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東芝、平置き利用の“裸眼立体3Dディスプレイ”を開発――「2年後をめどにアーケードゲームに展開」を目指す


2005年4月15日
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挨拶に立った東芝 研究開発センター 所長の有信睦弘氏

(株)東芝は15日、東京・浜松町の本社ビルにプレス関係者を集め、平置きでの利用を想定した“インテグラルイメージング方式”の“裸眼立体3Dディスプレイ”を開発したと発表した。「2年後をめどにアーケードゲームや教育市場、さらに家庭用ゲーム機や携帯ゲームへと用途を拡大し、将来的には次世代TVなどのマス市場へと用途を拡大していきたい」(研究開発センター 所長 有信睦弘(ありのぶむつひろ)氏)としている。



発表会の出席者
発表会の出席者。右から有信氏、重中氏、平山氏

発表会には、有信氏のほか同センター ヒューマンセントリックラボラトリー 室長の重中圭太郎(しげなかけいたろう)氏、主任研究員の平山雄三氏らが出席し、開発の背景や表示技術の詳細について説明した。

最初に挨拶に立った有信氏は、研究開発センターの役割について「“新技術を人と社会のために”をコンセプトに、量的な豊かさではなく質的な豊かさを得るための技術開発を行なってきた。研究開発センターは、事業部の中期経営戦略の先にある(実用化の時期が)5年以上先の技術について研究を行なっている」と紹介した。

従来の2眼式/多眼式の立体表示の仕組み
従来の2眼式/多眼式の立体表示の仕組み
東芝が採用した“インテグラルイメージング方式”
東芝が採用した“インテグラルイメージング方式”

続いて、平山氏が今回開発発表した“インテグラルイメージング方式”の“裸眼立体3Dディスプレイ”と、既存の“2眼式”や“多眼式”の裸眼立体ディスプレーの違いを説明した。それによると、従来の2眼式や多眼式の裸眼立体ディスプレーは、閲覧者の位置をあらかじめ特定し、左右の目の位置に合わせて撮影した“2枚の映像”をレンチキュラーレンズ(かまぼこ状に凸部が並んだレンズ)を通して左右の目に結像し、2枚の絵を脳内で立体に判断する。

対して“インテグラルイメージング方式”では、より多くの角度(今回は12〜16段階)から撮影した映像を一定距離に多数結像させることで、見る人が位置を変えるとそれに伴って映像が切り替わり、リアルな立体感/奥行き感のある映像を視認できるというもの。多数の画像の分散にはレンチキュラーレンズを用いているため、違和感なく立体的に視認できる角度は限られる(今回の試作品では30度程度)が、その間では前後に並んだ立体物の陰影(角度によって隠されたり見えたり)がリアルに再現されていた。

平置き式のメリット
平置き式のメリット

表示原理としては、1920×1080ドットの高解像度液晶ディスプレーを縦横に分割して12(ないしは16)方向分の映像を合成・表示するというもの。また、縦置きではなく平置きにした理由は、3Dディスプレーで再現できる“限られた立体感”を自然に見せるため。パソコンのディスプレーのような縦置き画面を正面から見ると、“窓の向こうを見る”ように画面の奥に無限の空間が存在すると認識しがちだが、横置きで斜めから見下ろす形だと手前から向こうに奥行きを認識して箱庭を除くような意識が働く。そのため実効で数cm程度の立体空間でも、見る人にはリアリティーが感じられるとしている。

東芝が開発した3D立体ディスプレーの仕様
東芝が開発した3D立体ディスプレーの仕様
映像処理ソフトなど開発キットの内容
同じく映像処理ソフトなど開発キットの内容

今回試作されたディスプレーは15.4インチもしくは24インチサイズ(いずれも4:3)、表示解像度は480×400ドットもしくは480×300ドット。推奨視距離は15.4インチタイプが40cm、24インチタイプが60cm。入力インターフェースはDVI-D端子となる。

市場展開の展望
市場展開の展望

表示する映像の作成には、3D CGソフト“3ds max”(オートデスク(株) ディスクリート部門)向けに専用プラグインを開発しているほか、複数位置から撮影した映像を合成・フォーマット変換するミドルウェアと表示用回路を開発。6月までにはディスプレー試作機と合わせて、希望する開発者向けに提供を開始したいとしている。

2D表示の場合
2D表示の場合
皿とテーブルの奥行き感がリアルに再現されていた
3D表示の場合。裸眼で見ると映像のブレはなく、パスタを盛り付けた皿とテーブルの奥行き感がリアルに再現されていた
ジュースやお茶の缶/ペットボトルを表示した
同じくジュースやお茶の缶/ペットボトルを表示したところ。手前のコーヒー缶と奥のお茶缶の重なりが、見る角度によって正しく変化(重なったり離れたり)する
実際に見る角度での映像
実際に見る角度としては、この程度手前から見下ろす形になるという
会場で披露された立体映像の例

(編集部 佐久間康仁)


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