シャープ(株)とシャープ・ヨーロッパ研究所(英Sharp Laboratories of Europe社)は27日、専用メガネを使わない立体表示が行なえる液晶ディスプレーを実用化したと発表した。平面表示(2D)と立体表示(3D)を電気的に切り替えられるのが特徴で、パソコンなどに搭載すれば、文章作成や表計算などは2Dで表示させ、コンピューターグラフィックスやゲームなどの3D専用コンテンツは3Dで表示させることが可能になる。同社では、3D液晶ディスプレーの普及とコンテンツ拡充のため、コンソーシアムの設立を図るとしている。
2D/3D表示を切り替えられる液晶ディスプレー |
今回実用化した3D液晶ディスプレーは、“視差バリア方式”を利用したもので、従来のTFT液晶ディスプレーと、独自開発の“スイッチ液晶”を組み合わせたもの。スイッチ液晶を利用した光学視差バリアーにより光の進行方向を制御することで、左右の目に異なる光が届くように分離できるだけでなく、視差バリアーによる分離をさせないことで従来のディスプレーと同じように表示させられるという。
3D表示(視差バリアーにより光が分離され、左右の眼には異なる光が届くため、立体的に見える) |
2D表示(スイッチ液晶により視差バリアーを制御し、光を透過させることで左右の眼に同じ光が届き、2D画像に見える) |
同社では、2D/3D液晶ディスプレーを、大型サイズはパソコンや液晶テレビ、CG/CAD/CAM/店頭販売/医療用などに、中小型サイズはPDA/電子手帳/図鑑やゲームなどのアミューズメント
用に利用できるとしている。