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日本シーゲイト、2.5インチサイズで7200rpmや容量120GBを達成したHDD“Momentus”シリーズの新製品を発表

2005年05月17日 22時12分更新

文● 編集部 小西利明

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2.5インチHDDとしては同社初の回転速度7200rpmを実現した『Momentus 7200.1』。写真はパラレルATA版のようだ 同じMomentus 7200.1のSATA版の見本品。記憶容量は100GBである
2.5インチHDDとしては同社初の回転速度7200rpmを実現した『Momentus 7200.1』。写真はパラレルATA版のようだ同じMomentus 7200.1のSATA版の見本品。記憶容量は100GBである

日本シーゲイト(株)は17日、2.5インチHDDでは最速クラスの毎分7200回転(rpm)の製品を含む、2.5インチHDDシリーズ“Momentus”(モメンタス)の新製品3機種を発表した。現在OEM向けにサンプル出荷中で、正式出荷は6月の予定。

米シーゲイト・テクノロジー社 プロダクト・マーケティング・マネージャーのマーク・ウォーカー氏
米シーゲイト・テクノロジー社 プロダクト・マーケティング・マネージャーのマーク・ウォーカー氏

都内で開催された報道関係者向けの説明会では、米シーゲイト・テクノロジー社 プロダクト・マーケティング・マネージャーのマーク・ウォーカー(Mark Walker)氏が同社のビジネスと新製品ついての説明を行なった。シーゲイト社と言えば、デスクトップ向けHDDでは大きなシェアを持つ大手ブランドであるが、ノートパソコンなどに使われる2.5インチサイズのHDDは苦手分野で、同分野では(株)東芝や富士通(株)、(株)日立グローバルストレージテクノロジーズなどが市場シェアのほとんどを占めている。しかしウォーカー氏は同社の2.5インチHDDビジネスも成長しており、2005年第1四半期にはノートパソコン向け分野では最も成長し、11%のシェアを獲得しているとした。



ノートパソコン向けHDDドライブの市場シェアグラフ。左は2004年第4四半期で、右が2005年第1四半期。シーゲイト社は“STX”で、FUJは富士通、SMGは韓国サムスン電子、TOSHは東芝、HGSTは日立グローバルストレージテクノロジーズ、WDCは米Western Digital社
ノートパソコン向けHDDドライブの市場シェアグラフ。左は2004年第4四半期で、右が2005年第1四半期。シーゲイト社は“STX”で、FUJは富士通、SMGは韓国サムスン電子社、TOSHは東芝、HGSTは日立グローバルストレージテクノロジーズ、WDCは米Western Digital社

今回発表された新製品と、その主な仕様は以下のとおり。

Momentus 7200.1
記憶容量 100GB、80GB、60GB、40GB/回転数 7200rpm/キャッシュメモリー容量 8MB/平均シークタイム 10.5ミリ秒/インターフェース シリアルATA 1.0(NCQ)、Ultra ATA/100/厚さ 9.5mm
Momentus 5400.2
記憶容量 120GB、100GB、80GB、60GB、40GB、30GB/回転数 5400rpm/キャッシュメモリー容量 8MB/平均シークタイム 12.5ミリ秒/インターフェース シリアルATA 1.0(NCQ)、Ultra ATA/100/厚さ 9.5mm
Momentus 4200.2
記憶容量 120GB、100GB、80GB、60GB、40GB、30GB/回転数 4200rpm/キャッシュメモリー容量 8MB/平均シークタイム 12.5ミリ秒/インターフェース Ultra ATA/100/厚さ 9.5mm

Momentus 7200.1は、2.5インチHDDとしては最速クラスの、回転速度7200rpmを誇るHDDである。デスクトップパソコン向け3.5インチHDDは7200rpmが主流であるが、ノートパソコン用HDDは現在4200~5400rpmが主流で、デスクトップパソコンと比べて、HDDの読み書きやシーク速度の遅さが目立っていた。同社では2.5インチHDDでも3.5インチHDD並みのスピードを実現することで、同社が“モバイルワークステーション”と呼ぶハイエンドのデスクトップ代替ノートや、ブレードサーバー、超小型筐体のデスクトップパソコンなどに適するとしている。インターフェースはパラレルATA(Ultra ATA/100)かシリアルATA 1.0で、さらにシリアルATA対応HDDでは、コマンド発行順序を並び替えて高速化を図る“ネイティブコマンドキューイング(Native Command Queuing:NCQ)”にも対応しており、NCQ対応のHDDコントローラー(Intel 915GM/PM ExpressチップセットのICH6Mなど)と組み合わせることで、パフォーマンスを向上させられる。記録容量は最大100GBで、プラッター(HDD内のディスク)1枚あたりの容量は50GBで、記録密度は73.7Gbit/インチである。

Momentus 7200.1と5400rpmのHDDとの速度比較(シーゲイトの資料より引用)。Windows XPの起動では20%も高速化されているという
Momentus 7200.1と5400rpmのHDDとの速度比較(シーゲイトの資料より引用)。Windows XPの起動では20%も高速化されているという

Momentus 5400.2と4200.2は、2.5インチHDDとしては最大級の、120GBの容量を実現した製品である。2.5インチで120GBのHDDは、すでに富士通が製品を発表しているが、シーゲイトではMomentus 5400.2は、5400回転の2.5インチHDDでは世界初の120GB HDDとのこと。プラッター1枚あたりの容量は60GBで、記録密度は90.9Gbit/インチ。対応インターフェースは、Momentus 5400.2がUltra ATA/100かシリアルATA 1.0(NCQ対応)、4200.2がUltra ATA/100のみとなっている。

Momentus 5400.2と4200rpm HDDとの速度比較。Windowsの起動や大容量ファイル操作などが、かなり高速化されている
Momentus 5400.2と4200rpm HDDとの速度比較。Windowsの起動や大容量ファイル操作などが、かなり高速化されている

大容量化の著しい3.5インチHDDに比べると、ささやかな容量増加かもしれないが、TV録画機能を搭載するノートパソコンも増えた現状では、待ち望まれた製品の登場と言えそうだ。

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