂げた。5GHz帯域でも1チップは可能だと考えている」として、あくまでも1チップ製品を目指すと述べた。

(編集部 佐々木千之)


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