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iVDRコンソーシアム、リムーバブルHDD“iVDR”のコンテンツ保護技術と1インチiVDRメディアの仕様を発表


2004年4月12日

可搬型HDD規格“iVDR”の標準化と普及を目指す業界団体である“iVDRハードディスクドライブ・コンソーシアム”は12日、都内で総会を開催し、コンテンツ保護機能を搭載する“iVDR-Secure”と、1インチiVDR規格“iVDR micro”の2規格の採用を決定し、仕様を発表した(iVDR microに関しては暫定仕様)。

iVDRの3タイプのメディアのサイズ比較
iVDRの主な仕様

iVDRの規格構造の全体像
iVDRは、パソコンおよびAV機器で共通に利用可能な可搬型のHDD規格で、ハードウェア/インターフェース/ファイルシステム/アプリケーションの各仕様が規格化されている。これまでに定義されているサイズは2.5インチ“iVDR”(現在最大80GB)と1.8インチ“iVDR mini”(現在最大20GB)の2種類。利用シーンとしては、パソコン用のリムーバブルドライブのほか、ホームサーバー、ビデオレコーダー、車載AV機器などが考えられており、大容量の映像や音声といったデータの保存/再生/機器間移動などに利用できるという。なお、コンソーシアムの会員企業は、立ち上げに参加したキヤノン(株)、三洋電機(株)、シャープ(株)、日本ビクター(株)、パイオニア(株)、(株)日立製作所、フェニックス テクノロジーズ(株)、富士通(株)の8社を含め、4月5日現在で38社となっている。



“iVDR-Secure”のロゴと主な役割
“iVDR-Secure”の搭載により実現するiVDRの用途の図。著作権/コンテンツ保護が施された状態でのコンテンツ販売が可能になる
コンテンツ保護処理されたデータのやり取りのモデル図。ライセンス情報を含めて別の人にデータを“移動”(コピーとは異なる)することも可能

この日の総会で採用が採決された規格は、コンテンツ保護機能を搭載するiVDR規格“iVDR-Secure”と、これまで定義されているメディアよりもさらに小型サイズの“iVDR micro”の2つ。“iVDR-Secure”は、“PKI(Public Key Infrastructure、公開鍵基盤)”をベースとし、記録データの保護や著作権対応を含むコンテンツ保護の実現を目的とした規格。暗号方式は公開鍵暗号方式+共通鍵暗号方式で、利用制限付きコンテンツ鍵の記録と管理を持つ。この機能の追加により、コンテンツのダウンロード販売やキオスク端末での販売、デジタル放送などの著作権保護とコピー制御が求められる番組の録画/再生が可能な製品のリリースが可能になるという。なお、この規格を搭載する各iVDRメディアの規格名は、“iVDR Secure”(2.5インチ版)、“iVDR Secure mini”(1.8インチ版)、“iVDR Secure micro”(1インチ版、iVDR microの詳細は後述)となる。


実物が展示されていたiVDRメディア。写真の一番右が上記の“iVDR-Secure”も搭載した“iDVR Secure micro”メディア

一方の“iVDR micro”は、従来規格をさらに小型化したもので、この日の総会で採用が決定した仕様は暫定仕様とされている。メディアサイズは幅50×奥行き50×高さ8mmで、HDDは1インチのものを用いる。2.5インチの“iVDR”と1.8インチの“iVDR mini”は、コネクター部が共通で互換性が確保されているが、“iVDR micro”はオリジナルのコネクターを採用するという。コネクター部の耐久性とメディアの耐衝撃性能は従来規格と同水準を維持し、コネクター部耐久性は挿抜回数1万回、耐衝撃性は非動作時900G以上(約70cmの高さから落下した際の衝撃に相当)を確保する。容量は現在4GBで、数年後には10GBへの増加を見込んでいるという。なお、搭載製品としては、携帯電話などが考えられているという。

この日発表された初のiVDR製品、アイ・オー・データ機器の『USB2-iVDR/20』。4月下旬出荷予定
総会は会員企業のみが参加対象だったが、総会終了後のセミナーはプレスにも公開され、ここでは、新規格の技術説明のほか、現在のiVDR全般の状況説明や今後の展開などが解説された。また、会場ではアイ・オー・データ機器(株)がこの日発表したUSB 2.0接続のiVDRアダプターおよび20GBのiVDR miniメディアのパッケージ『USB2-iVDR/20』(一般に販売される初のiVDR製品)のほか、現在開発中のiVDR搭載製品の展示も行なわれた。




iVDRハードディスクドライブ・コンソーシアムの日置敏昭代表

iVDRハードディスクドライブ・コンソーシアムの日置敏昭代表は、コンソーシアムの現在の取り組みと今後の活動内容について説明。2004年を「iVDR元年」と位置付け、iVDR製品のリリースに向けた活動を強化していくとしている。日置氏によると、放送のデジタル化と双方向サービス、蓄積型サービスの立ち上がり、一般家庭におけるブロードバンドネットワークの普及という、放送およびネットワークの進歩と融合により、AV機器のネットワーク接続とパソコンのAV機器化が今後さらに進み、これにより、大容量でリムーバブル、高速マルチチャンネルアクセス、多様な情報の取り扱い、AV機器とパソコンが共通で使用可能、という要素を持つ次世代データプラットフォームが求められるようになるとしており、これを実現するのがiVDRだと述べた。また、従来HDDが多用されてきたパソコンやサーバーといった分野だけでなく、HDDビデオレコーダーやカーナビゲーション、PDA、ポータブルオーディオといった非パソコンの情報家電分野へのHDD搭載の動きが進み、このような新市場に向けてiVDRを展開していくとしている。

各種大容量記録メディアの応用分野とiVDRのカバーする領域を示す図
iVDRの利用シーン

コンソーシアムの今後の取り組みとしては、ハードウェア関連の部会では、

  • “iVDR micro”の最終的な規格策定
  • TVチューナーデバイスなどの周辺機器が実現可能な“iVDR I/O”の規格策定
  • iVDRメディア、コネクター、システム装置の規格適合性審査の基準決定

などを行ない、アプリケーション関連の部会では、オーディオやビデオを取り扱うアプリケーションの規格化を進めるという。


iVDRスロット用TVチューナーのサンプル。現在はHDD専用インターフェースのみのiVDRだが、今後はI/O機能を持たせるとのことだ

日立製作所、情報・通信グループ、ユビキタスHDD推進センタの徳永尚文氏

日立が目指すユビキタス情報社会における製品構想
立ち上げ時からの参加企業である日立製作所(株)の情報・通信グループ、ユビキタスHDD推進センタの徳永尚文氏は、“iVDRへの期待”と題するプレゼンテーションを行ない、ユビキタス情報社会におけるHDDに求めるものや、非IT系HDD市場の予測を説明した。徳永氏によると、ユビキタス情報社会におけるHDDでは、「安心・安全・快適の機能を備える」ことが必要で、具体的には、

安心・安全
今だけ、ここだけ、自分だけが扱うべき情報の守秘性を確保
快適
いつでも、どこでも、誰でも扱える、機器としての共通性の確保

の2点が求められているとしている。そのために必要な機能としては、権利保護や認証管理、リスク管理といったセキュリティー関連機能、パソコンおよびAV機器で取り扱うデータへの対応、小型・軽量化とポータブル性の実現、ネットワーク接続性の確保とストリーム処理、そして操作の容易化とさまざまなサービスへの対応、などがあるという。そして、これらを実現するiVDRの活用を広く提案していきたいと述べた。


日立のiVDR搭載製品のラインアップ展開の計画図

また、今後のHDD、特に非IT分野でのHDD市場の予測としては、現在のHDD市場の主流である3.5インチHDDを上回るペースで2.5インチ以下の製品が成長を続けるとしており、iVDRが対象とする小型HDD市場に高い期待を持っているとしている。また、コンソーシアムの今後の活動に対する期待としては、

  • 異業種連携による新セグメント製品、新規サービスの創出
  • パソコンからAV機器までを網羅する標準規格の策定
  • グローバル展開の推進
  • 会員企業の連携による広範かつ強力なプロモーションと関連団体への働きかけ

を挙げている。

アイ・オー・データ機器のネットワーク対応メディアプレーヤー『AVEL Link Player』のiVDR搭載サンプル。フロントパネル中央部にiVDRスロットを装備
シャープのハイビジョン対応ビデオレコーダー。フロントパネル右側の黒い蓋の部分がiVDRスロット
アイ・オー、シャープの試作機に内蔵されているスロットはアルプス電気製のオートローディングメカを採用している
三洋電機のポータブルメディアプレーヤー。液晶ディスプレーを搭載し、ムービーの再生が可能
同じく三洋電機のカーナビゲーションシステム。ビデオレコーダーなどで録画した映像をiVDRで持ってきて再生できる
三洋電器のホームサーバー。4つのiVDRスロットを持つ
日立製作所のモバイルメディアプレーヤー。有機ELディスプレーを採用したサンプル
日立製作所のデスクトップパソコン“Prius Deck”シリーズにiVDRスロットを搭載した試作機
同じく日立製作所のiVDRスロット付き情報キオスク端末。コンテンツのダウンロード販売サービスなどに向けた製品
総会/セミナー会場で参考出品されていたiVDR搭載製品

(編集部 内田泰仁)


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