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ソニー、1GB対応のMD規格“Hi-MD”を発表――対応機器は6月

2004年01月08日 23時30分更新

文● 編集部

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ソニー(株)は8日、MD(ミニディスク)と再生互換性を持ち、著作権保護技術を採用した記録メディアの規格“Hi-MD(ハイエムディー)”を策定したと発表した。

ロゴ“Hi-MD”のロゴ

“Hi-MD”は、信号処理技術を変更して記録ビット長を短くするとともに、記録方式の効率を上げることで、高密度/大容量化を図ったのが特徴。レーザーの波長(780nm)やレンズ開口径(NA:0.45)、メディアサイズ(直径64.8mm、厚さ1.2mm)、トラック方式(グルーブ記録)、アドレス方式(グルーブウォブル/ADIP:Address In Pre-Groove)などはMDと同じだが、データ変調方式が“EFM(Eight to Fourteen Modulation)”から“1-7RLL(1-7 Run-Length Limited coding)”に、データ検出方式が“Bit by Bit”から“PRML(Partial Response Maximum Likelihood)”に変更されている。現行のMDディスク(0.59μm)をHi-MDに初期化する場合のビット長は0.44μm、“Hi-MD 1GBディスク”では0.16μmとなる。トラックピッチは現行MDでは変わらず1.6μm、Hi-MD 1GBディスクでは1.25μm。データ転送レートは、現行MDが線速度1.2m/sで1.25Mbps、Hi-MDで初期化した場合は線速度2.4m/sで4.37Mbps、Hi-MD 1GBディスクでは線速度1.98m/sで9.83Mbps。そのため、現行のMDのディスク(80分/177MB)を“Hi-MD”で初期化すれば容量は約2倍の305MBとなる。

音声圧縮技術には“ATRAC3plus”が追加されたほか、リニアPCM録音にも対応。著作権保護技術には、OpenMGとMagicGateを採用している。ディスクに記録されている音楽コンテンツは暗号化とSCMS(Serial Copy Management System)に対応しているという。

Hi-MD 1GBディスク
“Hi-MD 1GBディスク”『HMD1G』。サイズは現行MDと同じ

“Hi-MD 1GBディスク”は、今回、同時に発表した“Hi-MD”専用の記録メディアで、“DWDD(Domain Wall Displacement Detection:磁壁移動検出方式)”技術を採用しており、フォーマット後の容量は1GB。同技術は、磁壁移動型の磁気的超解像(MSR)技術を応用したもので、レーザー照射により生じる温度差を利用して、レーザービーム径よりも小さい記録マークを一時的に拡大して読み出す技術という。また、“Hi-MD”ではファイルシステムに“FAT(File Allocation Table)”を採用しており、Hi-MDで初期化したMDディスクや1GBのHi-MDディスクはパソコンの汎用記録メディアとしても利用できるようになっている。

『MZ-NH3D』
Hi-MDウォークマン『MZ-NH3D』サウンドゲート『LAM-X1』
Hi-MD対応製品

併せて、ソニーマーケティング(株)が“Hi-MD”対応機器と記録メディアを発表した。“Hi-MDウォークマン”として、Hi-MDの録音/再生が可能な『MZ-NH1』、USBで接続してパソコンリムーバブルメディアとしても利用できる機能を搭載した『MZ-NH3D』、再生専用機『MZ-EH1』(シルバー/ブラック)の3機種と、CD/MDドライブを搭載したデスクトップオーディオ“サウンドゲート”『LAM-X1』、1GBの記録用Hi-MDディスク『HMD1G』の計5製品をラインアップする。価格はオープン。6月に発売する。

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