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NVIDIA、ノートパソコン向け最新GPU『GeForce Go 6800』の説明会を開催――ノートパソコンにもDirectX 9/Shader 3.0世代GPUを投入


2004年11月11日
GeForce Go 6800を搭載したMXMモジュールを手にした米NVIDIA社モバイル コンピューティング ソリューションズ ジェネラルマネージャーのロブ・チョンガー氏
GeForce Go 6800
GeForce Go 6800
GeForce Go 6800を搭載したMXMモジュールを手にした米NVIDIA社モバイル コンピューティング ソリューションズ ジェネラルマネージャーのロブ・チョンガー氏

米エヌビディア(NVIDIA)社は11日、去る8日に発表したノートパソコン向けGPU『GeForce Go 6800』の説明会を開催。同社モバイル コンピューティング ソリューションズ ジェネラルマネージャーのロブ・チョンガー(Rob Csongor)氏は、DirectX 9/Shader Model 3.0サポートや“PureVideoテクノロジー”など、GeForce Go 6800の機能について説明を行なった。

GeForce Go 6800(コードネーム“NV41M”)は、デスクトップパソコン用GPU“GeForce 6800”(コードネーム“NV40”)シリーズのノートパソコン版で、GeForce 6800と同じくDirectX 9のShader Model 3.0に対応したNV40世代のコアを搭載する初のハイエンドGPUである。トランジスタ数は約1億9000万、0.13μmプロセスで製造される。同社のライバルであるカナダATI Technologies社は、『MOBILITY RADEON 9800』や『MOBILITY RADEON X600』などを投入、または発表しているが、NV40世代GPUはこれらをしのぐパフォーマンスを発揮するため、GeForce Go 6800はノートパソコン向けでは現状最強のGPUと言っても過言ではない。グラフィックスコア部分は12ピクセルパイプを搭載するGeForce 6800とほぼ同等で、それに加えてノートパソコン向けの電力制御機能などが搭載されている。ちなみにデスクトップ向けのGeForce 6800シリーズは、GPU内にAGPインターフェースを搭載しているのだが、GeForce Go 6800はPCI Expressインターフェースを内蔵しており、AGPはサポートしない。

GeForce Go 6800の主なスペック(NVIDIAの資料より抜粋)。コアクロックは最高450MHz、メモリークロックは600MHz。メモリーインターフェースは128bitか256bit。TDP(熱設計消費電力)はコア/メモリークロックが300MHz/300MHzの場合、35W程度となる
GeForce Go 6800の主なスペック(NVIDIAの資料より抜粋)。コアクロックは最高450MHz、メモリークロックは600MHz。メモリーインターフェースは128bitか256bit。TDP(熱設計消費電力)はコア/メモリークロックが300MHz/300MHzの場合、35W程度となる
GeForce Go 6800のブロックダイアグラム(NVIDIAの資料より抜粋)。右下の点線で囲まれた部分は、後述する“PureVideo”用ビデオプロセッサ部分
GeForce Go 6800のブロックダイアグラム(NVIDIAの資料より抜粋)。右下の点線で囲まれた部分は、後述する“PureVideo”用ビデオプロセッサ部分

同社のプレゼンテーションによると、GeForce Go 6800とPentium 4-3.20GHzを搭載したノートパソコンの場合、3Dグラフィックベンチマークソフト『3DMark03』のスコアで7561と、MOBILITY RADEON 9800とPentium 4-3.40GHzを搭載するノートパソコンの5527を大きく上回る性能を発揮している。ただしこれが『3DMark05』になると、GeForce Go 6800の2724にMOBILITY RADEON 9800が2303と、その差はかなり縮まっている。実際のゲームでのパフォーマンスについては、3Dファーストパーソンシューティングゲーム『DOOM3』の場合、MOBILITY RADEON 9800搭載ノートが800×600ドット・High Quality品質で48.7fps(フレーム/秒)なのに大して、GeForce Go 6800は同品質で1280×1024ドットでも53.4fpsを発揮するとしている。事実デモマシンでの動きを見ていると、常時60fps前後は出ている様子で、とてもノートパソコンとは思えないパフォーマンスを発揮していた。

DOOM3のベンチマークモード(DOOM3 Demo)のフレームレート比較グラフ(NVIDIAの資料より抜粋)。高解像度になるほど、GeForce Go 6800のアドバンテージが明確になる
DOOM3のベンチマークモード(DOOM3 Demo)のフレームレート比較グラフ(NVIDIAの資料より抜粋)。高解像度になるほど、GeForce Go 6800のアドバンテージが明確になる

NV40シリーズはPixel Shaderによる64bit浮動小数点演算に対応しており、同世代のGeForce Go 6800も、リアルな光の表現を行なう“ハイダイナミックレンジ(High Dynamic Range:HDR)”の描画などを得意とする。デモでは、Shader Model 3.0対応パッチを適用した3Dファーストパーソンシューティングゲーム『FarCry』での、HDRレンダリングによる明るい光の表現や、次世代3Dゲーム用グラフィックスエンジン『Unreal Engine 3』を使った、“バーチャルディスプレースメントマッピング”(テクスチャの陰影を元に、単純なポリゴンを細かく分割して緻密な画像を作り出す技法)の処理などが披露された。いずれも今後登場する最新の3Dゲームで活用される高度な表現で、GeForce Go 6800のパワーを見せつけた形だ。

またNV40シリーズは3Dだけでなく、内蔵のプログラマブルビデオプロセッサーと対応ドライバーソフトを使った、高品位の動画表示機能も特徴である。同社はこれを“PureVideoテクノロジー”と呼び、GeForce Go 6800にもPureVideo用回路が搭載されている。チョンガー氏は説明の中で、「東芝のAVノート“Qosmio”やソニーの“Motion Realityエンジン”(VAIO type V搭載)は専用の高画質化回路を使っているが、PureVideoの場合はハイクオリティーなエンジンがGPU内に盛り込まれた」と語った。PureVideoはNV40シリーズGPUとPureVideo対応ドライバー(12月に公開予定)によって使用可能となる。これを使えばGeForce Go 6800を搭載したノートパソコンでは、斜め線のジャギーが出ない高品位の“I/P(インターレース/プログレッシブ)変換”や、フレームレートの異なる映像ソースに起因する画像のブレをなくす“3:2プルダウン補正”、白っぽい色や黒っぽい色の階調表現を補正する“拡張カラースペース”などを駆使した、より自然でテレビ品質に迫るビデオ再生が可能となる。GPUとPureVideo対応ドライバーによって実現される機能であるため、基本的にアプリケーション(DVDプレーヤーソフトやWindows Media Playerなど)側は対応する必要がないのも利点だ。

PureVideoの主な機能。ソニーや東芝のAVパソコンの一部が、専用回路で実現している高画質化処理をGPUで行なう
PureVideoの主な機能。ソニーや東芝のAVパソコンの一部が、専用回路で実現している高画質化処理をGPUで行なう
PureVideoの効果のサンプル。他社のGPUでは映画をソースにしたビデオの再生で映像のブレが生じるが、PureVideoが有効なシステムではきれいに再生される
PureVideoの効果のサンプル。他社のGPUでは映画をソースにしたビデオの再生で映像のブレが生じるが、PureVideoが有効なシステムではきれいに再生される

また説明会では、同社がパソコンメーカーと共同で推進しているノートパソコン向けのグラフィックスカードインターフェース規格“MXM”(Mobile PCI-Express Module)に基づいた、GeForce Go 6800を搭載するMXMモジュールが披露された。MXMモジュールを使うことで、ノートパソコンメーカーは1つの設計で複数のGPUをサポートすることが可能になる。最新最速のノート用GPUでも、MXMモジュールがすでに利用可能な点をアピールしたことになる。ただし同社が販売するのはあくまでもGPU本体(とMXMモジュールのリファレンスデザイン)のみで、同社がGeForce Go 6800搭載MXMモジュールを販売することはないそうだ。

GeForce Go 6800はすでにメーカーに対して出荷を開始しており(価格は未公開)、米Sager Midern Computer社米Alienware社などが、搭載したノートパソコンを販売開始している(写真から推測するに、同じメーカー製の製品のようだ)。ただしこれらは非常に大きなDTR(Desktop Replacement:デスクトップ代替)ノートばかり。それもそのはずで、現在出荷されているGeForce Go 6800搭載ノートはどれも、デスクトップ用のPentium 4とIntel 915チップセットを使っているという。現時点ではPCI Expressをサポートしたノート用チップセットが存在しないので、こうした無理矢理な方法でしかGeForce Go 6800を搭載できないわけだ。しかしインテルが予定しているノート用PCI Express対応チップセット“Alviso”が登場してくれば、日本でも一般的なサイズのノートパソコンでも、GeForce Go 6800を搭載した製品が登場してくると予想される。

GeForce Go 6800を搭載したMXMモジュールのサンプル。搭載ビデオメモリーは256MBのDDRメモリー
GeForce Go 6800を搭載したMXMモジュールのサンプル。搭載ビデオメモリーは256MBのDDRメモリー
すでに米国では販売されているGeForce Go 6800搭載ノート。しかし日本でまずありえない巨大さで、価格も2500ドル(約27万円)以上〜4000ドル(約43万円)以上という高級品ばかり。本格的な普及はAlviso待ちになりそうだ
すでに米国では販売されているGeForce Go 6800搭載ノート。しかし日本でまずありえない巨大さで、価格も2500ドル(27万円)以上〜4000ドル(43万円)以上という高級品ばかり。本格的な普及はAlviso待ちになりそうだ

(編集部 小西利明)


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