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NVIDIA、TurboCache技術を取り入れたローエンドGPU『GeForce 6200』と、GeForce 6x00シリーズ向けの高品位ビデオアクセラレーション技術“PureVideo”を発表
2004年12月20日
高品位のビデオ再生を実現する“PureVideo”
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TurboCache Technologyを実装したGeForce 6200(サンプル品) |
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GeForce 6200のリファレンスカードを手にしたエヌビディア ディレクターの東正次氏。サンタコスチュームの美女に挟まれ、思わず顔もほころぶ? |
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エヌビディア(株)(以下NVIDIA)は20日、都内にて記者説明会を開催し、GeForce 6x00シリーズ向けの高品位ビデオアクセラレーション技術“PureVideo”と、ローエンド向けDirectX 9世代GPU(Graphics Processing Unit)『GeForce 6200』を発表した。
PureVideoとは、家庭向けパソコンでのDVDビデオやMPEG-2、WMVといったビデオ映像を、より高品質に表示する技術と、そのためのビデオ専用プロセッサーの総称である。専用プロセッサーと言っても独立したICチップではなく、GeForce 6x00シリーズ(NV4x)のGPUに内蔵された機能として提供されている。米NVIDIA社マルチメディア担当・ジェネラルマネージャーのスコット・ヴォーリ(Scott Vouri)氏はプレゼンテーションの中で、PureVideoについてパソコン向けでは唯一のプログラマブルなビデオ専用プロセッサーであり、ホームシアター品質のビデオ再生をパソコンで可能にすると述べた。
PureVideoの思想は、ソニーの“VAIO type V”シリーズや東芝の“Qosmio”シリーズが独自の仕組みで実装しているビデオ再生品質の向上技術を、GPU内部のビデオプロセッサーで実現しようというものである。これらの製品はインターレースのテレビ映像やMPEG-2ビデオをより美しく再生するため、GPUとは別にビデオ処理専用のプロセッサーを搭載し、インターレース/プログレッシブ変換や色補正、液晶パネル表示時の残像感を抑制するデジタルオーバードライブなどの処理を行なっている。PureVideoではこれらのポストプロセッシング部分をGPU自体で行なう。PureVideoのプロセッサーは、プログラマブルな16wayのSIMDベクトルプロセッサーで構成され、ビデオドライバーから与えられたビデオ処理プログラムに応じて、MPEG-2やWMVのデコードを行なう。ビデオプロセッサーがプログラム可能なおかげで、ビデオ処理プログラムを改良することで、GPUやグラフィックスカード自体は変更しなくても、新しい機能(たとえば新しいビデオ形式のデコードアクセラレーション)を加えることもできる。
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PureVideoのビデオ専用プロセッサーの主な機能 |
PureVideoの主なビデオ処理機能には、以下のようなものがある。またこのほかにも、コントラスト差の少ない色の色潰れを防ぐ、色表現のダイナミックレンジの拡大なども備わっている。ヴォーリ氏の行なったデモでは、PureVideo対応のNVIDIA GPUと、そうした機能を持たないカナダATIテクノロジーズ社のRADEON X700で同じビデオを再生させて、優れた表示品質をアピールした。
●高品質のインターレース/プログレッシブ変換
インターレース形式で記録されたビデオ映像を、パソコンのプログレッシブ表示のディスプレーに表示する際に行なう変換処理をPureVideoで行なうことで、クシ状の残像が見える現象の抑制を行なう。
●3:2プルダウン補正、3:2プルダウン“Bad Edit”補正
たとえば映画(24コマ/秒)とテレビ映像(30コマ/秒)では秒間コマ数が異なり、この差を埋めるために同じフレームがだぶって表示され、細かな表現がぶれて潰れることがある。それを補正して、ディテール潰れを抑制する。
●水平4、垂直5タップのスケーリング
高解像度なパソコン用ディスプレーにビデオ映像を拡大表示する際に、スムーズでジャギーのない拡大を行なう。
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インターレース/プログレッシブ変換の説明図。左がRADEON、右がPureVideoでの表示 |
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3:2プルダウン補正の説明図。写真のため分かりにくいが、PureVideoでは斜めのレールがジャギーのない滑らかな表現になっている |
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3:2プルダウン“Bad Edit”補正の説明図。車のフロントグリルに映る影が、PureVideoではぶれずにきれいに表現されている |
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色表現の説明図。パソコンでのビデオ表示では、微妙な白や黒、赤の階調表現が潰れがちだが、PureVideoでは色表現のダイナミックレンジを仮想的に10bit(通常は8bit)に拡大することで、階調差の少ない色が潰れるのを防ぐ |
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またPureVideoはマイクロソフト(株)の定めた“VMR(Video Mixing Renderer)”に準拠した設計となっていて、3Dグラフィックスとの合成や複数ビデオのアクセラレーションを可能としている。これらはWindows Media Player 9、10や、Windows XP Media Center Edition 2005などでサポートされる。またグラフィックスのアーキテクチャが一新される次世代Windows“Longhorn”でも、重要な機能となるだろう。
PureVideoを利用するには、GeForce 6x00シリーズのGPU(6800、6600、6200、Go 6800、Go 6200など)と、PureVideoに対応したビデオドライバー、NVIDIA製のソフトウェアDVDプレーヤー『NVDVD』の新バージョン(20日に公開予定)、そしてWindows Media Player 9か10、もしくはWindows XP Media Center Edition 2005が必要となる。またWindows以外にも、LinuxやNVIDIAが開発中の家庭用パソコン向けメディアプレーヤーミニOS“nStant Media”などでも利用できるように開発が行なわれているという。
メモリーの少ないローエンドグラフィックスカードのパフォーマンスを向上させるGeForce 6200
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香港Inno3D社のGeForce 6200搭載カードのサンプル。GPUは通常、ヒートシンクで覆われているので、剥き出しになったものを目にするのは珍しい。メモリーチップは1チップしか搭載されていない |
説明会の後半では、 新技術“TurboCache”テクノロジーを搭載したローエンド向けGPU『GeForce 6200』についての説明が行なわれた。米国では16日にプレスリリースが発表されている。
GeForce 6200に搭載されたTurboCacheテクノロジーとは、PCI Express x16の双方向で幅広い帯域を生かして、パソコンのメインメモリーをグラフィックスカード上のメモリーのように、3Dレンダリングのレンダリング対象メモリーとして扱う技術である。通常のGPUの場合、レンダリングデータは非常にアクセス頻度が高く高速性を要求されるため、グラフィックスカード上に搭載したメモリーしか使えない。そのためグラフィックスカードには高速なメモリーを128〜256MBも搭載しなくてはならず、コストの増加を招いていた。このコストはミッドレンジやハイエンドのグラフィックスカードなら許容されても、1万円前後のローエンドグラフィックスカードでは難しい。
そこでTurboCacheテクノロジーに対応したGeForce 6200では、パソコンのメインメモリーの一部(112〜192MB程度)をビデオメモリーとして確保し、カード上のビデオメモリーと同じようにレンダリングを行なえるようにした。そのためカード上のビデオメモリーは少量でも済むので、グラフィックスカードのコストを抑えられる。双方向に広い帯域(片方向4GB/秒×2)を持つ、PCI Express x16の利点をフルに活用した技術というわけだ(よってAGPではTurboCacheの機能を生かせない)。NVIDIAではGeForce 6200のメモリーバンド幅について、“最大で13.6GB/秒”という、GeForce 6600並みの数字を挙げている。TurboCacheはあくまでも、カード上のビデオメモリー量が限られたローエンドGPU向けの技術であり、ミッドレンジのGeForce 6600シリーズやハイエンドのGeForce 6800シリーズではサポートされない。
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通常のGPU(左)とTurboCache対応GeForce 6200(右)のアーキテクチャーの違い |
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Nvidiaが公開した『3DMark03』でのパフォーマンス比較グラフ。TurboCache対応GeForce 6200が、ライバルのATI RADEON X300やIntel 915G内蔵グラフィックスを上回る結果を残している |
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最新のファーストパーソンシューティングゲーム『HALF-LIFE2』をGeForce 6200で動かすデモ。優れたグラフィックスエンジンで知られるゲームを、ローエンドGPUながら軽快に動作させてみせた |
しかしカード上に搭載された700MHz、64bit幅のDDRメモリーのメモリーバンド幅(5.6GB/秒)と比べれば、PCI Express x16の帯域はやや少ない。さらにパソコン側のメインメモリーはCPUも頻繁にアクセスしているので、GPUがメモリー帯域を占有していられるわけではない。13.6GB/秒という数字ほど高いパフォーマンスは得られないだろう。それでもビデオメモリーの少ないローエンドのグラフィックスカードでも、パソコン側に十分なメモリーがあれば比較的高いパフォーマンスを発揮できるので、TurboCache対応GeForce 6200は、財布に易しいGPUとして評価できるだろう。
TurboCache以外のGeForce 6200の特徴としては、PCI Express対応でバーテックスパイプが3、ピクセルパイプが4。GPUコアクロックは350MHz。プログラマブルシェーダー3.0対応などである。カード側のビデオメモリーは、32bit幅または64bit幅のDDRメモリーを最大128MBまで搭載可能。
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GeForce 6200シリーズと、競合するATIのX300シリーズの比較表。GeForce 6200は左がメモリーバス幅が64bit、右が32bitの場合 |
NVIDIAの発表によれば、すでに70社以上のカードベンダーやパソコンメーカーが、GeForce 6200の採用を決めたという。説明会の会場にも、グラフィックスカードベンダーの製品が多数出展されていた。発売時期は2005年の1月以降となる。価格も1万円前後になる見込みで、いよいよ1万円以下のグラフィックスカードにも、最新のプログラマブルシェーダー3.0対応品が普及してくることになる。
少々気になったのは、TurboCache対応のGeForce 6200搭載カードは、カード上に搭載されているビデオメモリーが16MBや64MBなのにも関わらず、パッケージには“128”や“256”という、大容量のビデオメモリーを連想させる数字が並んでいる点である。くどいようだが、TurboCacheでメインメモリーをビデオメモリーと同様に扱えると言っても、そのパフォーマンスはどうしてもカード上のビデオメモリーには及ばない。またメインメモリーから多くのビデオメモリーを割り当てれば、その分OSやアプリケーションが利用できるメモリーも減るというデメリットもある。そのうえややこしいのは、すでに秋葉原などのパーツショップなどでは、128MBのビデオメモリーを搭載した(TurboCacheに対応しない)GeForce 6200が販売されている点である。TurboCache対応GeForce 6200が市場に出回るようになると、同じGeForce 6200が搭載されパッケージに“128”といった数字が書かれていても、カード上のビデオメモリー量は大違いという製品が店頭で混在することになる。消費者の誤解や混乱を招く可能性も考えられるだろう。購入を検討している人は、スペック表やベンダーウェブサイトの情報などできちんと確認をして、希望の商品を選ぶように注意をする必要がありそうだ。またカードベンダー側にも、消費者の誤解を招きにくいスペック表記を行なうよう期待したい。
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ずらりと並んだGeForce 6200搭載カードとデモマシン。来年には一気にローエンドにもGeForce 6x00シリーズの波が押し寄せそうだ |
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アルバトロン『TC6200Q』。64bitメモリーインターフェース対応で搭載ビデオメモリーは64MB |
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日本ギガバイト『GV-NX62TC256D』。カード上のビデオメモリーは64MB |
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エルザジャパン『ELSA GLADIAC 544 TC』。ビデオメモリーは64MB。D端子インターフェースが付属する |
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エーオープンジャパン『PCX6200TC-DV64』。説明書きでビデオメモリーが64MBであることを明記してあり、分かりやすい |
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GAINWARD『Ultra/1440 PCX TV-DVI』。ロープロファイル版も予定。同社の製品にはビデオメモリーが16MBのUltra/1420、32MBのUltra/1430もラインナップされる |
(編集部 小西利明)
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