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NTT、携帯電話機に搭載可能な小型/高出力の次世代燃料電池を試作

2005年02月22日 16時29分更新

文● 編集部

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日本電信電話(株)は22日、携帯電話機に直接搭載可能な水素ガスを燃料とする小型の固体高分子携帯燃料電池“マイクロPEFC(Polymer Electrolyte Fuel Cell)システム”を試作し、携帯電話機の実機を利用した起動/着信/発信(TV電話/通話/iモード)に成功したと発表した。併せて、マイクロPEFCに自動で水素を充填する装置も開発したという。

試作したマイクロPEFCシステム試作したマイクロPEFCシステム

携帯機器用の燃料電池は、燃料にアルコール(メタノール)を利用するダイレクトメタノール型燃料電池(DMFC)の開発が主流となっているが、発電時に二酸化炭素(CO2)を発生することや、単位面積あたりの出力密度が低いため、小型化が難しいことが課題となっている。

今回、同社が試作したマイクロPEFCは、水素ガスを燃料とすることで、発電時に二酸化炭素が発生しないうえに、リチウムイオン電池と置き換えられる高出力を得られるのが特徴。昇圧技術により発電部の直列接続をなくし、水素吸蔵合金タンクと発電部を一体化したことで部品点数を削減、電池サイズを幅42×奥行き13×高さ80mm(重量は104g)に小型化したという。また、水素吸蔵量の大きな体心立方(BCC)型構造の合金を採用したことにより長時間発電に対応し、携帯電話では9時間の通話が行なえるという。発電部の面積を変えることで、ビデオカメラ/デジタルカメラ/PDA/ノートパソコンなどさまざまな携帯用電子機器に適用可能という。

同社では、本格的な実用化には水素燃料の供給体制などの課題があるものの、マイクロPEFCについては今後予想される機器の高機能/多機能化による消費電力の増大にも対応可能であることから、早期の実用化を目指すとしている。

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